テアニンに効果はある?
テアニン(L-テアニン)論文8本で格付け2026-10-04 更新
結論
眠りやストレスに少し良いという結果はありますが、まだはっきりしません。
- テアニンだけを調べた試験は、まだ少ない
- 健康な人が1回飲むと、直後のストレスが少し和らいだ
- 抗うつ薬を飲む全般性不安症の人では、不眠にはっきりした差は出なかった
効くと言われていること
論文では- よく眠れる?(睡眠の質)対象:健康な成人〜睡眠に不満のある人(一部はADHDの子どもなど)根拠は限定的
- ストレスに効く?対象:健康な成人(課題で一時的にストレスをかけた人、ストレスを感じている人)根拠は限定的
S〜D の決め方は格付けの決め方
代わりにできること
眠りの質が、運動で良くなるという結果も
運動の格付け:B(根拠は限定的)
対象:成人・高齢者(不眠症や睡眠に悩みのある人を含む)
運動をすると、自分で感じる眠りの質がよくなるという結果が出ています。ただ、結果の確かさはまだ低いと評価されています。
睡眠のサプリと運動の格付けを見る機能性表示食品として売られているとき
L-テアニンを機能性関与成分とする機能性表示食品の届出があります(2026年10月3日時点)。国が1つずつ審査した食品ではなく、届出の根拠はこのページの格付けとは別のものです。表示を見るときに確かめること
機能性表示食品として売られているとき
L-テアニンを機能性関与成分とする機能性表示食品の届出があります(2026年10月3日時点)。国が1つずつ審査した食品ではなく、届出の根拠はこのページの格付けとは別のものです。表示を見るときに確かめること- 国の審査
- 機能性表示食品は、事業者が科学的根拠などを消費者庁に届け出て、機能を表示する食品です。国が1つずつ審査した食品ではありません。パッケージには「本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません。届け出られた科学的根拠等の情報は消費者庁のウェブサイトで確認できます。」と書くことが決められています。
- 届出番号
- パッケージの「届出番号」を消費者庁の届出データベースに入れると、届け出た事業者が書いた、安全性と機能性の根拠の要約を見られます。
- 「報告されています」
- 消費者庁の手引きは、根拠がその商品(最終製品)を使った臨床試験か、論文を集めて評価した研究レビューかが分かる表現にするよう求めています。研究レビューが根拠のときは、商品についてのレビューでも成分についてのレビューでも「報告されている」ことが分かる表現にし、例として「〜の機能があることが報告されています」を挙げています。最終製品を使った臨床試験で根拠を説明するときの例は「〜の機能があります」です。成分についての研究レビューが根拠のときは、その商品自体に機能があるという根拠ではないことが分かる表現にするとしています。
- 量
- パッケージには、1日あたりの摂取目安量と、その量に含まれる機能性関与成分の量が書かれています。このページの試験で使われた量と比べてください。
- 睡眠の質:1日200〜450mg程度を4〜8週間(研究で多い用量)
- ストレス:1回200mg、または1日200〜400mgを数週間
- 薬
- 薬を飲んでいる人は、医師か薬剤師に相談してから使ってください。パッケージにも、この注意を書くことが決められています。
よくある質問
やめてもいい?
睡眠の質、ストレスを目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはB・B)。
ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。
飲んで効いた気がするのはなぜ?
成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。
形や量が違えば効く?
格付けは、試験で使われた形と量での結果です。
- 睡眠の質:1日200〜450mg程度を4〜8週間(研究で多い用量)
- ストレス:1回200mg、または1日200〜400mgを数週間
これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。
効いたという論文もあるのでは?
1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは8件の論文を読み、そのうち4件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。
効果ごとの論文の中身
よく眠れる?(睡眠の質)
Bランク・根拠は限定的対象:健康な成人〜睡眠に不満のある人(一部はADHDの子どもなど)
飲むと、自分で感じる睡眠の質や寝つきが少し良くなったという結果はありますが、まだはっきりしません。テアニンだけを調べた試験は、まだ少ないです。抗うつ薬を飲んでいる全般性不安症の人では、不眠の程度にはっきりした差は出ませんでした。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文5本・ほかの成分と運動
効果の大きさ
試験をまとめると[1]、睡眠の質の総合点は効果量(差の大きさをそろえた数字)0.43(「小さい」〜「中くらい」、12研究)の改善でした。寝つきは0.15(「ごくわずか」)、日中の不調は0.33(「小さい」)の改善でした。
- 試験の内容
- 1日200〜450mg程度を4〜8週間(研究で多い用量)
- 根拠にした論文
- メタ分析 1本・系統的レビュー 1本・ランダム化比較試験 3本
注意点
- 配合製品:メタ分析(複数の試験をまとめて計算し直した研究)[1]には、テアニンと他の成分を組み合わせた製品の試験が含まれています。
- 結果の幅:睡眠の質の総合点の効果量の信頼区間(結果のぶれの幅)は、0.04〜0.83と広くなっています。
- 試験の規模と資金:テアニン単独のRCT(くじ引きでグループを分けて比べた試験)は30〜100人程度と小規模で、素材メーカーの資金や社員が関わる試験もあります[3]。
- レビューの著者:テアニンを好意的に評価した系統的レビュー(関係する研究をもれなく集めて評価した研究)[2]の著者は、テアニン製品を扱う企業と関係がある可能性があります。ただし、この論文の利益相反は確認できていません。
根拠にした論文
- 1.
