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えびらぼ

クレアチンに効果はある?

クレアチン(クレアチンモノハイドレート、クレアチン一水和物)論文22本で格付け2026-10-04 更新

結論

筋トレをしているなら、根拠のある数少ないサプリです。

  • 筋トレと一緒に飲むと、筋トレだけより筋力が伸びる
  • 短距離走やジャンプなど、短い全力運動の成績も上がる
  • 調べられたのは主に若い男性で、高齢者では伸びが小さい

効くと言われていること

論文では

S〜D の決め方は格付けの決め方

飲む前に:公的機関の注意があります

運動の格付けと並べると

筋肉をつける土台は、筋トレそのもの

運動の格付け:S(根拠が強い)

対象:健康な成人と高齢者(研究の多くは指導者つきの筋トレ)

プロテインやクレアチンの効果は、ほとんどが筋トレと一緒にとった場合の結果です。筋トレそのものの格付けと並べて見られます。

筋肉をつけるサプリと筋トレの格付けを見る

飲む前に知っておくこと

腎臓を悪くするおそれのある人は、飲む前に医療機関に確認してください。厚生労働省の情報サイト(eJIM)がそう勧めていて、米国の学会が10代は使わないよう警告していることも載せています(出典: ejim.mhlw.go.jp)。スペインの食品安全機関は、健康な大人のサプリとして1日3gまでを許容できるとしました(出典: fsc.go.jp)。飲むと血液検査のクレアチニンの値が上がりますが、試験をまとめた解析では、腎臓の働きの目安(eGFR)にはっきりした差は出ていません。検査を受けるときは、飲んでいることを伝えるとよいでしょう。

機能性表示食品として売られているとき

クレアチンを機能性関与成分とする機能性表示食品の届出があります(2026年10月3日時点)。国が1つずつ審査した食品ではなく、届出の根拠はこのページの格付けとは別のものです。表示を見るときに確かめること
国の審査
機能性表示食品は、事業者が科学的根拠などを消費者庁に届け出て、機能を表示する食品です。国が1つずつ審査した食品ではありません。パッケージには「本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません。届け出られた科学的根拠等の情報は消費者庁のウェブサイトで確認できます。」と書くことが決められています。
届出番号
パッケージの「届出番号」を消費者庁の届出データベースに入れると、届け出た事業者が書いた、安全性と機能性の根拠の要約を見られます。
「報告されています」
消費者庁の手引きは、根拠がその商品(最終製品)を使った臨床試験か、論文を集めて評価した研究レビューかが分かる表現にするよう求めています。研究レビューが根拠のときは、商品についてのレビューでも成分についてのレビューでも「報告されている」ことが分かる表現にし、例として「〜の機能があることが報告されています」を挙げています。最終製品を使った臨床試験で根拠を説明するときの例は「〜の機能があります」です。成分についての研究レビューが根拠のときは、その商品自体に機能があるという根拠ではないことが分かる表現にするとしています。
量
パッケージには、1日あたりの摂取目安量と、その量に含まれる機能性関与成分の量が書かれています。このページの試験で使われた量と比べてください。
  • 筋力・筋量(若年〜中年):筋トレと併用したクレアチン摂取(用量・期間は研究により異なる)
  • 筋力・筋量(高齢者):筋トレと併用したクレアチン摂取
  • 高強度・短時間の運動:クレアチン摂取(短期の大量摂取を含む)
  • 認知機能(記憶など):クレアチン摂取(数日〜数か月、用量はさまざま)
薬
薬を飲んでいる人は、医師か薬剤師に相談してから使ってください。パッケージにも、この注意を書くことが決められています。
この欄の出典

よくある質問

腎臓に悪い?

試験をまとめた解析では、腎臓のろ過の働きを示す値(eGFR)に、はっきりした差は出ていません。ランダム化比較試験など20件をまとめた2026年の解析では、血液中のクレアチニンの値は平均0.13mg/dL上がりました。eGFR(8件)と尿素(12件)には、クレアチンをとらなかった人とのはっきりした差は出ませんでした。著者は、1年を超える長い試験が必要としています。

厚生労働省のeJIM(米国NCCIHの情報の翻訳)は、腎障害のリスクがある人は、使う前にかかっている医療機関に確かめ、使っている間は注意深く管理する必要があるとしています。薬を飲んでいる人も、飲み始める前に医師か薬剤師に相談してください。

やめてもいい?

