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えびらぼ

水素水に効果はある?

水素水(水素含有水、水素豊富水、分子状水素(H2))論文6本で格付け2026-10-04 更新

結論

健康な人が飲んでも、体によいという根拠はほとんどありません。

  • 体の酸化の数値に、ただの水とのはっきりした差は出なかった
  • 運動中のきつさが少し軽くなる結果はあるが、試験は小さい
  • 疲れが取れるかを調べた試験は、まだわずか

効くと言われていること

論文では

S〜D の決め方は格付けの決め方

機能性表示食品として売られているとき

水素分子を機能性関与成分とする機能性表示食品の届出があります(2026年10月3日時点)。国が1つずつ審査した食品ではなく、届出の根拠はこのページの格付けとは別のものです。表示を見るときに確かめること
国の審査
機能性表示食品は、事業者が科学的根拠などを消費者庁に届け出て、機能を表示する食品です。国が1つずつ審査した食品ではありません。パッケージには「本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません。届け出られた科学的根拠等の情報は消費者庁のウェブサイトで確認できます。」と書くことが決められています。
届出番号
パッケージの「届出番号」を消費者庁の届出データベースに入れると、届け出た事業者が書いた、安全性と機能性の根拠の要約を見られます。
「報告されています」
消費者庁の手引きは、根拠がその商品(最終製品)を使った臨床試験か、論文を集めて評価した研究レビューかが分かる表現にするよう求めています。研究レビューが根拠のときは、商品についてのレビューでも成分についてのレビューでも「報告されている」ことが分かる表現にし、例として「〜の機能があることが報告されています」を挙げています。最終製品を使った臨床試験で根拠を説明するときの例は「〜の機能があります」です。成分についての研究レビューが根拠のときは、その商品自体に機能があるという根拠ではないことが分かる表現にするとしています。
量
パッケージには、1日あたりの摂取目安量と、その量に含まれる機能性関与成分の量が書かれています。このページの試験で使われた量と比べてください。
  • 健康全般・酸化ストレス:水素水を1日0.5〜1.5L程度、4週間〜6か月(研究で多い条件)
  • 運動後の疲労:運動の直前〜数日前に水素水(主に0.5〜1L程度)を飲む、または水素ガスを吸う
薬
薬を飲んでいる人は、医師か薬剤師に相談してから使ってください。パッケージにも、この注意を書くことが決められています。
この欄の出典

よくある質問

やめてもいい?

健康全般・酸化ストレス、運動後の疲労を目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはC・B)。

ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。

飲んで効いた気がするのはなぜ?

成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。

形や量が違えば効く?

格付けは、試験で使われた形と量での結果です。

  • 健康全般・酸化ストレス:水素水を1日0.5〜1.5L程度、4週間〜6か月(研究で多い条件)
  • 運動後の疲労:運動の直前〜数日前に水素水(主に0.5〜1L程度)を飲む、または水素ガスを吸う

これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。

効いたという論文もあるのでは?

1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは6件の論文を読み、そのうち4件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。

効果ごとの論文の中身

C

体にいい?(健康全般・酸化ストレス)

Cランク・根拠が乏しい対象:健康な成人(高齢者を含む)

健康な人が水素水を飲み続けても、体の酸化の度合いや酸化を防ぐ力を示す数値に、水素の入っていない水とのはっきりした差は出ませんでした。健康全般によいと示した人の試験はほとんどなく、効くかどうかは分かっていません。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文4本

効果の大きさ

健康な成人が4週間飲んだ試験[2]では、主な指標にはっきりした差は出ませんでした。運動に合わせて水素を使った6研究(76人)の統合[1]でも、酸化ストレスの指標は同様でした(効果量(差の大きさをそろえた数字)−0.01、95%信頼区間(結果のぶれの幅)−0.42〜0.39)。抗酸化力だけが0.29と小さく上がりました。

試験の内容
水素水を1日0.5〜1.5L程度、4週間〜6か月(研究で多い条件)
根拠にした論文
メタ分析 1本・ランダム化比較試験 2本・系統的レビュー 1本

注意点

  • 研究の規模:研究の多くは数十人規模で、測る指標も研究ごとに違います。
  • 一部の人だけの結果:4週間飲んだ試験[2]で抗酸化力(BAP)が上がったのは、30歳以上に限った解析だけでした。
  • 病気の予防:血管内皮機能の改善を報告した小規模RCT(Ishibashi 2020)もあります。ただ、病気を防ぐかどうかを調べた試験はありません。
  • 肥満や代謝の病気がある人:こうした人を対象にした統合(Ye 2026)では、総コレステロールとLDLがわずかに下がりました。ただ、心血管リスクを下げるのに意味のある水準を下回るとされました。
  • 商品の水素:国民生活センターの商品テスト(2016年)によると、水素水に公的な定義はありません。一部の容器入り商品では水素が検出されず、開封後は時間とともに水素が抜けることも示されました。

