本文へ移動
えびらぼ

プロポリスに効果はある?

プロポリス(プロポリスエキス、蜂ヤニ)論文11本で格付け2026-10-04 更新

結論

風邪や、くり返す口内炎に効くかは、まだはっきりしません。

  • 大人の軽い風邪は、のどスプレーで症状が約2日早く消えた試験が1件だけ
  • がん治療中の口内炎は、うがい薬で重いものが減った
  • ミツバチ製品にアレルギーがある人は注意

効くと言われていること

論文では

S〜D の決め方は格付けの決め方

飲む前に:公的機関の注意があります

飲む前に知っておくこと

ミツバチ製品・ポプラ・ペルーバルサムにアレルギーがある人は、使う前に医師などに相談してください。アレルギーの症状が出たら、使うのをやめてください。カナダ保健省が、2025年の製品の基準(モノグラフ)でそう定めています(出典: webprod.hc-sc.gc.ca)。HFNet(医薬基盤・健康・栄養研究所のデータベース)には、口の中や唇のかぶれ、アナフィラキシー(重いアレルギー反応)などが起きた例が載っています(出典: hfnet.nibn.go.jp)。

よくある質問

やめてもいい?

風邪(上気道感染症)、口内炎(再発性アフタ性)、口内炎(がん治療中)を目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはB・B・B)。

ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。続ける場合は、このページの「飲む前に知っておくこと」(公的機関の注意情報)を先に読んでください。

飲んで効いた気がするのはなぜ?

成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。

形や量が違えば効く?

格付けは、試験で使われた形と量での結果です。

  • 風邪(上気道感染症):プロポリス抽出物ののどスプレー・内服(期間は数日〜数週間)
  • 口内炎(再発性アフタ性):プロポリスの塗り薬・うがい薬、または錠剤(5日〜3年)
  • 口内炎(がん治療中):プロポリスのうがい薬(マウスウォッシュ)やジェルを治療期間中に使う

これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。

効いたという論文もあるのでは?

1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは11件の論文を読み、そのうち10件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。

効果ごとの論文の中身

B

風邪(上気道感染症)に効く?

Bランク・根拠は限定的対象:風邪症状のある成人、または健康な成人・子ども

合併症のない軽い風邪の症状がある大人が、プロポリスだけののどスプレーを使うと、症状が消えるのが約2日早かったという結果はありますが、まだはっきりしません。試験は1件だけで、風邪の予防に効くという根拠はありません。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文4本

効果の大きさ

プロポリス単独で調べた唯一の試験[1]は、122人が対象です。3日後に症状が消えた人は、プロポリス群で83%、プラセボ群で約28%でした。5日後には、どちらの群も全員が回復していました。

試験の内容
プロポリス抽出物ののどスプレー・内服(期間は数日〜数週間)
根拠にした論文
ランダム化比較試験 1本・系統的レビュー 3本

注意点

  • 配合品:子どもの呼吸器感染症の予防を報告したRCT(Cohen 2004)は、エキナセア・ビタミンCとの配合品を使った試験です。プロポリスだけの効果は分かりません。子どもの急性呼吸器感染症に対する植物製剤のレビュー[4]でも、プロポリスは配合品の成分として出てくるだけでした。
  • COVID-19の試験:入院中のCOVID-19患者で、標準治療に加えて使った試験もあります。市販品を風邪に使う場合とは、条件が大きく異なります。

格付けの理由

軽い上気道感染症の成人を対象にしたRCT(くじ引きでグループを分けて比べた試験)[1]では、のどスプレーで症状が消えるのが約2日早くなりました。ただし、単一施設で行われた1件しかありません。ミツバチ製品の迅速系統的レビュー(関係する研究をもれなく集めて評価した研究)[2]では、プロポリスのRCTは入院中のCOVID-19患者を対象にしたものだけでした。スコーピングレビュー[3]が挙げた根拠も試験管や動物の研究が中心です。効果を示したRCTが小規模な1件だけのため、B(根拠は限定的)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    ランダム化比較試験・Esposito(2021年)・Phytomedicine・122人

