ルテイン・ゼアキサンチンに効果はある?
ルテイン・ゼアキサンチン(ルテイン、ゼアキサンチン、マリーゴールド色素)論文12本で格付け2026-10-04 更新
結論
目の疲れや加齢黄斑変性に効くかは、まだはっきりしません。
- 画面を長く見る人の目の疲れは、結果が一致しない
- まぶしさからの回復など、一部の検査では改善した
- 加齢黄斑変性が進みやすい人がビタミンC・Eなどに足しても、はっきりした差は出なかった
効くと言われていること
論文ではS〜D の決め方は格付けの決め方
機能性表示食品として売られているとき
ルテイン・ゼアキサンチンを機能性関与成分とする機能性表示食品の届出があります(2026年10月3日時点)。国が1つずつ審査した食品ではなく、届出の根拠はこのページの格付けとは別のものです。表示を見るときに確かめること
機能性表示食品として売られているとき
ルテイン・ゼアキサンチンを機能性関与成分とする機能性表示食品の届出があります(2026年10月3日時点)。国が1つずつ審査した食品ではなく、届出の根拠はこのページの格付けとは別のものです。表示を見るときに確かめること- 国の審査
- 機能性表示食品は、事業者が科学的根拠などを消費者庁に届け出て、機能を表示する食品です。国が1つずつ審査した食品ではありません。パッケージには「本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません。届け出られた科学的根拠等の情報は消費者庁のウェブサイトで確認できます。」と書くことが決められています。
- 届出番号
- パッケージの「届出番号」を消費者庁の届出データベースに入れると、届け出た事業者が書いた、安全性と機能性の根拠の要約を見られます。
- 「報告されています」
- 消費者庁の手引きは、根拠がその商品(最終製品)を使った臨床試験か、論文を集めて評価した研究レビューかが分かる表現にするよう求めています。研究レビューが根拠のときは、商品についてのレビューでも成分についてのレビューでも「報告されている」ことが分かる表現にし、例として「〜の機能があることが報告されています」を挙げています。最終製品を使った臨床試験で根拠を説明するときの例は「〜の機能があります」です。成分についての研究レビューが根拠のときは、その商品自体に機能があるという根拠ではないことが分かる表現にするとしています。
- 量
- パッケージには、1日あたりの摂取目安量と、その量に含まれる機能性関与成分の量が書かれています。このページの試験で使われた量と比べてください。
- 加齢黄斑変性の進行:ルテイン10mg+ゼアキサンチン2mg/日を約5年(多くはビタミン・亜鉛のAREDS型サプリに追加)
- 見る機能・目の疲れ:ルテイン(+ゼアキサンチン)10〜24mg/日程度を3〜12か月
- 薬
- 薬を飲んでいる人は、医師か薬剤師に相談してから使ってください。パッケージにも、この注意を書くことが決められています。
よくある質問
やめてもいい?
加齢黄斑変性の進行、見る機能・目の疲れを目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはB・B)。
ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。
飲んで効いた気がするのはなぜ?
成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。
形や量が違えば効く?
格付けは、試験で使われた形と量での結果です。
- 加齢黄斑変性の進行:ルテイン10mg+ゼアキサンチン2mg/日を約5年(多くはビタミン・亜鉛のAREDS型サプリに追加)
- 見る機能・目の疲れ:ルテイン(+ゼアキサンチン)10〜24mg/日程度を3〜12か月
これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。
効いたという論文もあるのでは?
1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは12件の論文を読み、そのうち6件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。
効果ごとの論文の中身
加齢黄斑変性の進行を抑える?
Bランク・根拠は限定的対象:中等度以上の加齢黄斑変性の患者など進行リスクの高い人
加齢黄斑変性が進みやすい人が、ビタミンC・Eや亜鉛などのサプリにルテイン・ゼアキサンチンを加えても、後期の加齢黄斑変性への進行に、はっきりした差は出ませんでした。β-カロテンの代わりに使うと進行がやや少なかったという結果はありますが、まだはっきりしません。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文6本
- 試験の内容
- ルテイン10mg+ゼアキサンチン2mg/日を約5年(多くはビタミン・亜鉛のAREDS型サプリに追加)
- 確実性(中心にした解析の著者による評価)
- 低い
- 根拠にした論文
- コクラン・レビュー 1本・ランダム化比較試験 3本・メタ分析 2本
注意点
根拠にした論文
- 1.
コクラン・レビュー・Evans(2023年)・Cochrane Database of Systematic Reviews・7研究
コクランレビュー(2022年11月まで検索)。ルテイン・ゼアキサンチンの根拠は主にAREDS2で、後期AMDへの進行はほぼ同じかわずかに減る程度(RR 0.94、95%CI 0.87〜1.01、確実性低)。視力低下に差なし。探索的解析ではβ-カロテンの代わりだと進行が少なかった(HR 0.82)。
Antioxidant vitamin and mineral supplements for slowing the progression of age-related macular degeneration. doi:10.1002/14651858.cd000254.pub5
- 2.
