バランス運動・太極拳は効果ない?
片足立ちや立ち座りなどのバランス・動作の練習と、太極拳・論文3件から・2026-10-12 更新
結論
60歳以上で転倒が減った
効果ごとの格付けと研究の結果
記号は運動全体での効果ごとの根拠の強さで、バランス運動・太極拳だけの格付けではありません。
- S
転倒の予防(60歳以上)
運動の格付け:S(根拠が強い)
地域で暮らす60歳以上で、バランス・動作の運動により転倒の回数が24%減りました(確実性は高い)。筋トレなどと組み合わせると34%(中)、太極拳では19%(低)減りました。2019年・コクラン・レビュー
この格付けの根拠を見る → - B
睡眠の質
運動の格付け:B(根拠は限定的)
不眠症の人で、太極拳により睡眠の質の点数(PSQI)が改善しました(確実性は低い)。2026年・ネットワークメタ分析
この格付けの根拠を見る → - A
うつ症状(うつ病などの人)
運動の格付け:A(根拠あり)
うつ病の人で、太極拳・気功により症状が中程度に改善しました(効果量-0.42。確実性は非常に低い)。2024年・ネットワークメタ分析
この格付けの根拠を見る →
運動の始め方
持病や、運動で悪くなるおそれのある痛みがある人は、始める前に医師などに相談し、軽い運動から少しずつ増やしてください。インスリンなどで治療中の人は低血糖に、血液をサラサラにする薬を使う人は転倒や打撲に気をつけてください。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の注意です(出典: mhlw.go.jp)。
運動の試験で報告された有害事象
転倒予防の試験(Sherrington 2019)では、不調の多くは筋肉痛などの軽いものでした。一方で、筋肉や関節の不調は、結腸がん治療後の患者の試験(Courneya 2025)で運動をした人の18.5%、比べた相手の11.5%に起き、腰痛へのヨガの研究(Wieland 2022)でも、ヨガをした人で増えていました。
自分で始める
お金をかけずに始めるなら、歩くことと、自宅での筋トレ・バランス運動が研究されています。歩数計を使った取り組みでは、増えた歩数が1〜2年で小さくなりました。ウォーキングの研究の多くは指導つきで、一人で同じ効果が出るとは限りません。
研究で分かっていること
- ふだんの歩数を測り、その後の死亡を追った15の研究をまとめると、1日の歩数が多い人ほど死亡のリスクが低くなっていました。60歳以上では1日6000〜8000歩、60歳未満では8000〜1万歩あたりから先は、歩数が増えても死亡のリスクはほとんど下がりませんでした。歩数と死亡の関係をみた研究で、歩いたことで死亡が減ったかどうかは確かめられていません。[1]
- 試験をまとめた研究では、高齢者が自宅で行う筋トレ・運動でも、筋力やバランスが少し改善しました。1回の時間で分けると、効果がみられたのは1回30分以下の区分だけでしたが、時間の区分どうしには、はっきりした差は出ませんでした。指導つきの方が効果はやや大きいという研究もあります。[1][2][3]
- 歩数計を使って歩数を増やす取り組みの試験をまとめると、始めてから4か月以内の時点で、1日の歩数が平均約1100歩増えました。この差は1年後には約460歩に小さくなり、2年後にははっきりした差がなく、3〜4年後には約430歩の差がありました。スマホアプリや活動量計は、単純な歩数計より効果が小さいという結果でした。[1]
- ウォーキングだけの試験をまとめた研究でも、上の血圧が平均約4mmHg下がっています。ただ、その試験の多くは指導つきでした。[1]
悩みごとにサプリと運動を並べたページ
ほかの運動の効果
- 筋トレ筋力と筋肉量が増える。血圧が高めの人では血圧も下がり、2型糖尿病の人では血糖値(HbA1c)も下がった
- ウォーキング・ジョギング血圧と体重が下がる。2型糖尿病の人の血糖値と、うつ病の人の症状も改善した
- ヨガストレスの強い人で、ストレスが短期的に軽くなった。不眠症の人の睡眠時間が増えた可能性がある
- ピラティス原因のはっきりしない慢性腰痛の痛みが軽くなった。肥満の人の体重と、うつ症状のある女性の症状も改善
- HIIT(高強度インターバル)2型糖尿病の人の血糖値(HbA1c)の下がり幅が大きかった
- 等尺性運動(壁スクワットなど)上の血圧の下がり幅が最も大きかった(試験は少数)
- 有酸素運動と筋トレの組み合わせ血圧と2型糖尿病の人の血糖値(HbA1c)が下がった
- 運動の格付け(全19項目)