根拠があるのは次の効果です。この目的で飲んでいて、対象に当てはまるなら、続ける理由があります。

  • 筋力・筋量(若年〜中年)はS(根拠が強い)。対象は筋トレをする若年〜中年の成人(主に男性)
  • 筋力・筋量(高齢者)はA(根拠あり)。対象は筋トレをする中高年・高齢者(閉経後女性を含む)
  • 高強度・短時間の運動はA(根拠あり)。対象は健康な成人・アスリート(主に若年男性)

認知機能(記憶など)を目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはB)。

ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。続ける場合は、このページの「飲む前に知っておくこと」(公的機関の注意情報)を先に読んでください。

飲んで効いた気がするのはなぜ?

成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。

形や量が違えば効く?

格付けは、試験で使われた形と量での結果です。

  • 筋力・筋量(若年〜中年):筋トレと併用したクレアチン摂取(用量・期間は研究により異なる)
  • 筋力・筋量(高齢者):筋トレと併用したクレアチン摂取
  • 高強度・短時間の運動:クレアチン摂取(短期の大量摂取を含む)
  • 認知機能(記憶など):クレアチン摂取(数日〜数か月、用量はさまざま)

これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。

効いたという論文もあるのでは?

1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは22件の論文を読み、そのうち19件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。

効果ごとの論文の中身

S

筋力・筋量(若年〜中年)に効く?

Sランク・根拠が強い対象:筋トレをする若年〜中年の成人(主に男性)

筋トレと一緒に飲むと、筋トレだけのときより筋力が多く伸びることが示されています。50歳未満では、下半身で持ち上げられる最大の重さが平均約11kg多く伸びました。調べられた人の多くは若い男性で、女性だけの解析でははっきりした差は出ていません。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文6本・ほかの成分と運動

効果の大きさ

筋トレのみと比べた筋力の上乗せは、効果量(差の大きさをそろえた数字)0.54〜0.55の「中くらい」でした[1]。50歳未満では、下半身の最大挙上重量が平均約11kg、上半身が約4kg多く伸びました[2]。50歳未満の別の解析[3]では、除脂肪量が約1.1kg多く増えました。

試験の内容
筋トレと併用したクレアチン摂取(用量・期間は研究により異なる)
根拠にした論文
メタ分析 6本

注意点

  • 女性:女性に限った解析では、有意な上乗せが確認されていません[2][5]。
  • 種目:全年齢を含む解析[5]では、レッグプレスや握力で有意差(偶然では説明しにくい差)が出ないなど、種目によって結果が一致しません。若年者に限ると、レッグプレスも有意に伸びました[5]。
  • 筋肉の大きさ:MRI・CT・超音波で筋肉を直接測った解析[6]では、上乗せはごく小さく、はっきりしたものではありませんでした。
  • 筋トレとの併用:体重・除脂肪量などの体組成への効果は、筋トレと併用した方がはっきりしました[4]。
  • 資金:解析[2][4][5][6]の著者には、クレアチン関連企業との関係があります。

格付けの理由

63研究をまとめた解析[1](利益相反なしと申告)で、筋トレのみに比べて、上半身・下半身の筋力と除脂肪量の上乗せが示されました。50歳未満に絞った解析[2]、事前登録された解析[3]、143試験の解析[4]も同じ方向の結果だったため、S(根拠が強い)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    メタ分析・Wang(2026年)・Journal of the International Society of Sports Nutrition・63研究・1,489人

    63研究(1489人)の3レベル・メタ分析。筋トレのみと比べ、上半身の筋力(効果量0.54)、下半身(0.55)、除脂肪量(0.30)が上乗せ。脂肪量は有意差なし。若い参加者ほど筋力の効果が大きい傾向(探索的解析)。

    Resistance training combined with creatine supplementation: a three-level meta-analysis of multidimensional outcomes from strength enhancement to body composition remodeling doi:10.1080/15502783.2026.2718316

  2. 2.