    軽い上気道感染症の成人122人の単一施設二重盲検RCT(ポプラ型プロポリス抽出物ののどスプレー58人 vs プラセボ64人、5日間)。3日後に症状が消えたのはプロポリス群の83%で、プラセボ群は72%に症状が残った。5日後には全員が回復し、回復が約2日早まった。

    A standardized polyphenol mixture extracted from poplar-type propolis for remission of symptoms of uncomplicated upper respiratory tract infection (URTI): A monocentric, randomized, double-blind, placebo-controlled clinical trial. doi:10.1016/j.phymed.2020.153368

  2. 2.

    系統的レビュー・Arentz(2021年)・Integrative Medicine Research

    ミツバチ製品と急性ウイルス性呼吸器感染症の迅速系統的レビュー(RCT 9件、成人674人・子ども781人)。プロポリスの試験は入院中のCOVID-19患者のものだけで、標準治療への上乗せで重症化や入院期間が減った。ほかははちみつと咳の試験だった。

    Honeybee products for the treatment and recovery from viral respiratory infections including SARS-COV-2: A rapid systematic review. doi:10.1016/j.imr.2021.100779

  3. 3.

    系統的レビュー・Zulhendri(2022年)・Biomedicine & Pharmacotherapy・158研究

    呼吸器の病気とプロポリスに関する158本の論文(試験管・コンピューター・動物・人の研究)のスコーピングレビュー。著者は有効と結論したが、根拠の中心は試験管や動物の研究で、人の試験の統合解析はしていない。

    The Potential Use of Propolis as a Primary or an Adjunctive Therapy in Respiratory Tract-Related Diseases and Disorders: A Systematic Scoping Review. doi:10.1016/j.biopha.2021.112595

  4. 4.

    系統的レビュー・Kamin(2025年)・Frontiers in Pediatrics

    子どもの急性呼吸器感染症に対する植物製剤のレビュー(45報、二重盲検プラセボ対照試験9件)。最も根拠が強いのはペラルゴニウム・シドイデス抽出物で、プロポリスはエキナセア・ビタミンCとの配合品として含まれるだけだった。

    Phytotherapy for acute respiratory tract infections in children: a systematically conducted, comprehensive review. doi:10.3389/fped.2025.1423250

B

口内炎(再発性アフタ性)に効く?

Bランク・根拠は限定的対象:くり返す口内炎(再発性アフタ性口内炎)のある成人

くり返す口内炎で、治るのが早まったり痛みが減ったりしたという結果はありますが、試験の質が低く、効くかどうかは分かっていません。多くは口に塗る使い方の試験で、飲むタイプ(錠剤)の試験は3件だけです。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文3本

効果の大きさ

10件のRCT(825人)をまとめた研究(メタ分析)[1]で、治るのが早まり、痛みが軽くなる可能性が示されました。差の大きさは確実性が非常に低く、はっきりした数値では示せません。

試験の内容
プロポリスの塗り薬・うがい薬、または錠剤(5日〜3年)
確実性(中心にした解析の著者による評価)
非常に低い
根拠にした論文
メタ分析 3本

注意点

  • 製剤と試験の質:試験ごとに製剤・濃度・使い方がばらばらで、2試験はバイアスのリスクが高いと評価されました[1]。
  • 飲むタイプ:飲むタイプ(錠剤)の試験は3件しかありません。
  • 副作用:短期間の使用では副作用は少なかったものの、プロポリスで口の中にかぶれ(接触性口内炎)が起きた症例報告もあります。

格付けの理由

メタ分析[1]では、塗る・飲むプロポリスで治るまでの期間が短くなり、痛みが減る可能性が示されました。ただし、GRADE(結果の確かさを評価する国際的な方法)の確実性は非常に低いと評価されています。塗る使い方の2試験を統合した解析[2]では、痛みの消失に有意差(偶然では説明しにくい差)がありませんでした(リスク比1.96、95%CI 0.97〜3.98)。口の健康全般についての統合[3]でも口内炎への効果は有意ではなかったため、B(根拠は限定的)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    メタ分析・Roberts(2024年)・Dentistry Journal・10研究・825人

