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えびらぼ

シトルリンに効果はある?

シトルリン(L-シトルリン、シトルリンリンゴ酸塩、シトルリンマレート)論文6本で格付け2026-10-04 更新

結論

運動の成績への効果はごくわずかで、まだはっきりしません。

  • 筋トレで限界まで続けられる回数が、平均約6%増えたという結果もある
  • 持久系の運動や最大の筋力には、はっきりした差は出なかった
  • 調べられたのは主に、運動習慣のある若い男性

効くと言われていること

論文では

S〜D の決め方は格付けの決め方

よくある質問

やめてもいい?

運動パフォーマンスを目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはB)。

ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。

飲んで効いた気がするのはなぜ?

成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。

形や量が違えば効く?

格付けは、試験で使われた形と量での結果です。

  • 運動パフォーマンス:シトルリンまたはシトルリンリンゴ酸塩を運動の約1時間前に単回(多いのはリンゴ酸塩6〜8g)、または数日〜数週間

これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。

効いたという論文もあるのでは?

1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは6件の論文を読み、そのうち6件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。

効果ごとの論文の中身

B

運動パフォーマンスに効く?

Bランク・根拠は限定的対象:運動習慣のある健康な成人(主に若い男性)

筋トレで限界まで続けられる回数や、短く激しい運動の成績がごくわずかに上がったという結果はありますが、まだはっきりしません。持久系の運動や、持ち上げられる最大の重さには、はっきりした差は出ませんでした。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文6本・ほかの成分と運動

効果の大きさ

シトルリンリンゴ酸塩(シトルリンマレート)の30試験をまとめた研究[1]では、運動の成績全体の効果量(差の大きさをそろえた数字)が0.16で、「ごくわずか」な差でした。運動40〜60分前にシトルリンリンゴ酸塩6〜8gをとった8試験[3]では、限界までの反復回数がプラセボ(成分の入っていないもの)より平均約6%増えました。

試験の内容
シトルリンまたはシトルリンリンゴ酸塩を運動の約1時間前に単回(多いのはリンゴ酸塩6〜8g)、または数日〜数週間
確実性(中心にした解析の著者による評価)
低い
根拠にした論文
メタ分析 6本

注意点

  • 運動の種類:効果が報告されたのは、主に限界まで繰り返す回数や短時間の高強度運動です。持久系の運動では効果量0.03〜-0.07で、はっきりした差は出ませんでした[4]。持久系で効果の可能性を示した探索的な解析[1]もありますが、感度分析では安定しませんでした。
  • 試験の規模:各試験は十数人規模のものが多く、個々の試験の95%信頼区間(結果のぶれの幅)はどれもゼロを含んでいます[2]。
  • 品質:市販のシトルリンリンゴ酸塩の一部では、表示と実際の配合比が違うという品質の問題が指摘されています(Gough 2021)。
  • 長期間の摂取:長期間とって体組成が変わるという根拠はありません(Ashtary-Larky 2025)。

格付けの理由

シトルリンリンゴ酸塩の30試験をまとめた解析[1]は全体としてごくわずかな改善を示しましたが、GRADE(結果の確かさを評価する国際的な方法)の確実性は低〜非常に低いものでした。運動前に1回とった試験では、高強度の筋力・パワー[2](シトルリン3g以上、効果量0.20)と、反復回数[3](シトルリンリンゴ酸塩6〜8g)で、小さな改善が示されました。持久力[4][5]と最大筋力[6]では有意差(偶然では説明しにくい差)がなかったため、B(根拠は限定的)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    メタ分析・Wang(2026年)・Nutrients・30研究・644人

    30件のRCT(644人)の3レベル・メタ分析。シトルリンリンゴ酸塩で運動パフォーマンス全体がごくわずかに改善(g=0.16)したが予測区間は広い。主観的なきつさは変わらず。持久系・短時間の無酸素運動での効果は感度分析で安定せず、確実性は低〜非常に低い。

    Effects of Citrulline Malate Supplementation on Exercise Performance: A Systematic Review and Three-Level Meta-Analysis doi:10.3390/nu18121881

  2. 2.

