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えびらぼ

乳酸菌・ビフィズス菌に効果はある?

乳酸菌・ビフィズス菌(プロバイオティクス)(プロバイオティクス、乳酸菌、ビフィズス菌、ラクトバチルス、ビフィドバクテリウム)論文25本で格付け2026-10-04 更新

結論

抗菌薬による下痢は減りますが、便秘やかぜへの効果はまだはっきりしません。

  • 子どもでは、抗菌薬による下痢が19%から8%に減った
  • 65歳以上の入院患者では、はっきりした差が出なかった
  • 子どもの便秘に使うことを勧める根拠はない

効くと言われていること

論文では

S〜D の決め方は格付けの決め方

飲む前に:公的機関の注意があります

代わりにできること

眠りの質が、運動で良くなるという結果も

運動の格付け:B(根拠は限定的)

対象:成人・高齢者(不眠症や睡眠に悩みのある人を含む)

運動をすると、運動しない人などより、自分で感じる睡眠の質がよくなったという結果が多く出ていますが、まだはっきりしません。睡眠計などで測った睡眠では、改善した指標もありますが、結果は一致していません。

運動の格付けを見る

飲む前に知っておくこと

重い病気がある人や、免疫の働きが弱っている人ほど、感染などのリスクが大きくなります。早産児や重い病気で入院している人では、使うかどうかを慎重に考えるべきとされています。厚生労働省の情報サイト(eJIM)が、米国の公的機関(NCCIH)の情報を訳して、こうした注意を載せています(出典: ejim.mhlw.go.jp)。HFNet(医薬基盤・健康・栄養研究所)には、持病のある乳児が敗血症になった海外の例が載っています(出典: hfnet.nibn.go.jp)。

機能性表示食品として売られているとき

乳酸菌・ビフィズス菌(菌株ごと)を機能性関与成分とする機能性表示食品の届出があります(2026年10月3日時点)。国が1つずつ審査した食品ではなく、届出の根拠はこのページの格付けとは別のものです。表示を見るときに確かめること
国の審査
機能性表示食品は、事業者が科学的根拠などを消費者庁に届け出て、機能を表示する食品です。国が1つずつ審査した食品ではありません。パッケージには「本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません。届け出られた科学的根拠等の情報は消費者庁のウェブサイトで確認できます。」と書くことが決められています。
届出番号
パッケージの「届出番号」を消費者庁の届出データベースに入れると、届け出た事業者が書いた、安全性と機能性の根拠の要約を見られます。
「報告されています」
消費者庁の手引きは、根拠がその商品(最終製品)を使った臨床試験か、論文を集めて評価した研究レビューかが分かる表現にするよう求めています。研究レビューが根拠のときは、商品についてのレビューでも成分についてのレビューでも「報告されている」ことが分かる表現にし、例として「〜の機能があることが報告されています」を挙げています。最終製品を使った臨床試験で根拠を説明するときの例は「〜の機能があります」です。成分についての研究レビューが根拠のときは、その商品自体に機能があるという根拠ではないことが分かる表現にするとしています。
量
パッケージには、1日あたりの摂取目安量と、その量に含まれる機能性関与成分の量が書かれています。このページの試験で使われた量と比べてください。
  • 便秘・便通(大人):乳酸菌・ビフィズス菌を数週間(多くは2〜8週間)
  • 便秘・便通(子ども):乳酸菌・ビフィズス菌(単独または下剤に追加)
  • 抗菌薬に伴う下痢の予防:抗菌薬の開始時から乳酸菌・ビフィズス菌などを併用(多くは1日50億個以上)
  • 抗菌薬に伴う下痢の予防(高齢者):乳酸菌・ビフィズス菌の複数菌株製剤を抗菌薬と併用
  • 風邪など上気道感染症:乳酸菌・ビフィズス菌を数週間〜3か月以上
  • 睡眠・ストレス(特定の株):特定の乳酸菌株(生菌または加熱殺菌菌体)を数週間
薬
薬を飲んでいる人は、医師か薬剤師に相談してから使ってください。パッケージにも、この注意を書くことが決められています。
この欄の出典

よくある質問

生きたまま腸に届かないと意味がない? 菌の種類で違う?

生きた菌でないと効かないかどうかは、このページの格付けからは分かりません。睡眠の質の格付けに使った解析の1つは、生きた菌を使った試験と、生きていない菌や菌の成分を使った試験を合わせてまとめたものです。

菌の種類・菌株ごとの結果は、解析によって一致していません。大人の便秘では、同じビフィズス菌の一種(B. lactis)でも、効果があったとする解析と、はっきりした差が出なかった解析があります。ある菌株で出た結果を、別の菌株や商品に当てはめることはできません。

薬を飲んでいる人は、飲み始める前に医師か薬剤師に相談してください。

やめてもいい?

