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えびらぼ

カフェインに効果はある?

カフェイン(無水カフェイン、カフェイン錠)論文11本で格付け2026-10-04 更新

結論

運動の成績と注意力が、少し上がります。

  • 持久系の運動の記録は、平均約2〜3%良くなる
  • 調べられたのは主に若い男性
  • 睡眠不足のときは、注意力の上がり方が大きい
  • 睡眠を減らさないには、コーヒーは寝る8.8時間前まで

効くと言われていること

論文では

S〜D の決め方は格付けの決め方

飲む前に:公的機関の注意があります

飲む前に知っておくこと

子ども、妊娠中・授乳中の人、カフェインに敏感な人は、エナジードリンクなどを控えてください。カフェインを含む薬とも一緒にとらないでください。厚生労働省は、とりすぎるとめまい・心拍数の増加・興奮・不安・震え・不眠・下痢・吐き気などが起こりうるとして、こう呼びかけています(出典: mhlw.go.jp)。欧州食品安全機関(2015)は、健康な大人なら1回200mg・1日400mgまで、妊娠中の人は1日200mgまでなら、安全上の心配はないとしています(出典: doi.org)。

よくある質問

やめてもいい?

根拠があるのは次の効果です。この目的で飲んでいて、対象に当てはまるなら、続ける理由があります。

  • 運動パフォーマンス(持久力・筋力)はA(根拠あり)。対象は健康な成人(研究の多くは若い男性、トレーニング経験者を含む)
  • 眠気・注意力はA(根拠あり)。対象は健康な成人(十分寝た人、睡眠不足の人、交代勤務者)

ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。続ける場合は、このページの「飲む前に知っておくこと」(公的機関の注意情報)を先に読んでください。

飲んで効いた気がするのはなぜ?

成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。

形や量が違えば効く?

格付けは、試験で使われた形と量での結果です。

  • 運動パフォーマンス(持久力・筋力):運動の約60分前に体重1kgあたり3〜6mg(体重60kgで180〜360mg)
  • 眠気・注意力:カフェインを1回数十〜数百mg

これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。

効いたという論文もあるのでは?

1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは11件の論文を読み、そのうち10件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。

効果ごとの論文の中身

A

運動パフォーマンス(持久力・筋力)に効く?

Aランク・根拠あり対象:健康な成人(研究の多くは若い男性、トレーニング経験者を含む)

運動前にカフェインをとると、持久力・筋力・パワーなど幅広い運動の成績がわずかに上がることが示されています。効果は持久系の運動で大きめで、調べられた人の多くは若い男性です。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文6本・ほかの成分と運動

効果の大きさ

プラセボ(成分の入っていないもの)と比べ、持久系のタイムトライアルの記録は平均約2〜3%向上しました(効果量(差の大きさをそろえた数字)0.22〜0.28)[2]。最大筋力は効果量0.18〜0.20[3][5]で、どちらも「小さい」差でした。ランニングで疲れ切るまで走れた時間(疲労困憊までの時間)は、効果量0.39でした[4]。

試験の内容
運動の約60分前に体重1kgあたり3〜6mg(体重60kgで180〜360mg)
確実性(中心にした解析の著者による評価)
中程度
根拠にした論文
アンブレラレビュー 2本・メタ分析 3本・学会の見解 1本

注意点

  • 遺伝子型:効果には個人差があり、遺伝子型によっては効果が出ない、または下がる可能性も報告されています。この報告(Barreto 2024)では、利益相反のある研究を除くと、遺伝子型による違いはみられなくなりました。
  • 対象者:研究の多くは若い男性が対象で、女性や中高年のデータは少ないです[1]。
  • 副作用と量:頭痛・動悸・不眠・不安などの副作用は、量が多いほど増えるという解析があります(Negaresh 2026)。体重1kgあたり6mg以下に抑えると起こりにくい可能性があるとしています。

格付けの理由

21件のメタ分析(複数の試験をまとめて計算し直した研究)をまとめた研究[1]で、持久力・筋力・筋持久力・無酸素性パワーへの効果が中程度の質の根拠で確認されました。44研究の解析[2](訂正版)や、9件のメタ分析をまとめた研究[5]も同じ方向の結果です。効果の大きさは多くの指標で小さいため、A(根拠あり)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    アンブレラレビュー・Grgic(2020年)・British Journal of Sports Medicine・11研究

    レビュー11本(メタ分析21件、方法論の質は中〜高)のアンブレラレビュー。カフェインは持久力・筋力・筋持久力・パワー・ジャンプ・スピードを高めた。筋持久力・筋力・無酸素性パワー・持久力は中程度の質の根拠で支持。効果は無酸素より有酸素運動で大きい傾向。研究の大半は若い男性。

    Wake up and smell the coffee: caffeine supplementation and exercise performance-an umbrella review of 21 published meta-analyses doi:10.1136/bjsports-2018-100278

  2. 2.