ランダム化比較試験・AREDS2 Research Group(2013年)・JAMA・4,203人
AREDS2(進行リスクの高い4203人、中央値5年の要因配置RCT)。AREDS型サプリにルテイン10mg+ゼアキサンチン2mgを加えても、主解析で後期AMDへの進行は有意に減らなかった(HR 0.90、98.7%CI 0.76〜1.07)。β-カロテン群で肺がんが多く、主に元喫煙者だった。
Lutein + zeaxanthin and omega-3 fatty acids for age-related macular degeneration: the Age-Related Eye Disease Study 2 (AREDS2) randomized clinical trial. doi:10.1001/jama.2013.4997
- 3.
ランダム化比較試験・Chew(2014年)・JAMA Ophthalmology・4,203人
AREDS2の探索的な二次解析。ルテイン・ゼアキサンチンあり対なしで後期AMDのHR 0.90(0.82〜0.99)。β-カロテンとの直接比較では後期AMD 0.82、滲出型AMD 0.78と少なかったが、中心部の萎縮型AMDには有意差がなかった。
Secondary analyses of the effects of lutein/zeaxanthin on age-related macular degeneration progression: AREDS2 report No. 3. doi:10.1001/jamaophthalmol.2013.7376
- 4.
ランダム化比較試験・Chew(2022年)・JAMA Ophthalmology・3,882人
AREDS2の10年追跡(3882人)。ルテイン・ゼアキサンチンあり対なしで後期AMDのHR 0.91(0.84〜0.99)、β-カロテンとの比較で0.85(0.73〜0.98)。肺がんはβ-カロテンで約2倍(OR 1.82)、ルテイン・ゼアキサンチンでは有意な増加なし(OR 1.15)。
Long-term Outcomes of Adding Lutein/Zeaxanthin and ω-3 Fatty Acids to the AREDS Supplements on Age-Related Macular Degeneration Progression: AREDS2 Report 28. doi:10.1001/jamaophthalmol.2022.1640
- 5.
メタ分析・Wang(2026年)・Journal of Ophthalmology・9研究・860人
加齢黄斑変性の患者を対象にした9件のプラセボ対照RCT(860人)のメタ分析。ルテイン入りサプリで黄斑色素と矯正視力が改善したが、主に早期の患者で、後期の患者では有意な改善はなかった。用量・期間が長いほど効果が大きい関連。
From Supplements to Sight: Quantifying the Impact of Lutein and Carotenoid on Age-Related Macular Degeneration-A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. doi:10.1155/joph/2155378
- 6.
メタ分析・Liu(2014年)・Investigative Ophthalmology & Visual Science・8研究・1,176人
加齢黄斑変性の患者を対象にした8件のRCT(1176人)のメタ分析。ルテイン・ゼアキサンチンで視力(logMAR -0.04)とすべての空間周波数のコントラスト感度がプラセボより改善し、用量が多いほど改善が大きかった。
Lutein and zeaxanthin supplementation and association with visual function in age-related macular degeneration. doi:10.1167/iovs.14-15553
見る機能・目の疲れに効く?
Bランク・根拠は限定的対象:目の病気のない成人(画面を長時間見る人を含む)
まぶしさから回復するまでの時間が短くなるなど、一部の見え方の検査で改善したという結果はありますが、まだはっきりしません。画面を長く見る人の目の疲れが軽くなるかは、試験によって結果が一致していません。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文6本
- 試験の内容
- ルテイン(+ゼアキサンチン)10〜24mg/日程度を3〜12か月
- 確実性(中心にした解析の著者による評価)
- 低い
- 根拠にした論文
- ネットワークメタ分析 1本・メタ分析 2本・ランダム化比較試験 3本
注意点
- 量と見え方:黄斑色素は1日5mg以上で明確に増えます(Wilson 2021)。ただし、色素が増えることと、日常の見え方や疲れが良くなることは別の問題です。
- 対象:60件のRCT(くじ引きでグループを分けて比べた試験)の系統的レビュー(関係する研究をもれなく集めて評価した研究)[1]には、目の病気の人の試験も含まれています。視力の改善は、目の病気のある人に限られていました[2]。
- パソコン作業:パソコン作業の目の疲れ対策をまとめたメタ分析(複数の試験をまとめて計算し直した研究)[3]では、カロテノイドで光のちらつきを見分ける力(CFF)が改善しました。ただし、臨床的な意味は分からないとされました。
- 資金:試験の多くは、企業の資金や関与があるものです。
根拠にした論文
- 1.
ネットワークメタ分析・Hu(2024年)・Advances in Nutrition・38研究
60件のRCT(健康な人33件、目の病気の人27件)の系統的レビューと38件のネットワークメタ分析。すべての群で黄斑色素と粗い模様のコントラスト感度がプラセボより改善し、ルテイン+ゼアキサンチンでまぶしさからの回復時間が短縮。通常・細かい模様では改善なし。多くの結果の確実性は低い。
Effect of Antioxidant Supplementation on Macular Pigment Optical Density and Visual Functions: A Systematic Review and Network Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. doi:10.1016/j.advnut.2024.100216
- 2.
