紅麹に効果はある?
紅麹(ベニコウジ、紅麹米、モナコリンK)論文6本で格付け2026-10-04 更新
結論
LDLコレステロールが高めの人では下がりますが、有効成分は薬と同じものです。
- LDLは平均約39mg/dL下がった
- 製品によって含まれる量が大きく違う
- 2024年の国内の腎障害などの被害は、製造中に混じった物質が原因
効くと言われていること
論文ではS〜D の決め方は格付けの決め方
飲む前に:公的機関の注意があります運動の格付けと並べると
LDLコレステロールは、運動で少し下がります
運動の格付け:A(根拠あり)
対象:成人(主な解析は心臓病の人を除く。脂質異常症の人に限らない)
運動を続けると、LDLコレステロールと中性脂肪が少し下がり、HDLコレステロールが少し上がることが示されています。下がる量は、LDLで平均約7mg/dL、中性脂肪で約8mg/dLです。
コレステロールを下げる運動とサプリの格付けを見る飲む前に知っておくこと
妊娠中・授乳中の人には勧められず、薬を飲んでいる人は飲み合わせに気をつける必要があります。厚生労働省の情報サイト(eJIM)は、筋肉・肝臓・腎臓への副作用や薬と影響し合うおそれ、腎臓に有害なシトリニンが混じるおそれを挙げています(出典: ejim.mhlw.go.jp)。モナコリンKは医薬品のロバスタチンと同じ物質で、欧州食品安全機関(EFSA)は安全な量を決められないとしています(出典: doi.org)。2024年3月には、国内の一事業者が作った紅麹原料を含む健康食品で腎障害などが多数報告され、3製品に回収命令が出ました。厚生労働省は、工場の青カビが作ったプベルル酸が腎障害の原因と確認しました(出典: mhlw.go.jp、消費者庁 出典: caa.go.jp)。
よくある質問
やめてもいい?
根拠があるのは次の効果です。この目的で飲んでいて、対象に当てはまるなら、続ける理由があります。
- LDLコレステロールはA(根拠あり)。対象はLDLコレステロールが高めの成人(主に中国・欧州の試験)
ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。続ける場合は、このページの「飲む前に知っておくこと」(公的機関の注意情報)を先に読んでください。
飲んで効いた気がするのはなぜ?
成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。
形や量が違えば効く?
格付けは、試験で使われた形と量での結果です。
- LDLコレステロール:モナコリンKを含む紅麹エキスを4〜24週間
これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。
効いたという論文もあるのでは?
1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは6件の論文を読み、そのうち5件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。
効果ごとの論文の中身
LDLコレステロールに効く?
Aランク・根拠あり対象:LDLコレステロールが高めの成人(主に中国・欧州の試験)
LDLコレステロールが高めの人が、モナコリンKを含む紅麹をとると、LDLが平均約39mg/dL下がることが示されています。有効成分は薬のロバスタチンと同じで、スタチンと比べた解析では下がり方にはっきりした差は出ず、含まれる量は製品によって大きく違います。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文6本・ほかの成分と運動
効果の大きさ
20試験をまとめると、LDLコレステロールがプラセボ(成分の入っていないもの)より平均約1.0mmol/L(約39mg/dL)低くなりました[1]。ほかの複数の解析でも、同じ程度の低下が一貫してみられています。
- 試験の内容
- モナコリンKを含む紅麹エキスを4〜24週間
- 根拠にした論文
- メタ分析 4本・ネットワークメタ分析 1本・公的機関の評価 1本
注意点
- 有効成分:効果はモナコリンK(ロバスタチンと同じ物質)によるもので、スタチンを飲んでいるのと同じ扱いになります。
- 製品の違い:製品ごとの含有量には60倍以上の差があり、表示がないことも多いです(厚労省eJIM(厚生労働省の「統合医療」情報サイト))。
- 心筋梗塞など:心筋梗塞などを減らすかどうかの根拠は、主に中国の処方製剤の試験です。
- 2024年の健康被害:国内の2024年の健康被害は、製造工程で混入したプベルル酸が原因とされています。紅麹そのものの作用とは別の問題です(安全性の項)。
根拠にした論文
- 1.
