マカに効果はある?
マカ(マカ根、Lepidium meyenii)論文11本で格付け2026-10-04 更新
結論
性欲や疲れに効くかは、まだはっきりしません。
- 性欲や軽い勃起障害の自己評価が良くなったという、小さな試験はある
- 疲れにくさを示した結果の多くは、動物実験
- 妊娠中・授乳中の人は、飲む前に医師などに相談
効くと言われていること
論文ではS〜D の決め方は格付けの決め方
飲む前に:公的機関の注意があります飲む前に知っておくこと
妊娠中・授乳中の人は、使う前に医師などに相談してください。カナダ保健省の製品の基準(2024年)がそう定めていて、乾燥した根で1日0.6g以上とるときに血圧の病気がある人や血液を固まりにくくする薬を使う人、気分や性機能のために使うときに不安やうつなどの心の病気がある人にも、相談を求めています(出典: webprod.hc-sc.gc.ca)。HFNetには、鉛を含む製品で血液中の鉛が増えた例などが載っています。
よくある質問
やめてもいい?
性機能・性欲、疲労感・活力を目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはB・C)。
ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。続ける場合は、このページの「飲む前に知っておくこと」(公的機関の注意情報)を先に読んでください。
飲んで効いた気がするのはなぜ?
成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。
形や量が違えば効く?
格付けは、試験で使われた形と量での結果です。
- 性機能・性欲:マカ根の粉末・エキスを1日1.5〜3g程度、6〜12週間
- 疲労感・活力:マカ粉末・エキスを1日2〜3g程度、2〜12週間
これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。
効いたという論文もあるのでは?
1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは11件の論文を読み、そのうち5件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。
効果ごとの論文の中身
性機能・性欲に効く?
Bランク・根拠は限定的対象:健康な成人男女、軽い勃起障害や抗うつ薬による性機能障害のある人
性欲や、軽い勃起障害の自己評価が良くなったという結果はありますが、まだはっきりしません。試験をまとめた研究は、いずれも根拠が不十分としています。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文6本
効果の大きさ
軽い勃起障害の50人の試験(Zenico 2009)で、勃起機能の点数(25点満点)を比べました。マカでは1.6点、プラセボ(成分の入っていないもの)では0.5点上がりました。まとめて計算できるほどの数の試験がないため、全体の効果の大きさは分かりません。
- 試験の内容
- マカ根の粉末・エキスを1日1.5〜3g程度、6〜12週間
- 根拠にした論文
- 系統的レビュー 1本・メタ分析 2本・ランダム化比較試験 3本
注意点
- 試験の規模と期間:試験の多くは50人前後以下で、期間も12週間程度と短期間です。
- 抗うつ薬による性機能障害:うつ病の症状は治まっていて、SSRI・SNRIという抗うつ薬による性機能障害がある女性の試験[6]では、改善は閉経後の女性に偏っていました。
- 製品の違い:マカの色(黒・赤・黄)や加工法で成分が違い、試験ごとに使われた製品も異なります。
- 男性ホルモン:男性ホルモンの値には、はっきりした差が出なかったという報告が多くあります。
根拠にした論文
- 1.
系統的レビュー・Shin(2010年)・BMC Complementary and Alternative Medicine・4研究
17のデータベースを調べたRCT 4件の系統的レビュー。健康な閉経後女性と健康な男性で性機能・性欲の改善を示した2件、勃起障害で改善を示した1件があり、健康な自転車選手の1件は有意な効果なし。試験数・人数・質が限られ、確かな結論は出せないとした。
Maca (L. meyenii) for improving sexual function: a systematic review. doi:10.1186/1472-6882-10-44
- 2.
メタ分析・Borrelli(2018年)・Drugs・1研究・50人
勃起障害の男性2080人を含む植物サプリのRCT 24件の系統的レビュー・メタ分析。マカの試験は1件(50人)のみで、結果は「ごく予備的なプラス」とされた。最も有望とされたのは朝鮮人参(効果量0.43)。
Herbal Dietary Supplements for Erectile Dysfunction: A Systematic Review and Meta-Analysis. doi:10.1007/s40265-018-0897-3
- 3.
メタ分析・Ho(2026年)・Journal of Traditional and Complementary Medicine
勃起障害の男性1227人を含む植物サプリのRCT 14件の統合(2023年6月まで検索)。サフランと朝鮮人参には効果がみられたが、ハマビシやマカの根拠は不十分とした。マカだけの試験数・人数は抄録に記載なし。
Herbal dietary supplements for erectile dysfunction: A systematic review and meta-analysis of randomized-controlled trials. doi:10.1016/j.jtcme.2025.11.001
- 4.
ランダム化比較試験・Gonzales(2002年)・Andrologia
健康な21〜56歳の男性の12週間の二重盲検RCT(マカ1日1500mgまたは3000mg vs プラセボ)。マカ群では8週目から性欲の自己評価が改善した。血中のテストステロン・エストラジオールは変わらず、うつ・不安のスコアとも関係しなかった。
Effect of Lepidium meyenii (MACA) on sexual desire and its absent relationship with serum testosterone levels in adult healthy men. doi:10.1046/j.1439-0272.2002.00519.x
- 5.