根拠があるのは次の効果です。この目的で飲んでいて、対象に当てはまるなら、続ける理由があります。

  • 抗菌薬に伴う下痢の予防はA(根拠あり)。対象は抗菌薬を使う子どもと65歳未満の大人(入院・外来)

便秘・便通(大人)、便秘・便通(子ども)、抗菌薬に伴う下痢の予防(高齢者)、風邪など上気道感染症、睡眠・ストレス(特定の株)を目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはB・C・B・B・B)。

ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。続ける場合は、このページの「飲む前に知っておくこと」(公的機関の注意情報)を先に読んでください。

飲んで効いた気がするのはなぜ?

成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。

形や量が違えば効く?

格付けは、試験で使われた形と量での結果です。

  • 便秘・便通(大人):乳酸菌・ビフィズス菌を数週間(多くは2〜8週間)
  • 便秘・便通(子ども):乳酸菌・ビフィズス菌(単独または下剤に追加)
  • 抗菌薬に伴う下痢の予防:抗菌薬の開始時から乳酸菌・ビフィズス菌などを併用(多くは1日50億個以上)
  • 抗菌薬に伴う下痢の予防(高齢者):乳酸菌・ビフィズス菌の複数菌株製剤を抗菌薬と併用
  • 風邪など上気道感染症:乳酸菌・ビフィズス菌を数週間〜3か月以上
  • 睡眠・ストレス(特定の株):特定の乳酸菌株(生菌または加熱殺菌菌体)を数週間

これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。

効いたという論文もあるのでは?

1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは25件の論文を読み、そのうち24件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。

効果ごとの論文の中身

B

便秘がよくなる?(大人)

Bランク・根拠は限定的対象:慢性・機能性の便秘がある成人(高齢者を含む)

便秘の大人がとると、便の回数が週に1回ほど増えたという結果はありますが、まだはっきりしません。菌の種類ごとの結果は、解析によって一致していません。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文5本・ほかの成分と運動

効果の大きさ

15試験をまとめた解析では、排便回数が週に約1回増えました。菌とオリゴ糖などの組み合わせも含む17試験の解析でも、同じくらい増えました(確実性は低い)。便秘が改善したと判定された人は、菌をとった人で57%、対照群で44%でした。便の硬さへの効果は、解析によって結果が一致しませんでした。

試験の内容
乳酸菌・ビフィズス菌を数週間(多くは2〜8週間)
確実性(中心にした解析の著者による評価)
低い
根拠にした論文
メタ分析 5本

注意点

  • 菌株:菌種・菌株ごとの結果は、解析によって一致していません。ビフィズス菌の一種(B. lactis)では、効果があったとする解析[4]と、有意差(偶然では説明しにくい差)が出なかった解析[3]があります。乳酸菌飲料に使われる特定の株では、有意差が出なかった解析もあります。
  • 高齢者:高齢者の6試験をまとめた解析[5]でも、確実性は非常に低いとされています。
  • 期間:試験の多くは数週間と短期間です。

格付けの理由

30件のRCT(くじ引きでグループを分けて比べた試験)をまとめた解析[1]では、排便回数(効果量(差の大きさをそろえた数字)0.71)と改善率に差がありました。ただし、試験間のばらつきと偏りが大きいものでした。17試験をまとめた解析[2]も、確実性を低〜非常に低いとしています。菌種・菌株別では有意差が出たものと出なかったものがあり、解析によって一致しないため、B(根拠は限定的)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    メタ分析・van der Schoot(2022年)・Clinical Nutrition・30研究

    慢性便秘の成人を対象にした乳酸菌・ビフィズス菌のRCT30件。改善した人は57%対44%(リスク比1.28)、排便回数も増えた(効果量0.71)。菌種別ではB. lactisで有意、混合製剤や一部の株では有意差なし。便の硬さは有意差なし。ばらつきと偏りが大きい。

    Probiotics and synbiotics in chronic constipation in adults: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials doi:10.1016/j.clnu.2022.10.015

  2. 2.

    メタ分析・Ding(2024年)・BMJ Open・17研究・1,256人

    機能性便秘の成人1256人の、菌を含む製品(オリゴ糖などとの組み合わせを含む)のプラセボ対照RCT17件。排便回数が増えた(平均差0.93、低い確実性)。組み合わせ製品の方が排便回数への効果が大きかった。

    Efficacy in bowel movement and change of gut microbiota on adult functional constipation patients treated with probiotics-containing products: a systematic review and meta-analysis doi:10.1136/bmjopen-2023-074557

  3. 3.