メタ分析・Bulman(2025年)・Sleep Medicine Reviews・19研究・897人
RCT19件(897人、18件をメタ分析)。テアニンで主観的な寝つき(効果量0.15、10研究)、日中の不調(0.33、9研究)、睡眠の質の総合点(0.43、95%CI 0.04〜0.83、12研究)が有意に改善。著者はテアニン単独の研究が少ないことを指摘。
The effects of L-theanine consumption on sleep outcomes: A systematic review and meta-analysis. doi:10.1016/j.smrv.2025.102076
- 2.
系統的レビュー・Cotter(2026年)・Nutritional Neuroscience・13研究・550人
テアニン単独(1日50〜900mg)の試験13件(550人、うちRCT11件、非盲検の単群2件)の系統的レビュー。寝つき・睡眠の維持・効率・満足感・目覚めのすっきり感で良い結果が報告され、著者は1日200〜450mgが安全で有効と結論。メタ分析はしていない。
Examining the effect of L-theanine on sleep: a systematic review of dietary supplementation trials. doi:10.1080/1028415x.2025.2556925
- 3.
ランダム化比較試験・Hidese(2019年)・Nutrients・30人
健康な成人30人のランダム化二重盲検クロスオーバー試験(テアニン200mg/日、4週間)。テアニン期間後に睡眠の質(PSQI)・うつ・特性不安の点数が下がり、PSQIの寝つき・睡眠の妨げ・睡眠薬の使用の下位項目はプラセボより改善した(いずれもp<0.05)。
Effects of L-Theanine Administration on Stress-Related Symptoms and Cognitive Functions in Healthy Adults: A Randomized Controlled Trial. doi:10.3390/nu11102362
- 4.
ランダム化比較試験・Sarris(2019年)・Journal of Psychiatric Research・46人
抗うつ薬を服用中の全般性不安症の成人46人の8週間の二重盲検RCT(テアニン450〜900mgの上乗せ)。不安(p=0.73)と不眠の重さ(ISI、p=0.35)はプラセボと有意差がなく、睡眠の満足度の1項目のみ改善(p=0.015)。
L-theanine in the adjunctive treatment of generalized anxiety disorder: A double-blind, randomised, placebo-controlled trial. doi:10.1016/j.jpsychires.2018.12.014
- 5.
ランダム化比較試験・Lyon(2011年)・Alternative Medicine Review・98人
ADHDの8〜12歳の男児98人の6週間の二重盲検RCT(テアニン400mg/日)。活動量計で睡眠の割合と睡眠効率がプラセボより有意に高かったが、寝つきなど他の項目は変わらず、保護者の質問票の結果とは一致しなかった。
The effects of L-theanine (Suntheanine®) on objective sleep quality in boys with attention deficit hyperactivity disorder (ADHD): a randomized, double-blind, placebo-controlled clinical trial. PMID:22214254
ストレスに効く?
Bランク・根拠は限定的対象:健康な成人(課題で一時的にストレスをかけた人、ストレスを感じている人)
健康な人が1回飲むと、直後のストレスが少し和らいだという結果はありますが、まだはっきりしません。不安への効果は、試験によって結果が一致していません。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文5本・ほかの成分と運動
- 試験の内容
- 1回200mg、または1日200〜400mgを数週間
- 根拠にした論文
- メタ分析 1本・系統的レビュー 1本・ランダム化比較試験 3本
注意点
- 試験の規模と資金:多くの試験は数十人規模で、素材メーカーの資金や社員が関わっています[3][4]。
- 全般性不安症の人:抗うつ薬を飲む全般性不安症の患者にテアニン450〜900mgを上乗せした試験では、不安にプラセボとの有意差(偶然では説明しにくい差)はありませんでした[5]。
- レビューの結論:系統的レビュー(関係する研究をもれなく集めて評価した研究)[2]は、1日200〜400mgがストレス下にある人のストレスや不安の軽減に役立つ可能性を示しました。ただし、長期・大規模な試験が必要としています。
- 著者の利益相反:メタ分析(複数の試験をまとめて計算し直した研究)[1]の著者の1人は、サプリメント企業の創業者です。
根拠にした論文
- 1.