メタ分析・Hu(2023年)・Nutrition Reviews・25研究
健康な成人と目の病気の人を対象にしたRCTの系統的レビュー・メタ分析(25報を統合)。ルテインなどの摂取で黄斑色素が増え、まぶしさからの回復時間が短縮(-2.35)。視力の改善は目の病気のある人だけでみられた。
Effect of xanthophyll-rich food and supplement intake on visual outcomes in healthy adults and those with eye disease: a systematic review, meta-analysis, and meta-regression of randomized controlled trials. doi:10.1093/nutrit/nuad037
- 3.
メタ分析・Singh(2022年)・Ophthalmology・2研究
パソコン作業による目の疲れ(CVS)への対策を調べた45件のRCT(4497人)のメタ分析。カロテノイドのサプリで光のちらつきを見分ける力(CFF)が改善(2試験、1.55Hz)したが、臨床的な意味は不明。どの対策にも確実性の高い根拠はなかった。
Interventions for the Management of Computer Vision Syndrome: A Systematic Review and Meta-analysis. doi:10.1016/j.ophtha.2022.05.009
- 4.
ランダム化比較試験・Hammond(2014年)・Investigative Ophthalmology & Visual Science・115人
若く健康な115人の二重盲検RCT。ルテイン10mg+ゼアキサンチン2mgを1年摂ると、プラセボより黄斑色素が増え、色のコントラストとまぶしさからの回復が改善。まぶしさによる見えにくさ自体は有意に改善しなかった。
A double-blind, placebo-controlled study on the effects of lutein and zeaxanthin on photostress recovery, glare disability, and chromatic contrast. doi:10.1167/iovs.14-15573
- 5.
ランダム化比較試験・Stringham(2017年)・Foods・48人
1日6時間以上画面を見る健康な若年成人48人のプラセボ対照試験。黄斑カロテノイド24mg/日を6か月摂ると、黄斑色素、視機能の検査、睡眠の質、頭痛の頻度、目の疲れの自覚症状がプラセボより改善した。
Macular Carotenoid Supplementation Improves Visual Performance, Sleep Quality, and Adverse Physical Symptoms in Those with High Screen Time Exposure. doi:10.3390/foods6070047
- 6.
ランダム化比較試験・Lopresti(2025年)・Frontiers in Nutrition・70人
1日6時間以上画面を使う成人70人の6か月の二重盲検RCT。ルテイン10mg+ゼアキサンチン2mgで涙の量、まぶしさからの回復、涙の安定性はプラセボより改善したが、目の疲れなどの自覚症状とコントラスト感度には有意差がなかった。
The effects of lutein/ zeaxanthin (Lute-gen®) on eye health, eye strain, sleep quality, and attention in high electronic screen users: a randomized, double-blind, placebo-controlled study. doi:10.3389/fnut.2025.1522302
このページについて
サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。
安全性
ルテインに固有の公的な注意は、2026年10月時点で見つかりませんでした。HFNetには、多量のルテインを長年とった人の網膜に結晶のようなものがたまった海外の例や、皮膚が黄色くなる柑皮症の国内の例が載っています(出典: hfnet.nibn.go.jp)。加齢黄斑変性の大きな試験(AREDS2)を10年追った結果では、ルテイン・ゼアキサンチンでは、β-カロテンと違って肺がんのはっきりした増加はありませんでした(出典: doi.org)。
このページの言葉
- プラセボ
- 見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
- ランダム化比較試験(RCT)
- 参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
- メタ分析・統合
- 同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算し直した研究。1つの試験より、偶然に左右されにくくなります。
- 系統的レビュー
- 決めた手順で、関係する研究をもれなく集めて評価した研究。メタ分析を含むことが多いです。
- コクラン・レビュー
- 国際的な非営利の団体コクランが、決まった手順で作る系統的レビュー。利害関係のある企業からの資金は受けない決まりで作られます。
- ネットワークメタ分析
- 3つ以上の方法を、直接比べていない組み合わせも含めて同時に比べるメタ分析。
- 確実性
- 結果がどのくらい確かかについて、解析した研究者が付けた評価(高・中・低・非常に低)。低いほど、今後の研究で結果が変わる可能性が高いことを表します。
- 有意差
- 偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。
- 95%信頼区間(95%CI)
- 結果の数字のぶれの幅。本当の値がおそらく入っている範囲の目安です。差の範囲が 0(比の場合は 1)をまたぐときは、差がない可能性を否定できません。
運動の効果も同じ基準で格付けしています
運動は19項目中4項目がSでした
- サプリ119項目
- ABCD
- 3%
- 運動19項目
- SAB
- 21%
S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。
運動のTier表を見る