グルタチオンに効果はある?
グルタチオン(飲む)(還元型グルタチオン、L-グルタチオン、グルタチオン含有酵母エキス)論文5本で格付け2026-10-04 更新
結論
飲むグルタチオンで肌が明るくなるかは、まだはっきりしません。
- 調べられたのはタイなどアジアの人で、日本人の試験は見つかっていない
- 日本ではグルタチオンそのものは医薬品の成分で、食品には使えない
- 美白の点滴は、安全性の根拠が乏しいとされる
効くと言われていること
論文ではS〜D の決め方は格付けの決め方
飲む前に:公的機関の注意があります飲む前に知っておくこと
美白のために点滴を受けようとしている人は、安全性の根拠が乏しいという指摘があることを知っておいてください(出典: doi.org)。飲むものでは、グルタチオン(還元型グルタチオン)そのものは、日本では食品に使えません。厚生労働省の「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」に載っているためです(出典: mhlw.go.jp)。厚生労働省の事務連絡と東京都の資料によると、グルタチオンを天然に含む酵母を主な原料にした食品は、グルタチオンを含むことを強調しない表示なら認められています(出典: hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp)。
よくある質問
やめてもいい?
肌の色(美白)を目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはB)。
ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。続ける場合は、このページの「飲む前に知っておくこと」(公的機関の注意情報)を先に読んでください。
飲んで効いた気がするのはなぜ?
成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。
形や量が違えば効く?
格付けは、試験で使われた形と量での結果です。
- 肌の色(美白):グルタチオンを1日250〜500mg、4〜12週間
これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。
効いたという論文もあるのでは?
1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは5件の論文を読み、そのうち2件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。
効果ごとの論文の中身
肌の色(美白)に効く?
Bランク・根拠は限定的対象:健康な成人(主にタイなど東南アジアの女性)
飲むグルタチオンで肌のメラニンの量が減ったという結果はありますが、まだはっきりしません。測った部位の一部でだけ差が出た試験や、全体でははっきりした差が出なかった試験もあります。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文5本
効果の大きさ
60人をグルタチオン1日500mg(2回に分けて)とプラセボ(成分の入っていないもの)に分けた4週間の試験[3]では、肌の6か所でメラニン指数(肌の黒さの測定値)を測りました。プラセボとの差がはっきり出たのは、そのうち2か所だけでした。試験をまとめて計算した効果の大きさはありません。
- 試験の内容
- グルタチオンを1日250〜500mg、4〜12週間
- 根拠にした論文
- 系統的レビュー 2本・ランダム化比較試験 3本
注意点
- 対象:今回調べた試験はタイなど東南アジア・アジアの人が対象で、日本人の試験は見つかりませんでした。
- 資金:1日250mgの試験は、日本企業が資金を出したものです。
- 点滴・静脈注射:点滴・静脈注射のグルタチオンは、効果がなく副作用もあるため使うべきでない(禁忌)とする見解[1]があります。
- 日本の食品:日本で食品として売られているのは、グルタチオンを含む酵母エキスです。含有量が研究の量(250〜500mg)と同じとは限りません。
根拠にした論文
- 1.
系統的レビュー・Sarkar(2025年)・International Journal of Dermatology・6研究
過去10年のグルタチオン美白研究の系統的レビュー。飲むグルタチオン(1日250〜500mg)のRCT5件と非対照試験1件でメラニン指数がプラセボより下がったと報告。偏りのリスクは低・高がほぼ半々。効果は持続しない。点滴は効果がなく副作用もあり禁忌とした。
Glutathione as a skin-lightening agent and in melasma: a systematic review. doi:10.1111/ijd.17535
- 2.
系統的レビュー・Dilokthornsakul(2019年)・Journal of Cosmetic Dermatology・4研究
2017年10月までの4研究(プラセボ対照RCT3件・非対照1件、内服3件は1日250〜500mg)の系統的レビュー。内服500mgと塗る酸化型2%で日光の当たる部位の肌が明るくなったが、当たらない部位では有意差なし。著者は試験の質と結果の不一致から結論は出せないとした。
The clinical effect of glutathione on skin color and other related skin conditions: A systematic review. doi:10.1111/jocd.12910
- 3.
ランダム化比較試験・Arjinpathana(2012年)・Journal of Dermatological Treatment・60人
タイの健康な医学生60人の二重盲検RCT。グルタチオン1日500mgを4週間。6か所すべてでメラニン指数が下がったが、プラセボより有意に大きかったのは顔の右側と日光の当たる左腕の2か所のみ。忍容性は良好。
Glutathione as an oral whitening agent: a randomized, double-blind, placebo-controlled study. doi:10.3109/09546631003801619
- 4.
ランダム化比較試験・Weschawalit(2017年)・Clinical, Cosmetic and Investigational Dermatology・60人
タイの健康な女性60人(20〜50歳)の二重盲検RCT。還元型または酸化型グルタチオン1日250mgを12週間。メラニン指数とシミはプラセボより低い傾向だったが全体では有意差なし(40歳超の小集団の1部位のみ差)。一部の部位でシワが減少。重い副作用なし。
Glutathione and its antiaging and antimelanogenic effects. doi:10.2147/ccid.s128339
- 5.
ランダム化比較試験・Duperray(2022年)・Journal of Cosmetic Dermatology・124人
アジア人女性124人の二重盲検RCT(12週間)。L-シスチン500mgとグルタチオン250mgの併用でプラセボより肌が明るくなり顔のシミが小さくなった。効果はグルタチオン単独やL-シスチン単独より大きかった。
The effects of the oral supplementation of L-Cystine associated with reduced L-Glutathione-GSH on human skin pigmentation: a randomized, double-blinded, benchmark- and placebo-controlled clinical trial. doi:10.1111/jocd.14137
このページについて
サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。
このページの言葉
- プラセボ
- 見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
- ランダム化比較試験(RCT)
- 参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
- 系統的レビュー
- 決めた手順で、関係する研究をもれなく集めて評価した研究。メタ分析を含むことが多いです。
- 有意差
- 偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。
運動の効果も同じ基準で格付けしています
運動は19項目中4項目がSでした
- サプリ119項目
- ABCD
- 3%
- 運動19項目
- SAB
- 21%
S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。
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