メタ分析・Gerolymos(2026年)・Molecular Psychiatry・31研究・1,168人
プラセボ対照RCT31件(1168人)のメタ分析。健康な成人が1回飲んだときの急なストレスの軽減は小さく(効果量0.31)、バイアスのリスクの高い研究の影響が大きい。疲労感には有意な効果なし、不安への効果は一貫せず有意でない。200mg1回で反応時間は改善。重い有害事象なし。
Cognitive and affective effects of L-Theanine: a systematic review and meta-analysis of 31 randomized trials. doi:10.1038/s41380-026-03727-9
- 2.
系統的レビュー・Williams(2020年)・Plant Foods for Human Nutrition・9研究
テアニン単独のサプリメントのRCT9件の系統的レビュー。1日200〜400mgでストレス下にある人のストレスや不安が和らぐ可能性があるが、治療的な使用を裏づけるには長期・大規模な試験が必要とした。
The Effects of Green Tea Amino Acid L-Theanine Consumption on the Ability to Manage Stress and Anxiety Levels: a Systematic Review. doi:10.1007/s11130-019-00771-5
- 3.
ランダム化比較試験・Hidese(2019年)・Nutrients・30人
健康な成人30人のランダム化二重盲検クロスオーバー試験(200mg/日、4週間)。テアニン期間後にうつの自己評価と特性不安の点数が下がった(p=0.019、0.006)。
Effects of L-Theanine Administration on Stress-Related Symptoms and Cognitive Functions in Healthy Adults: A Randomized Controlled Trial. doi:10.3390/nu11102362
- 4.
ランダム化比較試験・Moulin(2024年)・Neurology and Therapy・30人
中程度のストレスがある健康な成人30人の28日間の二重盲検RCT(テアニン400mg/日)。ストレスの尺度はテアニン群で17.98%、プラセボ群で17.88%下がり、ほぼ同程度。唾液コルチゾールも群間の有意差なし。浅い睡眠はプラセボより減った。
Safety and Efficacy of AlphaWave® L-Theanine Supplementation for 28 Days in Healthy Adults with Moderate Stress: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial. doi:10.1007/s40120-024-00624-7
- 5.
ランダム化比較試験・Sarris(2019年)・Journal of Psychiatric Research・46人
全般性不安症の患者46人の8週間の二重盲検RCT。抗うつ薬へのテアニン(450〜900mg)の上乗せは、不安の尺度(HAMA)でプラセボを上回らなかった(p=0.73)。
L-theanine in the adjunctive treatment of generalized anxiety disorder: A double-blind, randomised, placebo-controlled trial. doi:10.1016/j.jpsychires.2018.12.014
このページについて
サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。
安全性
テアニンに固有の公的な注意は、2026年10月時点で、厚生労働省の情報サイト(eJIM)とHFNetのどちらにも見つかりませんでした。HFNet(医薬基盤・健康・栄養研究所)の素材情報データベースにも、テアニンによる健康被害や薬との飲み合わせの報告は載っていません(出典: hfnet.nibn.go.jp)。2026年に31件の試験をまとめた解析では、重い体調の悪化は報告されていません(出典: doi.org)。
このページの言葉
- プラセボ
- 見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
- ランダム化比較試験(RCT)
- 参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
- メタ分析・統合
- 同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算し直した研究。1つの試験より、偶然に左右されにくくなります。
- 系統的レビュー
- 決めた手順で、関係する研究をもれなく集めて評価した研究。メタ分析を含むことが多いです。
- 効果量
- 測り方の違う試験どうしでも比べられるように、差の大きさをそろえた数字(このサイトでは主に、平均の差を標準化したもの)。マイナスの符号は減った向きを表し、符号を除いた大きさが 0.2 前後で「小さい」、0.5 前後で「中くらい」、0.8 以上で「大きい」が目安です。
- 有意差
- 偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。
- 95%信頼区間(95%CI)
- 結果の数字のぶれの幅。本当の値がおそらく入っている範囲の目安です。差の範囲が 0(比の場合は 1)をまたぐときは、差がない可能性を否定できません。
- eJIM
- 厚生労働省の「『統合医療』に係る情報発信等推進事業」のサイト。サプリなどについて、海外の公的機関の情報を翻訳して載せています。
運動の効果も同じ基準で格付けしています
運動は19項目中4項目がSでした
- サプリ119項目
- ABCD
- 3%
- 運動19項目
- SAB
- 21%
S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。
運動のTier表を見る