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ピラティスは効果ない?
体幹を意識しながら、ゆっくりした動きで体を鍛える運動・論文8件から・2026-10-12 更新
結論
原因のはっきりしない慢性腰痛の痛みが軽くなった。肥満の人の体重と、うつ症状のある女性の症状も改善
- 高齢者の転倒の回数は、減ったという結果が出ていません。40歳を超える健康な人の睡眠の質も、はっきりした差は出ていません。
効果ごとの格付けと研究の結果
記号は運動全体での効果ごとの根拠の強さで、ピラティスだけの格付けではありません。
- A
慢性腰痛
運動の格付け:A(根拠あり)
原因のはっきりしない慢性腰痛で、痛みに中くらい〜臨床的に意味のある大きさの効果がみられました。この項目の研究は、医療者が計画した運動療法が中心です。2021年・ネットワークメタ分析
18〜65歳を対象にした別のネットワーク・メタ分析では、痛みと生活動作の両方で上位でした。2022年・ネットワークメタ分析
この格付けの根拠を見る → - A
体重・体脂肪
運動の格付け:A(根拠あり)
過体重・肥満の成人のRCT11件で、比べた群(ほかの運動か何もしない)より体重が2.40kg、体脂肪率が4.22ポイント減りました。ウエストには有意差がありませんでした。試験の多くは週3回・1回約60分で、10週を超える試験では3.30kg減り、10週以下の試験でははっきりした差が出ていません。2021年・メタ分析
この格付けの根拠を見る → - A
うつ症状(うつ病などの人)
運動の格付け:A(根拠あり)
うつ症状のある女性のRCT18件で、うつ症状(標準化平均差-0.73)と不安症状(-0.62)が軽くなりました。試験は6〜16週・週2〜3回・1回40〜70分です。この解析は、GRADEによる確実性の評価をしていません。2023年・メタ分析
この格付けの根拠を見る → 睡眠の質
運動全体の格付けはB(根拠は限定的)。ピラティスを調べた研究の結果は次のとおりです
RCT6件で、睡眠の質の点数(PSQI)が運動しない群より3.60点よくなりました。ただし試験の間のばらつきが非常に大きく、40歳を超える健康な人と閉経後の女性に限ると、有意差はありませんでした。2020年・メタ分析
この格付けの根拠を見る →血糖値(2型糖尿病の人)
運動全体の格付けはS(根拠が強い)。ピラティスを調べた研究の結果は次のとおりです
RCT15件で、全体ではHbA1cが対照より0.78ポイント下がりましたが、試験の間のばらつきが大きい結果でした。糖尿病の人で「薬だけ」と「薬とピラティス」を比べた試験では、HbA1cに有意差がありませんでした。糖尿病でない人では、血糖に有意差はありませんでした。2021年・メタ分析
この格付けの根拠を見る →血圧
運動全体の格付けはS(根拠が強い)。ピラティスを調べた研究の結果は次のとおりです
高血圧の人の試験11件(偶然で分けたRCTは4件、ほかは比較研究)で、比べた群より上の血圧が4.76mmHg、下が3.43mmHg下がりました。著者は、ほかの運動より優れるとは限らないとしています。2024年・メタ分析
この格付けの根拠を見る →転倒の予防(60歳以上)
運動全体の格付けはS(根拠が強い)。ピラティスを調べた研究の結果は次のとおりです
高齢者の39研究で、バランスの指標は対照よりよくなりました(確実性は非常に低〜中)。一方、転倒の回数と転倒への不安は、有意には減りませんでした。ほかの運動とは同程度でした。2024年・メタ分析
この格付けの根拠を見る →
運動の始め方
持病や、運動で悪くなるおそれのある痛みがある人は、始める前に医師などに相談し、軽い運動から少しずつ増やしてください。インスリンなどで治療中の人は低血糖に、血液をサラサラにする薬を使う人は転倒や打撲に気をつけてください。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の注意です(出典: mhlw.go.jp)。
運動の試験で報告された有害事象
転倒予防の試験(Sherrington 2019)では、不調の多くは筋肉痛などの軽いものでした。一方で、筋肉や関節の不調は、結腸がん治療後の患者の試験(Courneya 2025)で運動をした人の18.5%、比べた相手の11.5%に起き、腰痛へのヨガの研究(Wieland 2022)でも、ヨガをした人で増えていました。
自分で始める
お金をかけずに始めるなら、歩くことと、自宅での筋トレ・バランス運動が研究されています。歩数計を使った取り組みでは、増えた歩数が1〜2年で小さくなりました。ウォーキングの研究の多くは指導つきで、一人で同じ効果が出るとは限りません。
研究で分かっていること
- ふだんの歩数を測り、その後の死亡を追った15の研究をまとめると、1日の歩数が多い人ほど死亡のリスクが低くなっていました。60歳以上では1日6000〜8000歩、60歳未満では8000〜1万歩あたりから先は、歩数が増えても死亡のリスクはほとんど下がりませんでした。歩数と死亡の関係をみた研究で、歩いたことで死亡が減ったかどうかは確かめられていません。[1]
- 試験をまとめた研究では、高齢者が自宅で行う筋トレ・運動でも、筋力やバランスが少し改善しました。1回の時間で分けると、効果がみられたのは1回30分以下の区分だけでしたが、時間の区分どうしには、はっきりした差は出ませんでした。指導つきの方が効果はやや大きいという研究もあります。[1][2][3]
- 歩数計を使って歩数を増やす取り組みの試験をまとめると、始めてから4か月以内の時点で、1日の歩数が平均約1100歩増えました。この差は1年後には約460歩に小さくなり、2年後にははっきりした差がなく、3〜4年後には約430歩の差がありました。スマホアプリや活動量計は、単純な歩数計より効果が小さいという結果でした。[1]
- ウォーキングだけの試験をまとめた研究でも、上の血圧が平均約4mmHg下がっています。ただ、その試験の多くは指導つきでした。[1]
一人で続けにくい人向けのサービスPR
格付けしたのは運動そのものの効果で、ここに載せたサービスの成果ではありません。
自宅でオンライン
SOELU(ソエル)
スマートフォンやパソコンで、インストラクターのオンラインレッスンを自宅で受けるフィットネスサービスです。
- 始め方
- 12ヶ月コースの最初の1ヶ月が100円(期間中に解約しないと、そのまま有料のコースが続きます)
- 初期費用
- 入会金の記載なし
- 料金
- 月3,278円〜(ライト・12ヶ月コース。12ヶ月未満でやめると違約金)。1ヶ月コースは月4,378円
料金は税込みで、2026年10月4日に各社の公式サイトで確かめたものです。
悩みごとにサプリと運動を並べたページ
ほかの運動の効果
- 筋トレ筋力と筋肉量が増える。血圧が高めの人では血圧も下がり、2型糖尿病の人では血糖値(HbA1c)も下がった
- ウォーキング・ジョギング血圧と体重が下がる。2型糖尿病の人の血糖値と、うつ病の人の症状も改善した
- ヨガストレスの強い人で、ストレスが短期的に軽くなった。不眠症の人の睡眠時間が増えた可能性がある
- HIIT(高強度インターバル)2型糖尿病の人の血糖値(HbA1c)の下がり幅が大きかった
- 等尺性運動(壁スクワットなど)上の血圧の下がり幅が最も大きかった(試験は少数)
- 有酸素運動と筋トレの組み合わせ血圧と2型糖尿病の人の血糖値(HbA1c)が下がった
- バランス運動・太極拳60歳以上で転倒が減った
- 運動の格付け(全19項目)