アシュワガンダに効果はある?
アシュワガンダ(ウィザニア、Withania somnifera)論文9本で格付け2026-10-04 更新
結論
睡眠は少し良くなりますが、日本では食品に使えない成分です。
- ストレスや不安が下がった結果もあるが、まだはっきりしない
- 試験の多くはインドで行われた小さなもの
- 肝臓の障害が報告されている
効くと言われていること
論文ではS〜D の決め方は格付けの決め方
飲む前に:公的機関の注意があります運動の格付けと並べると
眠りの質が、運動で良くなるという結果も
運動の格付け:B(根拠は限定的)
対象:成人・高齢者(不眠症や睡眠に悩みのある人を含む)
運動をすると、自分で感じる眠りの質がよくなるという結果が出ています。ただ、結果の確かさはまだ低いと評価されています。
睡眠のサプリと運動の格付けを見る飲む前に知っておくこと
日本では、アシュワガンダの全草を食品に使うと、承認されていない医薬品の扱いになります。厚生労働省の「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」に載っているためで、東京都は2025年10月7日、これを含む輸入茶の販売中止と回収を指示しました(出典: metro.tokyo.lg.jp)。米国国立衛生研究所の栄養補助食品局(NIH ODS)は、肝臓の障害の報告や、甲状腺への影響、薬と影響し合う可能性を挙げ、妊娠中は避けるよう助言する専門家もいるとしています(出典: ods.od.nih.gov)。
よくある質問
やめてもいい?
根拠があるのは次の効果です。この目的で飲んでいて、対象に当てはまるなら、続ける理由があります。
- 睡眠の質はA(根拠あり)。対象は成人(不眠症の人を含む)
ストレス・不安を目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはB)。
ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。続ける場合は、このページの「飲む前に知っておくこと」(公的機関の注意情報)を先に読んでください。
飲んで効いた気がするのはなぜ?
成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。
形や量が違えば効く?
格付けは、試験で使われた形と量での結果です。
- ストレス・不安:根などの抽出物を1日数百mg(中央値600mg程度)、6〜12週間
- 睡眠の質:根などの抽出物を1日120〜600mg程度、6〜8週間以上
これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。
効いたという論文もあるのでは?
1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは9件の論文を読み、そのうち6件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。
効果ごとの論文の中身
ストレス・不安に効く?
Bランク・根拠は限定的対象:ストレスを感じている成人、不安症などの患者
ストレスや不安の点数が下がったという結果はありますが、まだはっきりしません。自分で感じるストレスの点数には、はっきりした差が出なかった解析もあります。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文5本・ほかの成分と運動
- 試験の内容
- 根などの抽出物を1日数百mg(中央値600mg程度)、6〜12週間
- 確実性(中心にした解析の著者による評価)
- 低い
- 根拠にした論文
- メタ分析 4本・診療ガイドライン 1本
注意点
根拠にした論文
- 1.
メタ分析・Akhgarjand(2022年)・Phytotherapy Research・12研究・1,002人
RCT12件(25〜48歳、1,002人)の統合。アシュワガンダで不安(効果量-1.55)とストレス(-1.75)がプラセボより下がったが、試験間のばらつきが非常に大きく(I²=93.8%、83.1%)、根拠の確実性はどちらも「低」。
Does Ashwagandha supplementation have a beneficial effect on the management of anxiety and stress? A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. doi:10.1002/ptr.7598
- 2.
メタ分析・Marchi(2025年)・BJPsych Open・14研究・713人
精神疾患のある人を対象にしたRCT14件(治療360人・対照353人、主に不安症、中央値600mg/日・8週間)の統合。不安(外れ値補正後の効果量-1.13)・ストレス(-0.95)・睡眠の質(-1.35)が改善。安全性に有意差なし。本文ではGRADEは不安・ストレス・睡眠で「低」。
The effect of Withania somnifera (Ashwagandha) on mental health symptoms in individuals with mental disorders: systematic review and meta-analysis. doi:10.1192/bjo.2025.10885
- 3.
メタ分析・Arumugam(2024年)・Explore (NY)・9研究・558人
RCT9件(558人)の統合。アシュワガンダでストレスの尺度(PSS)が平均4.72点、不安の尺度(HAM-A)が2.19点、血中コルチゾールもプラセボより下がった。4件の試験で軽度〜中等度の有害事象の報告があった。
Effects of Ashwagandha (Withania Somnifera) on stress and anxiety: A systematic review and meta-analysis. doi:10.1016/j.explore.2024.103062
- 4.
メタ分析・Albalawi(2025年)・Nutrition and Health・488人
2012〜2024年のRCT(コルチゾール7件、主観的ストレス6件、488人)の統合。コルチゾールは下がった(-1.16µg/dL)が、ストレスの尺度(PSS)には有意な効果がなかった(効果量-0.355、95%CI -1.188〜0.47)。
Dual impact of Ashwagandha: Significant cortisol reduction but no effects on perceived stress - A systematic review and meta-analysis. doi:10.1177/02601060251363647
- 5.