    メタ分析・Zhang(2020年)・Clinical Nutrition・15研究

    機能性便秘の成人のRCT15件。腸を通る時間が13.75時間短くなり、排便回数は週0.98回増えた。複数菌種の製剤では有意だったが、B. lactisやB. longum単独では有意差なし。

    Meta-analysis of randomized controlled trials of the effects of probiotics on functional constipation in adults doi:10.1016/j.clnu.2020.01.005

  4. 4.

    メタ分析・Dimidi(2014年)・The American Journal of Clinical Nutrition・14研究・1,182人

    機能性便秘の成人1182人のRCT14件。排便回数が週1.3回増え、腸を通る時間は12.4時間短縮。B. lactisでは有意、L. casei シロタ株では有意差なし。ばらつきと偏りが大きい。

    The effect of probiotics on functional constipation in adults: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials doi:10.3945/ajcn.114.089151

  5. 5.

    メタ分析・Deng(2023年)・The Journal of nutrition, health and aging・6研究・444人

    便秘の高齢者444人のRCT6件。排便回数(平均差1.02)と症状は改善したが、確実性は非常に低い。有害事象に有意差なし。

    Efficacy and Safety of Probiotics in Geriatric Patients with Constipation: Systematic Review and Meta-Analysis doi:10.1007/s12603-023-2028-4

C

便秘がよくなる?(子ども)

Cランク・根拠が乏しい対象:機能性便秘の子ども(0〜18歳)

子どもの便秘では、治療がうまくいった割合に、菌の入っていないものとのはっきりした差は出ていません。複数の研究が、使うことを勧める根拠はないと結論しています。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文4本

効果の大きさ

治療がうまくいった割合は、プラセボ(成分の入っていないもの)と差がないかもしれないとされています[1]。リスク比は1.29(95%信頼区間(結果のぶれの幅)0.73〜2.26)で、確実性は低いという評価です。下剤に上乗せしても、排便回数にはっきりした差は出ませんでした。

試験の内容
乳酸菌・ビフィズス菌(単独または下剤に追加)
確実性(中心にした解析の著者による評価)
低い
根拠にした論文
コクラン・レビュー 1本・メタ分析 1本・ネットワークメタ分析 2本

注意点

  • 排便回数:17試験をまとめた解析[2]では、プラセボと比べて排便回数がわずかに増えました(効果量(差の大きさをそろえた数字)0.40)。便失禁も改善しましたが、治療成功・排便時の痛み・腹痛では、はっきりした差は出ませんでした。
  • 菌株・量・期間:試験ごとに菌株・量・期間が異なり、特定の株についての結論は出ていません。
  • 下剤:子どもの便秘の治療は、下剤が第一とされています[3]。

格付けの理由

コクラン・レビュー(国際的な非営利団体コクランが決まった手順で作るまとめ)[1](14試験)は、効果の有無を判断する根拠が不十分としています。17試験をまとめた解析[2]も、治療成功に有意な改善がなく、使用を勧めないと結論しています。ネットワークメタ分析(3つ以上の方法を同時に比べたまとめ)2件[3][4]でも、菌だけを使った場合の排便回数に有意差(偶然では説明しにくい差)はありませんでした。『効かない』と言えるほどの精度はないため、C(根拠が乏しい)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    コクラン・レビュー・Wallace(2022年)・Cochrane Database of Systematic Reviews・14研究・1,127人

    コクランレビュー(14試験・1127人)。プラセボと比べ治療成功に差がないかもしれない(リスク比1.29、低い確実性)。下剤への上乗せでも排便回数は変わらないかもしれない。有効性を結論づける根拠は不十分。

    Probiotics for treatment of chronic constipation in children doi:10.1002/14651858.cd014257.pub2

  2. 2.

    メタ分析・Liu(2023年)・Clinical Nutrition・17研究・1,504人

    機能性便秘の子ども1504人のRCT17件。プラセボより排便回数(効果量0.40)と便失禁は改善したが、治療成功・排便時痛・腹痛は有意差なし。下剤への上乗せでも有意な効果なし。著者は使用を勧める根拠はないと結論。

    Efficacy and safety of probiotics and synbiotics for functional constipation in children: A systematic review and meta-analysis of randomized clinical trials doi:10.1016/j.clnu.2023.08.015

  3. 3.