    くり返す口内炎に対するプロポリスのRCT 10件(825人)の系統的レビュー・メタ分析。塗る試験7件、錠剤3件。プラセボより治癒が早く痛みや赤みが減る可能性が示されたが、GRADEの確実性は非常に低い。副作用は少なかった。

    Efficacy and Safety of Propolis for Treating Recurrent Aphthous Stomatitis (RAS): A Systematic Review and Meta-Analysis. doi:10.3390/dj12010013

  2. 2.

    メタ分析・Sung(2017年)・Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine・2研究

    口・皮膚・性器の病気へのプロポリス外用のRCT 12件の系統的レビュー。くり返す口内炎の2試験の統合では、痛みの消失の有効率にプラセボとの有意差はなかった(リスク比1.96、95%CI 0.97〜3.98)。試験の質は低く規模も小さい。

    External Use of Propolis for Oral, Skin, and Genital Diseases: A Systematic Review and Meta-Analysis. doi:10.1155/2017/8025752

  3. 3.

    メタ分析・Hwu(2014年)・Journal of Nursing Research・8研究・194人

    口の健康とプロポリスの8試験(1997〜2011年、194人)のメタ分析。歯垢・口の感染症・口内炎のいずれも統計的に有意な効果は示されなかった。研究数も質も限られる。

    Effectiveness of propolis on oral health: a meta-analysis. doi:10.1097/jnr.0000000000000054

B

口内炎(がん治療中)に効く?

Bランク・根拠は限定的対象:化学療法や放射線治療を受けているがん患者

抗がん剤や放射線でがんの治療を受けている人が、プロポリスのうがい薬を使うと、重い口内炎が減ることが示されています。口の中に使った試験の結果で、サプリとして飲む場合には当てはめられません。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文4本

効果の大きさ

5試験(209人)をまとめた研究(メタ分析)[1]では、重い口内炎が、対照群よりプロポリスで少なくなりました。起こりやすさを表すオッズ比は0.35(95%信頼区間(結果のぶれの幅) 0.18〜0.70)です。この値は、発生する割合がそのまま3分の1になるという意味ではなく、推定の幅も広めです。

試験の内容
プロポリスのうがい薬(マウスウォッシュ)やジェルを治療期間中に使う
確実性(中心にした解析の著者による評価)
中程度
根拠にした論文
メタ分析 1本・アンブレラレビュー 1本・ネットワークメタ分析 1本・系統的レビュー 1本

注意点

  • 使い方:試験は主に、うがい薬やジェルとして口の中に使ったもので、サプリメントとして飲む場合には当てはめられません。
  • 放射線治療:頭頸部への放射線治療を受ける患者の4試験(134人)の系統的レビュー(関係する研究をもれなく集めて評価した研究)[4]も、「重症度を下げる可能性がある」と結論するにとどまっています。
  • 別の解析:天然物についての別のメタ分析(Lima 2021)では、プロポリスは有効性が確認された成分に挙がっていません。
  • 試験の規模:個々の試験は17〜75人程度と小規模です。
  • 治療中のケア:治療中の口のケアは、主治医の指示に従う必要があります。

格付けの理由

5試験をまとめた解析[1]では、重い口内炎が減りました(試験間のばらつきなし)。26本のメタ分析をまとめたアンブレラレビュー(まとめの研究をさらにまとめた研究)[2]は、プロポリスの効果を中程度の質の根拠と評価しました。天然物のネットワークメタ分析(3つ以上の方法を同時に比べたまとめ)[3]でも、有意な減少がみられました。個々の試験は17〜75人程度と小規模なため、B(根拠は限定的)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    メタ分析・Kuo(2018年)・Supportive Care in Cancer・5研究・209人

    がん治療による口内炎(口腔粘膜炎)に対するプロポリスのうがい薬のRCT 5件(209人)の統合。重い口内炎の発生がプロポリス群で少なかった(オッズ比0.35、95%CI 0.18〜0.70、ばらつきなし)。副作用の報告はなかった。

    Meta-analysis of randomized controlled trials of the efficacy of propolis mouthwash in cancer therapy-induced oral mucositis. doi:10.1007/s00520-018-4344-5

  2. 2.