    メタ分析・Southward(2018年)・Sports Medicine・44研究

    訂正後の版。持久系タイムトライアルのプラセボ対照44研究のメタ分析。中程度の量(体重1kgあたり3〜6mg)で平均パワーが2.92%(効果量0.22)、完走タイムが2.26%(0.28)向上と、小さいが明確な効果。一部の研究では成績が下がった。

    The Effect of Acute Caffeine Ingestion on Endurance Performance: A Systematic Review and Meta-Analysis doi:10.1007/s40279-018-0939-8

  3. 3.

    メタ分析・Grgic(2018年)・Journal of the International Society of Sports Nutrition

    最大筋力(1RM)と垂直跳びのパワーについて、それぞれ10研究のメタ分析。カフェインで筋力(効果量0.20、95%CI 0.03〜0.36)とパワー(0.17、95%CI 0.00〜0.34)が向上。上半身の筋力は有意だったが下半身は有意差なし。

    Effects of caffeine intake on muscle strength and power: a systematic review and meta-analysis doi:10.1186/s12970-018-0216-0

  4. 4.

    メタ分析・Wang(2022年)・Nutrients・21研究・254人

    ランナーの21件のランダム化クロスオーバー試験(254人、体重1kgあたり3〜9mg)。疲労困憊までの走行時間が延び(g=0.392、中程度)、市民・競技ランナーとも同様。タイムトライアルの完走時間も短縮(g=-0.101、小さい)。

    Effects of Caffeine Intake on Endurance Running Performance and Time to Exhaustion: A Systematic Review and Meta-Analysis doi:10.3390/nu15010148

  5. 5.

    アンブレラレビュー・Bilondi(2024年)・Heliyon・9研究

    メタ分析9本の統合(メタ分析のメタ分析)。カフェインで筋力(効果量0.18、95%CI 0.14〜0.21)と筋持久力(0.30、95%CI 0.21〜0.38)が有意に向上。

    The effect of caffeine supplementation on muscular strength and endurance: A meta-analysis of meta-analyses doi:10.1016/j.heliyon.2024.e35025

  6. 6.

    学会の見解・Guest(2021年)・Journal of the International Society of Sports Nutrition

    国際スポーツ栄養学会(ISSN)の見解。カフェインは筋持久力・筋力・スプリント・ジャンプを小〜中程度、持久力を最も一貫して中〜大きく高める。有効量は運動の約60分前に体重1kgあたり3〜6mg。9mg/kgなどの高用量は副作用が増える。

    International society of sports nutrition position stand: caffeine and exercise performance doi:10.1186/s12970-020-00383-4

A

眠気・注意力に効く?

Aランク・根拠あり対象:健康な成人(十分寝た人、睡眠不足の人、交代勤務者)

カフェインをとると、注意力のテストでの反応の速さと正確さがわずかに上がることが示されています。睡眠不足や交代勤務のときは、より大きな効果が出ています。ふだんからとる人では、やめていたことによる不調が消えただけだという見方もあります。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文5本

効果の大きさ

十分に寝た健康な人でプラセボ(成分の入っていないもの)と比べた解析(31試験・1455人)では、反応時間・正確さとも効果量約0.3の「小さい」差でした[1]。睡眠不足の条件では、注意力テストの正確さで効果量(差の大きさをそろえた数字)0.68と、より大きな差でした[2]。

試験の内容
カフェインを1回数十〜数百mg
根拠にした論文
メタ分析 4本・コクラン・レビュー 1本

注意点

  • 普段からとる人:普段からカフェインをとる人では、短時間断ったことで起きた不調がなくなっただけだとする見方があります(James 2005)。この見方では、正味の効果はほとんどないとされます。
  • 交代勤務者の試験:交代勤務者の試験は模擬環境での若い人が中心で、事故やけがを減らすかどうかは調べられていません[3]。
  • 睡眠への影響:試験をまとめた解析[5]では、カフェインで夜の睡眠時間が平均45分減りました。同じ解析[5]は、睡眠時間を減らさないために、コーヒー(250mLでカフェイン107mg)なら寝る8.8時間前、運動前用のサプリ(1回分217.5mg)なら13.2時間前までにとるのがよいとしています。

格付けの理由

解析[1]で、十分寝た人の注意力(反応時間g=0.28、正確さg=0.27)の改善が示されました。睡眠不足を扱った解析[2]、交代勤務者を対象にしたコクラン・レビュー(国際的な非営利団体コクランが決まった手順で作るまとめ)[3]と解析[4]も、一貫して改善を示しています。条件によっては効果が小さく、解析[4]の確実性は低〜中程度のため、A(根拠あり)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    メタ分析・Kløve(2025年)・Psychopharmacology・31研究・1,455人

    十分に休息した健康な成人の二重盲検プラセボ対照31試験(1455人)。カフェインで注意力テストの正確さ(g=0.27)と反応時間(g=0.28)が改善。200mg以上で効果が大きく、普段のカフェイン摂取量とは関係しなかった。

    A systematic review and meta-analysis of the acute effect of caffeine on attention doi:10.1007/s00213-025-06775-1

  2. 2.