    ネットワークメタ分析・Harris(2025年)・Nutrition Reviews・41研究

    子どもの機能性便秘の維持療法のネットワークメタ分析(排便回数41試験)。乳酸菌類はプラセボやどの薬と比べても排便回数を有意に増やさなかった。確実性は非常に低い〜中程度。

    Efficacy of Probiotics Compared With Pharmacological Treatments for Maintenance Therapy for Functional Constipation in Children: A Systematic Review and Network Meta-analysis doi:10.1093/nutrit/nuae119

  4. 4.

    ネットワークメタ分析・Liang(2026年)・Probiotics and Antimicrobial Proteins・15研究・1,087人

    子ども1087人のRCT15件のネットワークメタ分析。乳酸菌類・オリゴ糖類・その組み合わせのいずれも、プラセボと比べ週の排便回数に有意差なし(確実性は低い〜非常に低い)。

    Efficacy and Safety of Probiotics, Prebiotics and Synbiotics for the Treatment of Functional Constipation in Children: Systematic Review and Network Meta-analysis doi:10.1007/s12602-026-10955-6

A

抗菌薬に伴う下痢を防ぐ?

Aランク・根拠あり対象:抗菌薬を使う子どもと65歳未満の大人(入院・外来)

子どもや大人が抗菌薬と一緒にとると、抗菌薬による下痢が減ることが示されています。子どもでは下痢になる人が19%から8%に減り、子どもでも大人でも、量が多いほうが効果が高くなりました。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文4本

効果の大きさ

子どもでは、下痢が起きた割合が19%から8%に減りました。9人がとるごとに1人の下痢を防げる計算です(中程度の確実性)。大人では、42試験をまとめると下痢が起きるリスクが約37%下がりました(中程度の確実性)。

試験の内容
抗菌薬の開始時から乳酸菌・ビフィズス菌などを併用(多くは1日50億個以上)
確実性(中心にした解析の著者による評価)
中程度
根拠にした論文
コクラン・レビュー 2本・メタ分析 2本

注意点

  • 菌の種類:まとめた試験には、乳酸菌・ビフィズス菌以外の菌(酵母のサッカロマイセス・ブラウディ、バチルス菌など)も含まれています。大人では、主に乳酸菌・ビフィズス菌の一部の種で効果がみられました[2]。
  • 量:大人では、同じ菌の多い量と少ない量を比べると、多い量の方が効果が高くなりました[2]。
  • 下痢の起きにくい状況:もともと下痢の起きにくい状況では、はっきりした差は出ませんでした[2]。
  • 高齢者:65歳以上の入院患者の大規模な試験では、下痢にはっきりした差は出ませんでした(別の項目で扱っています)。
  • 資金:2025年のコクラン・レビュー(国際的な非営利団体コクランが決まった手順で作るまとめ)[3]は、試験の多くに企業との関係があると指摘しています。
  • 比べた相手:プラセボ(成分の入っていないもの)のほか、何もとらない場合や別の予防法と比べた試験も含まれます[1]。

格付けの理由

子どものコクラン・レビュー[1](33試験・6352人)では、リスク比0.45でした。大人の解析[2](42試験・11305人)ではリスク比0.63で、どちらも確実性は中程度でした。2025年のコクラン・レビュー[3]でも、下痢は減るかもしれないとされました(確実性は低い)。効果の大きさは十分ですが、菌株・量によって効果が変わるため、A(根拠あり)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    コクラン・レビュー・Guo(2019年)・Cochrane Database of Systematic Reviews・33研究・6,352人

    抗菌薬を使う子どもの33試験(6352人)のコクランレビュー。下痢の発生は8%対19%(リスク比0.45、9人に1人の割合で予防、中程度の確実性)。1日50億個以上の高用量でより効果的。重い副作用はなかった。

    Probiotics for the prevention of pediatric antibiotic-associated diarrhea doi:10.1002/14651858.cd004827.pub5

  2. 2.

    メタ分析・Goodman(2021年)・BMJ Open・42研究・11,305人

    大人1万1305人のRCT42件。抗菌薬と併用すると下痢のリスクが37%低下(リスク比0.63、GRADE中程度)。高用量ほど効果が高く、効果があったのは主に乳酸菌・ビフィズス菌の一部の種。もともと下痢の少ない状況では有意差なし。

    Probiotics for the prevention of antibiotic-associated diarrhoea: a systematic review and meta-analysis doi:10.1136/bmjopen-2020-043054

  3. 3.