メタ分析・Gerards(2015年)・Atherosclerosis・20研究
モナコリンK量が分かる紅麹のランダム化試験20件。LDLがプラセボより1.02mmol/L低下し、スタチンとは有意差がなかった。肝臓・腎臓の障害は0〜5%で対照と差はないが、多くの試験で安全性の評価の質が低かった。
Traditional Chinese lipid-lowering agent red yeast rice results in significant LDL reduction but safety is uncertain - a systematic review and meta-analysis. doi:10.1016/j.atherosclerosis.2015.04.004
- 2.
メタ分析・Li(2014年)・PLoS ONE・13研究・804人
脂質異常症の804人・プラセボ対照RCT 13件(中国の処方製剤は除外)。LDLが0.87mmol/L低下し、総コレステロール・中性脂肪も低下、HDLは有意差なし。重い副作用の報告はなかったが、長期の厳密な試験が必要とされた。
A meta-analysis of red yeast rice: an effective and relatively safe alternative approach for dyslipidemia. doi:10.1371/journal.pone.0098611
- 3.
メタ分析・Trogkanis(2024年)・Nutrients・14研究
2012〜2022年に発表された二重盲検試験14件(4〜24週間)。総コレステロールが37.4mg/dL、LDLが35.8mg/dL低下し、HDL・中性脂肪は有意差なし。命に関わる副作用の増加はみられなかった。
Safety and Efficacy of the Consumption of the Nutraceutical "Red Yeast Rice Extract" for the Reduction of Hypercholesterolemia in Humans: A Systematic Review and Meta-Analysis. doi:10.3390/nu16101453
- 4.
ネットワークメタ分析・Osadnik(2022年)・Pharmacological Research・131研究・13,062人
LDLを下げるとされる10種類のサプリの試験131件(13,062人、全成分の合計)のネットワークメタ分析。ポリコサノール以外はプラセボよりLDLを下げ、ベルガモットと紅麹が最も効果が大きかった(低下量は-1.21と-0.94mmol/Lと記載)。
A network meta-analysis on the comparative effect of nutraceuticals on lipid profile in adults. doi:10.1016/j.phrs.2022.106402
- 5.
メタ分析・Fogacci(2019年)・Pharmacological Research・53研究・8,535人
RCT 53件(8535人)の安全性のメタ分析。筋肉・骨格の副作用は増えず(オッズ比0.94)、それ以外の有害事象や重い有害事象は対照より少なかった。モナコリンKの量(3mg以下〜5mg超)で分けても同様だった。
Safety of red yeast rice supplementation: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. doi:10.1016/j.phrs.2019.02.028
- 6.
公的機関の評価・欧州食品安全機関(2018年)・EFSA Journal
欧州食品安全機関の意見。モナコリンKは医薬品ロバスタチンと同じで、サプリからの摂取は治療量に達しうる。1日10mgでは重大な安全上の懸念があり、1日3mgでも横紋筋融解症や肝障害などの重い副作用の報告があり、安全な摂取量は特定できないと結論。
Scientific opinion on the safety of monacolins in red yeast rice. doi:10.2903/j.efsa.2018.5368
このページについて
サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。
このページの言葉
- プラセボ
- 見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
- ランダム化比較試験(RCT)
- 参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
- メタ分析・統合
- 同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算し直した研究。1つの試験より、偶然に左右されにくくなります。
- ネットワークメタ分析
- 3つ以上の方法を、直接比べていない組み合わせも含めて同時に比べるメタ分析。
- 確実性
- 結果がどのくらい確かかについて、解析した研究者が付けた評価(高・中・低・非常に低)。低いほど、今後の研究で結果が変わる可能性が高いことを表します。
- 有意差
- 偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。
- オッズ比
- 「起きた人と起きなかった人の比」を2つのグループで比べた比。1 なら差がなく、1 より小さいほど起きにくいことを表します。起きる人が多いことがらでは、起きた人の割合の比とは大きく違うことがあるので、オッズ比 0.5 を「半分になった」とは読めません。
- GRADE
- 結果がどのくらい確かかを、研究の質やばらつきから「高・中・低・非常に低」で評価する国際的な方法。
- eJIM
- 厚生労働省の「『統合医療』に係る情報発信等推進事業」のサイト。サプリなどについて、海外の公的機関の情報を翻訳して載せています。
運動の効果も同じ基準で格付けしています
運動は19項目中4項目がSでした
- サプリ119項目
- ABCD
- 3%
- 運動19項目
- SAB
- 21%
S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。
運動のTier表を見る