ランダム化比較試験・Shin(2023年)・The World Journal of Men's Health・80人
男性ホルモン値が正常で加齢男性症状のある80人の二重盲検RCT(マカ1日6g vs プラセボ、12週間)。加齢男性症状スコア、勃起機能(IIEF)、排尿症状(IPSS)がマカ群でプラセボより有意に改善した。
Efficacy and Safety of Maca (Lepidium meyenii) in Patients with Symptoms of Late-Onset Hypogonadism: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Clinical Trial. doi:10.5534/wjmh.220112
- 6.
ランダム化比較試験・Dording(2015年)・Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine・45人
抗うつ薬による性機能障害のある女性45人の12週間の二重盲検RCT(マカ根1日3g vs プラセボ)。寛解率はマカ群が数字の上で高く(例: 30.0% vs 20.0%)、差は閉経後の女性に偏っていた。忍容性は良好。
A double-blind placebo-controlled trial of maca root as treatment for antidepressant-induced sexual dysfunction in women. doi:10.1155/2015/949036
疲れがとれる?元気が出る?
Cランク・根拠が乏しい対象:健康な成人、運動選手
疲れにくくなるという結果の多くは動物実験で、人で疲れた感じが軽くなるかどうかは分かっていません。人では活力が上がったという試験が1件ありますが、運動選手の試験でははっきりした差は出ていません。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文5本
効果の大きさ
人で効果の大きさを示せるデータはありません。大きな効果を示した試験のまとめ(メタ分析)[4]は、主に動物実験の結果です。
- 試験の内容
- マカ粉末・エキスを1日2〜3g程度、2〜12週間
- 根拠にした論文
- ランダム化比較試験 3本・メタ分析 1本・系統的レビュー 1本
注意点
根拠にした論文
- 1.
ランダム化比較試験・Gonzales-Arimborgo(2016年)・Pharmaceuticals・175人
ペルーの低地・高地に住む成人175人の二重盲検RCT(黒マカまたは赤マカのエキス1日3g vs プラセボ、12週間)。マカ群で気分・活力・健康関連の生活の質が改善し、慢性高山病のスコアも下がった。気分と活力は赤マカでより良かった。
Acceptability, Safety, and Efficacy of Oral Administration of Extracts of Black or Red Maca (Lepidium meyenii) in Adult Human Subjects: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study. doi:10.3390/ph9030049
- 2.
ランダム化比較試験・Wu(2025年)・Journal of Physiological Investigation・10人
よく鍛えた男子バスケットボール選手10人のクロスオーバーRCT(マカ1日2000mg vs プラセボ、各2週間)。跳躍・シュート精度・反復スプリント・疲労指標・血中乳酸の除去に有意差はなかった。
The Impact of Lepidium meyenii (MACA) Supplementation on Basketball-related Performance and Antifatigue Ability: A Double-blind Crossover Study. doi:10.4103/ejpi.ejpi-d-25-00037
- 3.
ランダム化比較試験・Stone(2009年)・Journal of Ethnopharmacology・8人
鍛えた男性自転車選手8人の予備的なクロスオーバー試験(マカエキス vs プラセボ、14日間)。40kmタイムトライアルは開始前より速くなったがプラセボとの有意差はなく、性欲の自己評価はプラセボより改善した。
A pilot investigation into the effect of maca supplementation on physical activity and sexual desire in sportsmen. doi:10.1016/j.jep.2009.09.012
- 4.
メタ分析・Huerta Ojeda(2024年)・Nutrients・16研究
動物と人でマカと運動能力を調べた21研究の系統的レビュー、うち16研究のメタ分析。強制水泳・回転棒・握力テストや血中乳酸で大きな効果が出たが、解析した項目は主に動物実験のもの。
Effects of Maca (Lepidium meyenii Walp.) on Physical Performance in Animals and Humans: A Systematic Review and Meta-Analysis. doi:10.3390/nu17010107
- 5.
系統的レビュー・Nieman(2024年)・Journal of the American Nutrition Association
重い病気のない成人で16の食品成分と精神的なエネルギーを調べたRCT(101報)のスコーピングレビュー。マカを含む11成分に良い方向の傾向があり、マカは気分・感覚の領域で有望な成分の一つとされたが、質の高い試験が必要とした。
The Role of Dietary Ingredients in Mental Energy - A Scoping Review of Randomized Controlled Trials. doi:10.1080/27697061.2023.2244031
このページについて
サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。
このページの言葉
- プラセボ
- 見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
- ランダム化比較試験(RCT)
- 参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
- メタ分析・統合
- 同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算し直した研究。1つの試験より、偶然に左右されにくくなります。
- 系統的レビュー
- 決めた手順で、関係する研究をもれなく集めて評価した研究。メタ分析を含むことが多いです。
- 効果量
- 測り方の違う試験どうしでも比べられるように、差の大きさをそろえた数字(このサイトでは主に、平均の差を標準化したもの)。マイナスの符号は減った向きを表し、符号を除いた大きさが 0.2 前後で「小さい」、0.5 前後で「中くらい」、0.8 以上で「大きい」が目安です。
- 有意差
- 偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。
運動の効果も同じ基準で格付けしています
運動は19項目中4項目がSでした
- サプリ119項目
- ABCD
- 3%
- 運動19項目
- SAB
- 21%
S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。
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