格付けの理由

健康な成人38人が4週間飲んだRCT(くじ引きでグループを分けて比べた試験)[2]では、抗酸化力(BAP)・酸化ストレス指標(d-ROMs)・8-OHdGに有意差(偶然では説明しにくい差)がありませんでした。運動時の研究の統合[1]でもd-ROMsに有意差はなく、70歳以上のRCT[3]では多数の指標のうち一部だけに差が出ました。レビュー[4]も厳密な試験が必要としているため、C(根拠が乏しい)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    メタ分析・Li(2024年)・Frontiers in Nutrition・6研究・76人

    運動の前後に水素(水素水・水素浴・水素ガス)を使った6研究(7実験、健康な成人76人)の統合。酸化ストレス指標d-ROMsはプラセボと有意差がなく(効果量−0.01)、抗酸化力BAPはわずかに上昇(効果量0.29)。間欠的な運動で上昇がやや大きかった(0.52)。

    Can molecular hydrogen supplementation reduce exercise-induced oxidative stress in healthy adults? A systematic review and meta-analysis. doi:10.3389/fnut.2024.1328705

  2. 2.

    ランダム化比較試験・Sim(2020年)・Scientific Reports・38人

    健康な20〜59歳の二重盲検RCT(水素水1日1.5L 20人 vs 普通の水18人、4週間)。抗酸化力BAP、酸化ストレス指標d-ROMs、8-OHdGの変化に群間の有意差はなかった。30歳以上に限るとBAPが水素水群でより上昇。血液の免疫細胞の細胞死の減少や炎症関連遺伝子の変化が報告された。

    Hydrogen-rich water reduces inflammatory responses and prevents apoptosis of peripheral blood cells in healthy adults: a randomized, double-blind, controlled trial. doi:10.1038/s41598-020-68930-2

  3. 3.

    ランダム化比較試験・Zanini(2021年)・Experimental Gerontology・40人

    70歳以上40人の予備的RCT(水素水1日0.5L vs 対照飲料、6か月)。多数の老化関連指標のうち、テロメア長、DNAメチル化の指標、脳の一部の代謝物、椅子からの立ち上がりテストで水素水群に有利な差が出たが、そのほかの血液指標・認知機能・体組成・血圧・肌・睡眠・生活の質には有意差がなかった。

    The effects of 6-month hydrogen-rich water intake on molecular and phenotypic biomarkers of aging in older adults aged 70 years and over: A randomized controlled pilot trial. doi:10.1016/j.exger.2021.111574

  4. 4.

    系統的レビュー・Dhillon(2024年)・International Journal of Molecular Sciences・25研究

    水素水に関する25本の論文を調べた系統的レビュー。運動、肝機能、心血管、メンタルヘルス、COVID-19、酸化ストレス、老化などの研究を整理し、予備的な結果は有望とする一方、大規模で厳密な試験が必要で仕組みも解明されていないとした。定量的な統合はしていない。

    Hydrogen Water: Extra Healthy or a Hoax?-A Systematic Review. doi:10.3390/ijms25020973

B

運動後の疲れがとれる?

Bランク・根拠は限定的対象:運動をする健康な成人

運動の直前に水素をとると、運動中のきつさがわずかに軽く感じられるという結果が出ています。持久力や筋力には、はっきりした差は出ませんでした。運動後の疲れの回復を調べた試験は、まだわずかです。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文3本

効果の大きさ

水素を含まない水やガス(プラセボ)と比べた試験をまとめた解析[1][2]で、運動中に感じるきつさ(RPE)の差は効果量(差の大きさをそろえた数字)−0.37〜−0.38の「小さい」ものでした。数日以上続けて飲んだ場合の差は−0.12で、ほとんどありませんでした。最大酸素摂取量や持久力の差は、ごくわずかでした。

試験の内容
運動の直前〜数日前に水素水(主に0.5〜1L程度)を飲む、または水素ガスを吸う
確実性(中心にした解析の著者による評価)
中程度
根拠にした論文
メタ分析 3本