    メタ分析・Wang(2024年)・Nutrients・23研究・509人

    50歳未満の23研究。プラセボと比べ、筋トレ+クレアチンで上半身の筋力が平均4.43kg、下半身が11.35kg多く増加。男性では有意、研究の少ない女性では有意差なし。

    Effects of Creatine Supplementation and Resistance Training on Muscle Strength Gains in Adults <50 Years of Age: A Systematic Review and Meta-Analysis doi:10.3390/nu16213665

  3. 3.

    メタ分析・Desai(2024年)・Journal of Strength and Conditioning Research・12研究

    50歳未満の12研究(事前登録)。筋トレのみと比べ、除脂肪量が1.14kg多く増え(95%CI 0.69〜1.59)、体脂肪量は0.73kg多く減少。トレーニング歴や糖質の同時摂取で効果は変わらず。

    The Effect of Creatine Supplementation on Resistance Training–Based Changes to Body Composition: A Systematic Review and Meta-analysis doi:10.1519/jsc.0000000000004862

  4. 4.

    メタ分析・Pashayee-Khamene(2024年)・Journal of the International Society of Sports Nutrition・143研究

    143件のRCTのメタ分析。体重+0.86kg、除脂肪量+0.82kg、体脂肪率-0.28ポイント(いずれも異質性I²=0%)。効果は小さく、筋トレ併用や維持量の継続でよりはっきりした。

    Creatine supplementation protocols with or without training interventions on body composition: a GRADE-assessed systematic review and dose-response meta-analysis doi:10.1080/15502783.2024.2380058

  5. 5.

    メタ分析・Kazeminasab(2025年)・Nutrients・69研究・1,937人

    69件のRCT(1937人)。ベンチ/チェストプレス+1.43kg、スクワット+5.64kg、垂直跳び+1.48cm。握力とレッグプレスは有意差なし。若年者・男性で有意、高齢者・女性では有意でない項目あり。

    The Effects of Creatine Supplementation on Upper- and Lower-Body Strength and Power: A Systematic Review and Meta-Analysis doi:10.3390/nu17172748

  6. 6.

    メタ分析・Burke(2023年)・Nutrients・10研究

    MRI・CT・超音波で筋肉を直接測った10件のRCT。筋トレ+クレアチンによる筋肥大の上乗せはごく小さい(統合値0.11、95%信用区間-0.02〜0.25、筋厚で約0.10〜0.16cm)。

    The Effects of Creatine Supplementation Combined with Resistance Training on Regional Measures of Muscle Hypertrophy: A Systematic Review with Meta-Analysis doi:10.3390/nu15092116

A

筋力・筋量(高齢者)に効く?

Aランク・根拠あり対象:筋トレをする中高年・高齢者(閉経後女性を含む)

おおむね健康な高齢者でも、筋トレと一緒に飲むと、筋トレだけのときより筋力がわずかに多く伸びることが示されています。筋肉の量や、歩くなどの体の動きへの上乗せは、解析によって結果が一致していません。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文6本・ほかの成分と運動

効果の大きさ

筋トレのみ、または筋トレとプラセボ(成分の入っていないもの)の組み合わせと比べた筋力の上乗せは、効果量(差の大きさをそろえた数字)0.31の「小さい」差でした(確実性は中程度)[1]。閉経後女性の解析[3]では、レッグプレスの挙上重量が平均7.5kg、除脂肪量が0.37kg多く増えました。

試験の内容
筋トレと併用したクレアチン摂取
確実性(中心にした解析の著者による評価)
中程度
根拠にした論文
メタ分析 6本

注意点

  • 年齢別:年齢別の解析では、高齢者で有意な上乗せが出ない種目があります[4]。
  • 高齢女性:高齢女性では上半身の筋力だけが有意で、24週以上の試験に限ると下半身も有意でした[5]。
  • 虚弱・サルコペニア:虚弱・サルコペニアの人に、この結果をそのまま当てはめることはできません[1]。
  • 持病のある人:持病のある人を含む解析[6]は、確実性が低いとされています。
  • 量と筋トレ:閉経後女性の解析[3]で、1日3g以下で筋トレをしない試験には、はっきりした効果はみられませんでした。