診療ガイドライン・Sarris(2022年)・The World Journal of Biological Psychiatry
世界生物学的精神医学会連合とカナダの気分・不安治療ネットワークの国際作業部会の指針。アシュワガンダは不安症の治療に「暫定的に推奨」(++)と控えめな支持。植物由来製品の品質や標準化が大きな課題と指摘。
Clinician guidelines for the treatment of psychiatric disorders with nutraceuticals and phytoceuticals: The World Federation of Societies of Biological Psychiatry (WFSBP) and Canadian Network for Mood and Anxiety Treatments (CANMAT) Taskforce. doi:10.1080/15622975.2021.2013041
よく眠れる?(睡眠の質)
Aランク・根拠あり対象:成人(不眠症の人を含む)
睡眠全般が少し良くなることが示されています。不眠症と診断された人、1日600mg以上、8週間以上飲んだ試験で、良くなり方が大きい傾向がありました。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文5本
効果の大きさ
プラセボ(成分の入っていないもの)と比べた5試験・400人をまとめた解析[1]で、睡眠全般の効果量(差の大きさをそろえた数字)は-0.59でした。著者は、小さいが偶然とは考えにくい差(有意)と評価しています。不眠症と診断された人の試験、1日600mg以上の試験、8週間以上の試験で、効果が大きい傾向がありました。
- 試験の内容
- 根などの抽出物を1日120〜600mg程度、6〜8週間以上
- 確実性(中心にした解析の著者による評価)
- 中程度
- 根拠にした論文
- メタ分析 3本・ランダム化比較試験 2本
注意点
- 試験の数と資金:まとめた試験は5件と少なく、すべてインドで行われ、1件は製造企業が資金の一部を出していました(解析[1]の本文)。
- 試験の規模:個々の試験は50〜150人程度で、製品によって抽出物や用量が違います。
- 長く飲んだとき:長く飲んだときの安全性は分かっていません。
- 日本での扱い:日本では全草が医薬品成分の扱いで、食品として販売できません(安全性の項を参照)。
根拠にした論文
- 1.
メタ分析・Cheah(2021年)・PLoS One・5研究・400人
RCT5件(400人)の統合。睡眠全般に効果量-0.59の有意な改善があり、不眠症の人・600mg/日以上・8週間以上で大きい傾向。重い副作用なし。本文ではGRADEは「中」、全試験がインドで行われ、1件は製造企業が一部資金提供。
Effect of Ashwagandha (Withania somnifera) extract on sleep: A systematic review and meta-analysis. doi:10.1371/journal.pone.0257843
- 2.
メタ分析・Fatima(2024年)・Human Psychopharmacology・5研究・254人
不安症や不眠症の患者のRCT5件(254人)の統合。不安の点数(平均差-5.96、ばらつきは非常に大きい)が下がり、寝つき・総睡眠時間・睡眠の質(PSQI)・睡眠効率が改善したが、途中で目が覚める時間や床にいる時間は変わらなかった。
Safety and efficacy of Withania somnifera for anxiety and insomnia: Systematic review and meta-analysis. doi:10.1002/hup.2911
- 3.
メタ分析・Marchi(2025年)・BJPsych Open・14研究・713人
精神疾患のある人のRCT14件のメタ分析。睡眠の質が改善した(効果量-1.35)が、睡眠の解析に含まれた研究は少なく、本文ではGRADEの確実性を「低」と評価。
The effect of Withania somnifera (Ashwagandha) on mental health symptoms in individuals with mental disorders: systematic review and meta-analysis. doi:10.1192/bjo.2025.10885
- 4.
ランダム化比較試験・Deshpande(2020年)・Sleep Medicine・150人
眠っても疲れが取れない健康な成人150人の6週間の二重盲検RCT(標準化抽出物120mg/日)。自己評価の睡眠の質はアシュワガンダ群で72%、プラセボ群で29%改善(p<0.001)。活動量計でも睡眠効率・総睡眠時間・寝つきが改善。関連する有害事象なし。
A randomized, double blind, placebo controlled study to evaluate the effects of ashwagandha (Withania somnifera) extract on sleep quality in healthy adults. doi:10.1016/j.sleep.2020.03.012
- 5.
ランダム化比較試験・Langade(2021年)・Journal of Ethnopharmacology・80人
健康な人40人と不眠症の人40人の8週間の二重盲検RCT。根の抽出物で両群の睡眠の指標が改善し、不眠症の人でより明確だった。特に寝つきと睡眠効率の改善が大きかった。忍容性は良好。
Clinical evaluation of the pharmacological impact of ashwagandha root extract on sleep in healthy volunteers and insomnia patients: A double-blind, randomized, parallel-group, placebo-controlled study. doi:10.1016/j.jep.2020.113276
このページについて
サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。
このページの言葉
- プラセボ
- 見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
- ランダム化比較試験(RCT)
- 参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
- メタ分析・統合
- 同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算し直した研究。1つの試験より、偶然に左右されにくくなります。
- 効果量
- 測り方の違う試験どうしでも比べられるように、差の大きさをそろえた数字(このサイトでは主に、平均の差を標準化したもの)。マイナスの符号は減った向きを表し、符号を除いた大きさが 0.2 前後で「小さい」、0.5 前後で「中くらい」、0.8 以上で「大きい」が目安です。
- 確実性
- 結果がどのくらい確かかについて、解析した研究者が付けた評価(高・中・低・非常に低)。低いほど、今後の研究で結果が変わる可能性が高いことを表します。
- 有意差
- 偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。
- 95%信頼区間(95%CI)
- 結果の数字のぶれの幅。本当の値がおそらく入っている範囲の目安です。差の範囲が 0(比の場合は 1)をまたぐときは、差がない可能性を否定できません。
- GRADE
- 結果がどのくらい確かかを、研究の質やばらつきから「高・中・低・非常に低」で評価する国際的な方法。
運動の効果も同じ基準で格付けしています
運動は19項目中4項目がSでした
- サプリ119項目
- ABCD
- 3%
- 運動19項目
- SAB
- 21%
S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。
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