    メタ分析・Irwin(2020年)・Neuroscience & Biobehavioral Reviews・45研究

    睡眠不足・睡眠制限の人を対象にした45報の系統的レビュー・メタ分析。カフェインで注意力テストの正確さ(g=0.68)、実行機能(0.35)、反応時間(1.11)、情報処理、運転シミュレーターでの車両制御(1.67)が改善。身体・作業の成績も改善が報告された。

    Effects of acute caffeine consumption following sleep loss on cognitive, physical, occupational and driving performance: A systematic review and meta-analysis doi:10.1016/j.neubiorev.2019.12.008

  3. 3.

    コクラン・レビュー・Ker(2010年)・Cochrane Database of Systematic Reviews・13研究

    コクランレビュー(文献検索は2010年まで)。時差ぼけ・交代勤務の13件のRCT。けがを測った試験はなし。カフェインで2試験の作業ミスが減り、見当識・注意力(効果量-0.55)と記憶がプラセボより改善。割り付けの隠蔽や選択的報告のバイアスが高く、若い人の模擬環境の試験が中心。

    Caffeine for the prevention of injuries and errors in shift workers doi:10.1002/14651858.cd008508

  4. 4.

    メタ分析・Temple(2018年)・Prehospital Emergency Care・8研究

    交代勤務者の研究のGRADEを用いた系統的レビュー・メタ分析。カフェインで注意力テストでの見落とし(ラプス)が減り(効果量0.75)、勤務終盤の反応時間の遅れが軽減(0.52)。2研究では睡眠の質と時間が低下。根拠の質は低〜中程度。

    Systematic Review and Meta-analysis of the Effects of Caffeine in Fatigued Shift Workers: Implications for Emergency Medical Services Personnel doi:10.1080/10903127.2017.1382624

  5. 5.

    メタ分析・Gardiner(2023年)・Sleep Medicine Reviews・24研究

    24研究のメタ分析。カフェインで夜の総睡眠時間が45分、睡眠効率が7%減り、寝つくまでの時間が9分、途中で目覚めている時間が12分増え、深い睡眠も減った。睡眠時間を減らさないためには、コーヒーは就寝の8.8時間以上前までにとるべきとしている。

    The effect of caffeine on subsequent sleep: A systematic review and meta-analysis doi:10.1016/j.smrv.2023.101764

このページについて

サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。

このページの言葉
プラセボ
見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
ランダム化比較試験(RCT)
参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
メタ分析・統合
同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算し直した研究。1つの試験より、偶然に左右されにくくなります。
系統的レビュー
決めた手順で、関係する研究をもれなく集めて評価した研究。メタ分析を含むことが多いです。
コクラン・レビュー
国際的な非営利の団体コクランが、決まった手順で作る系統的レビュー。利害関係のある企業からの資金は受けない決まりで作られます。
アンブレラレビュー
いくつもの系統的レビューやメタ分析を、さらにまとめた研究。
効果量
測り方の違う試験どうしでも比べられるように、差の大きさをそろえた数字(このサイトでは主に、平均の差を標準化したもの)。マイナスの符号は減った向きを表し、符号を除いた大きさが 0.2 前後で「小さい」、0.5 前後で「中くらい」、0.8 以上で「大きい」が目安です。
確実性
結果がどのくらい確かかについて、解析した研究者が付けた評価(高・中・低・非常に低)。低いほど、今後の研究で結果が変わる可能性が高いことを表します。
有意差
偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。
95%信頼区間(95%CI)
結果の数字のぶれの幅。本当の値がおそらく入っている範囲の目安です。差の範囲が 0(比の場合は 1)をまたぐときは、差がない可能性を否定できません。
GRADE
結果がどのくらい確かかを、研究の質やばらつきから「高・中・低・非常に低」で評価する国際的な方法。

運動の効果も同じ基準で格付けしています

運動は19項目中4項目がSでした

掲載した項目の内訳Sの割合
サプリ119項目
3%
運動19項目
21%

S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。

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ほかの成分の格付け(Tier表)