格付けの理由

60歳以上の11試験をまとめた解析[1]で、筋力の上乗せ(GRADE(結果の確かさを評価する国際的な方法)で中程度の確実性)が示されました。22試験の解析[2]も、筋力と除脂肪量(+1.37kg)の上乗せを報告しています。同じ解析[1]では筋肉量・身体機能の差は有意ではなく、年齢別の解析[4]では若年者より効果が小さかったため、A(根拠あり)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    メタ分析・Yao(2026年)・Frontiers in Nutrition・11研究

    60歳以上の11件のRCT。筋トレのみと比べ筋力が小さく上乗せ(効果量0.31、95%CI 0.18〜0.45、確実性は中程度)。筋肉量(0.35)と身体機能(0.47)は有意差なし。虚弱・サルコペニアの人には当てはめられないとしている。

    Effects of resistance training combined with creatine supplementation on muscle strength, physical function, and muscle mass in older adults: a systematic review and three-level meta-analysis doi:10.3389/fnut.2026.1919884

  2. 2.

    メタ分析・Chilibeck(2017年)・Open Access Journal of Sports Medicine・22研究・721人

    平均57〜70歳の22件のRCT(721人)。プラセボと比べ、除脂肪量が1.37kg、チェストプレス(効果量0.35)とレッグプレス(0.24)の筋力が多く伸びた。

    Effect of creatine supplementation during resistance training on lean tissue mass and muscular strength in older adults: a meta-analysis doi:10.2147/oajsm.s123529

  3. 3.

    メタ分析・Naddafha(2026年)・Journal of the International Society of Sports Nutrition・7研究・608人

    閉経後女性の7件のRCT(608人)。除脂肪量+0.37kg、レッグプレス+7.5kg。効果は1日5g以上+筋トレが中心で、1日3g以下・筋トレなしでは有意な効果なし。骨密度は変わらず、有害事象はプラセボと同程度。

    Creatine monohydrate for lean mass, strength, and bone density in postmenopausal women: a systematic review and meta-analysis doi:10.1080/15502783.2026.2668435

  4. 4.

    メタ分析・Kazeminasab(2025年)・Nutrients・69研究・1,937人

    69件のRCTの年齢別解析で、ベンチ/チェストプレス・レッグプレス・スクワットの上乗せは若年者で有意、高齢者では有意でなかった。

    The Effects of Creatine Supplementation on Upper- and Lower-Body Strength and Power: A Systematic Review and Meta-Analysis doi:10.3390/nu17172748

  5. 5.

    メタ分析・dos Santos(2021年)・Nutrients・10研究・211人

    高齢女性の10件のRCT(211人)。上半身の筋力は増えたが、下半身の筋力と筋肉量は有意差なし。24週以上の試験では上半身・下半身とも増加。

    Efficacy of Creatine Supplementation Combined with Resistance Training on Muscle Strength and Muscle Mass in Older Females: A Systematic Review and Meta-Analysis doi:10.3390/nu13113757

  6. 6.

    メタ分析・Davies(2024年)・Journal of Parenteral and Enteral Nutrition・33研究・1,076人

    高齢者と慢性疾患のある成人の33件のRCT(1076人)。立ち上がり(効果量0.51)、上半身の筋力(0.25)、握力(0.23)、除脂肪量(+1.08kg)に差があったが、根拠の質はすべて低い〜非常に低い。

    Creatine supplementation for optimization of physical function in the patient at risk of functional disability: A systematic review and meta‐analysis doi:10.1002/jpen.2607

A

高強度・短時間の運動の成績は上がる?