    アンブレラレビュー・Amiri Khosroshahi(2023年)・Nutrition Reviews・26研究

    がん治療による口内炎への栄養的介入を扱ったメタ分析26本をまとめたアンブレラレビュー(レビュー26本)。はちみつ・グルタミン・プロポリスは重い口内炎の発生を減らし、根拠の質は中程度と評価。ビタミンE・クルクミン・プロバイオティクスは有意な効果がなかった。

    Nutritional interventions for the prevention and treatment of cancer therapy-induced oral mucositis: an umbrella review of systematic reviews and meta-analysis. doi:10.1093/nutrit/nuac105

  3. 3.

    ネットワークメタ分析・Lee(2024年)・Critical Reviews in Oncology/Hematology

    がん治療による口内炎の予防に天然物を使ったRCT 36件(2083人)のネットワークメタ分析。はちみつが発生を最も明確に減らし、プロポリス・カモミール・オオバコも口内炎の発生を有意に減らした。プロポリスだけの試験数・人数は抄録に記載なし。

    Efficacy of natural products in preventing oral mucositis resulting from cancer therapies: A network meta-analysis of randomized controlled trials. doi:10.1016/j.critrevonc.2024.104373

  4. 4.

    系統的レビュー・Pereira(2026年)・Brazilian Journal of Biology・4研究・134人

    頭頸部の放射線治療による口内炎にプロポリス(うがい薬3件、ジェル1件)を使った4試験(134人)の系統的レビュー。プラセボより重症度を下げる可能性があり、3週目ごろに差が最も大きかった。製剤・用量・評価法の標準化が必要とした。

    Propolis may reduce severity for radiotherapy-induced oral mucositis: a systematic review. doi:10.1590/1519-6984.299676

このページについて

サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。

このページの言葉
プラセボ
見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
ランダム化比較試験(RCT)
参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
メタ分析・統合
同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算し直した研究。1つの試験より、偶然に左右されにくくなります。
系統的レビュー
決めた手順で、関係する研究をもれなく集めて評価した研究。メタ分析を含むことが多いです。
ネットワークメタ分析
3つ以上の方法を、直接比べていない組み合わせも含めて同時に比べるメタ分析。
アンブレラレビュー
いくつもの系統的レビューやメタ分析を、さらにまとめた研究。
確実性
結果がどのくらい確かかについて、解析した研究者が付けた評価(高・中・低・非常に低)。低いほど、今後の研究で結果が変わる可能性が高いことを表します。
有意差
偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。
95%信頼区間(95%CI)
結果の数字のぶれの幅。本当の値がおそらく入っている範囲の目安です。差の範囲が 0(比の場合は 1)をまたぐときは、差がない可能性を否定できません。
リスク比(相対リスク)・率比
起きた人の割合を2つのグループで比べた比。率比は、観察した人数と期間をそろえた起きる頻度(たとえば100人が1年あたりに起こす回数)の比。どちらも 1 なら差がなく、0.8 なら2割少ないことを表します。
オッズ比
「起きた人と起きなかった人の比」を2つのグループで比べた比。1 なら差がなく、1 より小さいほど起きにくいことを表します。起きる人が多いことがらでは、起きた人の割合の比とは大きく違うことがあるので、オッズ比 0.5 を「半分になった」とは読めません。
GRADE
結果がどのくらい確かかを、研究の質やばらつきから「高・中・低・非常に低」で評価する国際的な方法。

運動の効果も同じ基準で格付けしています

運動は19項目中4項目がSでした

掲載した項目の内訳Sの割合
サプリ119項目
3%
運動19項目
21%

S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。

運動のTier表を見る

ほかの成分の格付け(Tier表)