    メタ分析・Trexler(2019年)・Sports Medicine・12研究・198人

    運動の30分以上前に3g以上のシトルリンを単回摂取した12研究(198人)。高強度の筋力・パワー系の運動で小さな改善(効果量0.20、95%CI 0.01〜0.39)、試験間のばらつきは小さい。個々の試験の信頼区間はいずれもゼロをまたいだ。

    Acute Effects of Citrulline Supplementation on High-Intensity Strength and Power Performance: A Systematic Review and Meta-Analysis doi:10.1007/s40279-019-01091-z

  3. 3.

    メタ分析・Vårvik(2021年)・International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism・8研究・137人

    二重盲検プラセボ対照の8研究(137人、主に筋トレ経験者)。運動40〜60分前のシトルリンリンゴ酸塩6〜8gで、限界までの反復回数が平均3回(6.4%)増加(効果量0.196、小さい)。下半身は境界的(p=0.051)、上半身は有意差なし。

    Acute Effect of Citrulline Malate on Repetition Performance During Strength Training: A Systematic Review and Meta-Analysis doi:10.1123/ijsnem.2020-0295

  4. 4.

    メタ分析・Harnden(2023年)・Journal of the International Society of Sports Nutrition・9研究・158人

    若い健康な成人の9件のRCT(158人)。シトルリンの単回摂取で持久力は改善せず、疲労困憊までの時間(効果量0.03)も完走時間(-0.07)も有意差なし。試験間のばらつきは小さい。

    Effects of citrulline on endurance performance in young healthy adults: a systematic review and meta-analysis doi:10.1080/15502783.2023.2209056

  5. 5.

    メタ分析・Viribay(2022年)・Nutrients・10研究

    プラセボ対照の10研究のメタ分析。シトルリンで有酸素運動の成績(効果量0.15、95%CI -0.02〜0.32)、主観的なきつさ、酸素摂取の反応、乳酸に有意差なし。継続摂取の試験ではよい傾向がみられた。

    Effects of Citrulline Supplementation on Different Aerobic Exercise Performance Outcomes: A Systematic Review and Meta-Analysis doi:10.3390/nu14173479

  6. 6.

    メタ分析・Aguiar(2022年)・Journal of Dietary Supplements・4研究

    筋トレ経験者の4件のRCT(138評価)のメタ分析。シトルリンリンゴ酸塩で最大筋力は改善せず(効果量0.13、95%CI -0.21〜0.46)、上肢・下肢それぞれでも有意差なし。

    Effects of Citrulline Malate Supplementation on Muscle Strength in Resistance-Trained Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials doi:10.1080/19390211.2021.1939473

このページについて

サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。

安全性

公的機関によるシトルリンに固有の注意は見つかりませんでした。HFNetの健康被害や飲み合わせの情報にも載っていません。HFNetによると、L-シトルリンは、薬のような効き目をうたわなければ食品として扱われる成分です(出典: hfnet.nibn.go.jp)。

このページの言葉
プラセボ
見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
ランダム化比較試験(RCT)
参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
メタ分析・統合
同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算し直した研究。1つの試験より、偶然に左右されにくくなります。
効果量
測り方の違う試験どうしでも比べられるように、差の大きさをそろえた数字(このサイトでは主に、平均の差を標準化したもの)。マイナスの符号は減った向きを表し、符号を除いた大きさが 0.2 前後で「小さい」、0.5 前後で「中くらい」、0.8 以上で「大きい」が目安です。
確実性
結果がどのくらい確かかについて、解析した研究者が付けた評価(高・中・低・非常に低)。低いほど、今後の研究で結果が変わる可能性が高いことを表します。
有意差
偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。
95%信頼区間(95%CI)
結果の数字のぶれの幅。本当の値がおそらく入っている範囲の目安です。差の範囲が 0(比の場合は 1)をまたぐときは、差がない可能性を否定できません。
GRADE
結果がどのくらい確かかを、研究の質やばらつきから「高・中・低・非常に低」で評価する国際的な方法。

運動の効果も同じ基準で格付けしています

運動は19項目中4項目がSでした

掲載した項目の内訳Sの割合
サプリ119項目
3%
運動19項目
21%

S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。

運動のTier表を見る

ほかの成分の格付け(Tier表)