Aランク・根拠あり対象:健康な成人・アスリート(主に若年男性)

飲むと、スプリントやジャンプ、短い全力運動のくり返しの成績が上がることが示されています。長く続ける持久系の運動では、はっきりした差は出ていません。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文6本・ほかの成分と運動

効果の大きさ

プラセボ(成分の入っていないもの)と比べたスプリント・ジャンプ・反復スプリントの差は、効果量(差の大きさをそろえた数字)0.33〜0.78の「小さい」〜「中くらい」でした[1]。筋トレと併用した試験をまとめた解析[2]では、30秒の全力こぎ(ウィンゲートテスト)のピークパワーが平均約48W高くなりました。

試験の内容
クレアチン摂取(短期の大量摂取を含む)
根拠にした論文
ネットワークメタ分析 1本・メタ分析 4本・専門家の合意声明 1本

注意点

  • 短期の大量摂取:約20g/日を3〜7日とる短期の大量摂取を調べた解析[4]では、反復スプリントの平均パワーが上がりました。ピークパワーや疲労には有意差(偶然では説明しにくい差)がなく、体重は平均約0.8kg増えました。
  • サッカー:サッカー選手の単発スプリントや敏捷性などには、有意差がありませんでした(Mielgo-Ayuso 2019)。
  • 女性:女性では、全力こぎやジャンプの向上は有意ではありませんでした[2]。
  • 水泳:水泳では、有意な効果はありませんでした[5]。
  • 持久系の運動:持久系の運動には、有意な効果がみられていません(Fernández-Landa 2023)。

格付けの理由

アスリートの52件のRCT(くじ引きでグループを分けて比べた試験)をまとめたネットワークメタ分析(3つ以上の方法を同時に比べたまとめ)[1]で、スプリント・ジャンプ・反復スプリント能力の向上が示されました。全力こぎのパワー向上も男性では複数の解析[2][3]で一致し、IOCの合意声明[6]も根拠のある数少ないサプリの一つに挙げています。測定項目や競技によって結果がばらつくため、A(根拠あり)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    ネットワークメタ分析・Bai(2026年)・Journal of the International Society of Sports Nutrition・52研究

    健康な成人アスリートの52件のRCTのネットワークメタ分析。プラセボと比べスプリント(効果量-0.64)、ジャンプ(0.33)、反復スプリント(-0.78)、上半身の筋持久力(0.43)が向上。敏捷性は有意差なし。β-アラニン併用で上乗せなし。

    Effects of combined versus single supplementation of creatine and beta-alanine on aerobic and anerobic performance: a systematic review and network meta-analysis doi:10.1080/15502783.2026.2695133

  2. 2.

    メタ分析・Kazeminasab(2025年)・Nutrients・69研究・1,937人

    69件のRCT(1937人)。垂直跳び+1.48cm、ウィンゲートテストのピークパワー+47.81W。性別の解析では男性で有意、女性では有意でなかった。

    The Effects of Creatine Supplementation on Upper- and Lower-Body Strength and Power: A Systematic Review and Meta-Analysis doi:10.3390/nu17172748

  3. 3.

    メタ分析・Gu(2026年)・Frontiers in Nutrition・37研究

    18〜30歳の男性のRCT 37件(訂正後の数)のメタ分析。トレーニングの種類にかかわらず、ウィンゲートテストのピークパワー+71.27W、平均パワー+39.69W。除脂肪量の増加は筋トレ併用時のみ。

    Creatine supplementation in young men under resistance versus non-resistance training: a systematic review and meta-analysis of strength, performance, and lean mass doi:10.3389/fnut.2026.1800546

  4. 4.

    メタ分析・Glaister(2022年)・International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism・14研究

    約20g/日を3〜7日摂る短期ローディングの二重盲検RCT 14件。反復スプリントの平均パワーが向上(効果量0.61)し、体重+0.79kg。ピークパワー・疲労・乳酸は有意差なし。

    Short-Term Creatine Supplementation and Repeated Sprint Ability—A Systematic Review and Meta-Analysis doi:10.1123/ijsnem.2022-0072

  5. 5.