注意点

  • 調べた疲れ:評価の中心は運動テスト中〜直後のきつさです。翌日の疲れや筋肉痛など回復を調べた試験は、12人規模のもの(Botek 2022)など少数です。
  • 試験の規模:試験の多くは10〜20人のクロスオーバー試験です。
  • 出版バイアス:解析[1]では、血中乳酸の解析に出版バイアスの可能性が指摘されています。
  • 水素のとり方:水素水、水素ガス吸入、水素を発生させる粉末など、形態の違うものが混ざっています。

格付けの理由

19研究・402人をまとめた解析[1]で、RPEと血中乳酸が小さく下がりました。27報・597人の解析[2]でも同様で、著者のGRADE(結果の確かさを評価する国際的な方法)評価は中程度でした。ただしRPEで個別に有意だったのは少数の試験で、効果は運動直前の1回摂取に限られ、数日続けた場合は有意差(偶然では説明しにくい差)がありませんでした。運動後の酸化ストレス指標にも有意差はなく[3]、回復を直接調べた試験も少ないため、B(根拠は限定的)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    メタ分析・Zhou(2023年)・Frontiers in Nutrition・19研究・402人

    17報(19試験、健康な成人402人)の統合。水素の摂取で主観的なきつさ(効果量−0.38)と血中乳酸(−0.42)が小さく低下したが、最大酸素摂取量(0.09)と持久力(0.01)は変わらなかった。著者は根拠の質を中程度と評価。

    Effects of molecular hydrogen supplementation on fatigue and aerobic capacity in healthy adults: A systematic review and meta-analysis. doi:10.3389/fnut.2023.1094767

  2. 2.

    メタ分析・Zhou(2024年)・Frontiers in Nutrition・27研究・597人

    27報(健康な成人597人)の統合。最大酸素摂取量(効果量0.09)、持久力(0.04)、無酸素性持久力(0.19)、筋力(0.19)は有意な差がなく、脚の瞬発力は小さく向上(0.30)。主観的なきつさ(−0.37)と血中乳酸(−0.37)は低下したが、平均心拍数は変わらなかった。

    Can molecular hydrogen supplementation enhance physical performance in healthy adults? A systematic review and meta-analysis. doi:10.3389/fnut.2024.1387657

  3. 3.

    メタ分析・Li(2024年)・Frontiers in Nutrition・6研究・76人

    運動の前後に水素(水素水・水素浴・水素ガス)を使った6研究(7実験、健康な成人76人)の統合。酸化ストレス指標d-ROMsはプラセボと有意差がなく(効果量−0.01)、抗酸化力BAPはわずかに上昇(効果量0.29)。間欠的な運動で上昇がやや大きかった(0.52)。

    Can molecular hydrogen supplementation reduce exercise-induced oxidative stress in healthy adults? A systematic review and meta-analysis. doi:10.3389/fnut.2024.1328705

このページについて

サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。

安全性

この成分に固有の公的な注意(健康被害・薬との飲み合わせ)は、2026年10月時点で見つかりませんでした。HFNet(医薬基盤・健康・栄養研究所)の素材情報データベース(出典: hfnet.nibn.go.jp)にも、健康被害・飲み合わせの掲載はありません。国民生活センター(出典: kokusen.go.jp)は、溶けている水素の濃度が表示と違う商品や、健康効果をうたう表示が法律に触れるおそれを指摘しています。

このページの言葉
プラセボ
見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
ランダム化比較試験(RCT)
参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
メタ分析・統合
同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算し直した研究。1つの試験より、偶然に左右されにくくなります。
系統的レビュー
決めた手順で、関係する研究をもれなく集めて評価した研究。メタ分析を含むことが多いです。
効果量
測り方の違う試験どうしでも比べられるように、差の大きさをそろえた数字(このサイトでは主に、平均の差を標準化したもの)。マイナスの符号は減った向きを表し、符号を除いた大きさが 0.2 前後で「小さい」、0.5 前後で「中くらい」、0.8 以上で「大きい」が目安です。
確実性
結果がどのくらい確かかについて、解析した研究者が付けた評価(高・中・低・非常に低)。低いほど、今後の研究で結果が変わる可能性が高いことを表します。
有意差
偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。
95%信頼区間(95%CI)
結果の数字のぶれの幅。本当の値がおそらく入っている範囲の目安です。差の範囲が 0(比の場合は 1)をまたぐときは、差がない可能性を否定できません。
GRADE
結果がどのくらい確かかを、研究の質やばらつきから「高・中・低・非常に低」で評価する国際的な方法。

運動の効果も同じ基準で格付けしています

運動は19項目中4項目がSでした

掲載した項目の内訳Sの割合
サプリ119項目
3%
運動19項目
21%

S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。

運動のTier表を見る

ほかの成分の格付け(Tier表)