    メタ分析・Huang(2024年)・Sports Medicine - Open・17研究・361人

    水泳選手の17研究(361人)。単発のスプリント泳(効果量-0.05)、反復インターバル泳、生理的反応、体組成のいずれにも有意差なし。

    Effects of Creatine Supplementation on the Performance, Physiological Response, and Body Composition Among Swimmers: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials doi:10.1186/s40798-024-00784-8

  6. 6.

    専門家の合意声明・Maughan(2018年)・British Journal of Sports Medicine

    国際オリンピック委員会(IOC)の合意声明。パフォーマンス向上をうたうサプリのうち良い根拠があるのは、カフェイン・クレアチン・一部の緩衝剤・硝酸塩など少数。効果には個人差がある。

    IOC consensus statement: dietary supplements and the high-performance athlete doi:10.1136/bjsports-2018-099027

B

認知機能(記憶など)に効く?

Bランク・根拠は限定的対象:健康な成人(若年〜高齢者)

記憶力がわずかに良くなるという結果はありますが、まだはっきりしません。欧州食品安全機関は2024年に、効果があるとは確かめられていないと結論しました。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文6本

効果の大きさ

プラセボ(成分の入っていないもの)と比べた記憶テストでの差は「小さい」とする解析があります(疾患のある人も含む解析[2]で効果量(差の大きさをそろえた数字)0.31、11歳以上の健康な人の解析[4]で0.29)。ただ、同じ参加者の複数のテストを別々に数えたことで、過大評価になっていると指摘されています。

試験の内容
クレアチン摂取(数日〜数か月、用量はさまざま)
根拠にした論文
公的機関の評価 1本・メタ分析 2本・ランダム化比較試験 1本・系統的レビュー 2本

注意点

  • 試験の規模:試験の多くは小規模で、用量・期間・テストがばらばらです。
  • 数え方の問題:別の解析[4]は全体で記憶の改善(とくに高齢者)を報告しました。ただ、同じ参加者の複数のテストを二重に数えていると指摘するレターがあります(Eckert & Pascher 2023)。著者の再解析では、高齢者以外で有意差(偶然では説明しにくい差)がなくなったとされています(Citherlet 2026のコメンタリー)。
  • 資金:EFSAの評価[1]は、クレアチン製造企業の申請によるものです。
  • 睡眠不足:急性の睡眠不足のときの研究は5件と少数です[5]。
  • 認知症:認知症の人を対象にしたRCT(くじ引きでグループを分けて比べた試験)は見つかっていません[6]。

格付けの理由

疾患のある人も含む16件のRCTをまとめた解析[2]は、記憶で小さな効果を示しました。EFSA(2024)[1]は、この解析が同じ参加者の複数のテストを重ねて数えているため結論に使えないとし、因果関係は確立していないと判断しました。発表時点で最大規模のRCT[3](123人)でも主要評価項目に有意差がなかったため、B(根拠は限定的)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    公的機関の評価・欧州食品安全機関(2024年)・EFSA Journal

    クレアチン製造企業の健康強調表示申請に対するEFSAの意見。作業記憶への効果は20g/日を5〜7日摂った2研究のみで、低用量や継続摂取ではみられず、作用機序の根拠も弱い。因果関係は確立していないと結論。

    Creatine and improvement in cognitive function: Evaluation of a health claim pursuant to article 13(5) of regulation (EC) No 1924/2006 doi:10.2903/j.efsa.2024.9100

  2. 2.

    メタ分析・Xu(2024年)・Frontiers in Nutrition・16研究・492人

    16件のRCT(492人、一部に疾患のある人)。記憶(効果量0.31、著者評価で確実性は中程度)、注意の反応時間、処理速度の時間で効果。全般的な認知機能と実行機能は有意差なし。

    The effects of creatine supplementation on cognitive function in adults: a systematic review and meta-analysis doi:10.3389/fnut.2024.1424972

  3. 3.

    ランダム化比較試験・Sandkühler(2023年)・BMC Medicine・123人

    事前登録の二重盲検クロスオーバーRCT(123人、5g/日を6週間)。逆唱の数字記憶(p=0.064)とレーヴンのマトリックス(p=0.327)は有意差なしだったが、ベイズ解析では小さな効果を支持し、著者はより大きな試験が必要としている。副作用の報告はクレアチンで多かった(リスク比4.25)。

    The effects of creatine supplementation on cognitive performance—a randomised controlled study doi:10.1186/s12916-023-03146-5

  4. 4.

    メタ分析・Prokopidis(2023年)・Nutrition Reviews・8研究

    健康な人の8件のRCTのメタ分析。全体では記憶が向上(効果量0.29、95%CI 0.04〜0.53)。66〜76歳では有意(0.88)、11〜31歳では有意差なし(0.03)。

    Effects of creatine supplementation on memory in healthy individuals: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials doi:10.1093/nutrit/nuac064

  5. 5.

    系統的レビュー・Williams(2026年)・Journal of Integrative and Complementary Medicine・5研究

    急性の睡眠不足時のクレアチンを調べた5研究の系統的レビュー。初期の結果は良い方向だが認知の領域で異なり、研究はまだ少なく質の高い試験が必要。

    Creatine Supplementation and Acute Sleep Deprivation: A Systematic Review of Cognitive, Psychomotor, and Mood Outcomes doi:10.1177/27683605261456529

  6. 6.

    系統的レビュー・Whitford(2026年)・Ageing Research Reviews・6研究

    クレアチンと認知症に関するスコーピングレビュー。該当6研究のうち人の研究は小規模な予備試験1件(20人)のみで、認知症の人を対象にしたRCTは見つからなかった。

    The cognitive effects of creatine supplementation in older adults and preclinical models of dementia: A scoping review doi:10.1016/j.arr.2026.103317

このページについて

サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。

このページの言葉
プラセボ
見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
ランダム化比較試験(RCT)
参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
メタ分析・統合
同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算し直した研究。1つの試験より、偶然に左右されにくくなります。
系統的レビュー
決めた手順で、関係する研究をもれなく集めて評価した研究。メタ分析を含むことが多いです。
ネットワークメタ分析
3つ以上の方法を、直接比べていない組み合わせも含めて同時に比べるメタ分析。
効果量
測り方の違う試験どうしでも比べられるように、差の大きさをそろえた数字(このサイトでは主に、平均の差を標準化したもの)。マイナスの符号は減った向きを表し、符号を除いた大きさが 0.2 前後で「小さい」、0.5 前後で「中くらい」、0.8 以上で「大きい」が目安です。
確実性
結果がどのくらい確かかについて、解析した研究者が付けた評価(高・中・低・非常に低)。低いほど、今後の研究で結果が変わる可能性が高いことを表します。
有意差
偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。
95%信頼区間(95%CI)
結果の数字のぶれの幅。本当の値がおそらく入っている範囲の目安です。差の範囲が 0(比の場合は 1)をまたぐときは、差がない可能性を否定できません。
95%信用区間
ベイズ統計という方法で計算した、本当の値が 95% の確率で入るとされる範囲。差の範囲が 0(比の場合は 1)をまたぐときは、差がない可能性を否定できない点は信頼区間と同じです。
リスク比(相対リスク)・率比
起きた人の割合を2つのグループで比べた比。率比は、観察した人数と期間をそろえた起きる頻度(たとえば100人が1年あたりに起こす回数)の比。どちらも 1 なら差がなく、0.8 なら2割少ないことを表します。
GRADE
結果がどのくらい確かかを、研究の質やばらつきから「高・中・低・非常に低」で評価する国際的な方法。
eJIM
厚生労働省の「『統合医療』に係る情報発信等推進事業」のサイト。サプリなどについて、海外の公的機関の情報を翻訳して載せています。
eGFR
血液検査の値から計算する、腎臓の働きの目安。

運動の効果も同じ基準で格付けしています

運動は19項目中4項目がSでした

掲載した項目の内訳Sの割合
サプリ119項目
3%
運動19項目
21%

S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。

運動のTier表を見る

ほかの成分の格付け(Tier表)