    コクラン・レビュー・Esmaeilinezhad(2025年)・Cochrane Database of Systematic Reviews・40研究・13,419人

    コクランレビュー2025年版(下痢の解析は40試験・1万3419人、子どもと大人)。抗菌薬に伴う下痢は23%対27.4%に減るかもしれない(リスク比0.67、低い確実性)。28試験に企業との関係・資金があった。

    Probiotics for the prevention of Clostridioides difficile-associated diarrhea in adults and children doi:10.1002/14651858.cd006095.pub5

  4. 4.

    メタ分析・Liao(2021年)・Journal of Clinical Gastroenterology・36研究・9,312人

    大人9312人のプラセボ対照RCT36件。下痢の発生が38%減った(リスク比0.62)。有害事象は増えなかった。

    Probiotics for the Prevention of Antibiotic-associated Diarrhea in Adults doi:10.1097/mcg.0000000000001464

B

抗菌薬に伴う下痢を防ぐ?(高齢者)

Bランク・根拠は限定的対象:抗菌薬を使う65歳以上の高齢者(主に入院患者)

65歳以上の入院患者が抗菌薬と一緒にとっても、下痢にはっきりした差は出ませんでした。抗菌薬を始めてから2日以内にとり始めた試験に限ると、下痢が少なかったとする解析もあります。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文3本

効果の大きさ

約3000人の試験では、下痢が起きた人は、菌をとった人で10.8%、プラセボ(成分の入っていないもの)の人で10.4%とほぼ同じでした。高齢者の試験をまとめた解析[2]でも、下痢を減らす効果は確認されなかった(リスク比0.94)という結果があります。

試験の内容
乳酸菌・ビフィズス菌の複数菌株製剤を抗菌薬と併用
根拠にした論文
ランダム化比較試験 1本・メタ分析 2本

注意点

  • 結果の精度:約3000人の試験の95%信頼区間(結果のぶれの幅)は0.84〜1.28です。効果がないことを精度よく示したとまでは言えず、小さな効果がある可能性は残ります。
  • 飲み始める時期:早く始めた場合に効果があったとする解析[3]は、大規模な2試験を除いたサブグループ解析です。事後的に分けた可能性があります。
  • 菌株:約3000人の試験(PLACIDE)[1]は1種類の製剤だけを調べた試験で、他の菌株については結論できません。

格付けの理由

企業から独立した多施設RCT(PLACIDE[1]、2941人を解析)では、下痢に有意差(偶然では説明しにくい差)はありませんでした。リスク比は1.04(95%CI 0.84〜1.28)でした。高齢者の統合[2]でも同様でした(95%CI 0.76〜1.15)。早期に始めれば有効とする解析[3]は、大規模試験を除いた事後解析のため、根拠としては弱いものです。信頼区間は小さな効果を否定しきれないため、D(効かないという根拠)にはせず、B(根拠は限定的)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    ランダム化比較試験・Allen(2013年)・The Lancet・2,981人

    抗菌薬を使う65歳以上の入院患者2981人の多施設二重盲検RCT(公的資金)。乳酸菌・ビフィズス菌の複数菌株製剤を21日間とっても、下痢(10.8%対10.4%)もC. difficile下痢も減らなかった。

    Lactobacilli and bifidobacteria in the prevention of antibiotic-associated diarrhoea and Clostridium difficile diarrhoea in older inpatients (PLACIDE): a randomised, double-blind, placebo-controlled, multicentre trial doi:10.1016/s0140-6736(13)61218-0

  2. 2.

    メタ分析・Jafarnejad(2016年)・Nutrition in Clinical Practice・30研究

    RCT30件の統合。18〜64歳では下痢が減った(リスク比0.47)が、高齢者では有意な効果がなかった(リスク比0.94、95%CI 0.76〜1.15)。

    Probiotics Reduce the Risk of Antibiotic‐Associated Diarrhea in Adults (18–64 Years) but Not the Elderly (>65 Years) doi:10.1177/0884533616639399

  3. 3.

    メタ分析・Zhang(2022年)・BMC Geriatrics・8研究・4,691人

    65歳超の4691人のRCT8件。抗菌薬開始から48時間以降に始めて効果のなかった大規模2試験を除き、2日以内に始めた6試験に限ると下痢が少なかった。

    Early use of probiotics might prevent antibiotic-associated diarrhea in elderly (>65 years): a systematic review and meta-analysis doi:10.1186/s12877-022-03257-3

B

風邪など上気道感染症に効く?

Bランク・根拠は限定的対象:子ども・大人・高齢者(地域・施設・学校など)

かぜなど鼻やのどの感染症にかかる人がやや減り、かかった期間も1日ほど短くなったという結果はありますが、まだはっきりしません。運動習慣のある大人では、はっきりした差が出なかったという解析もあります。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文4本・ほかの成分と運動

効果の大きさ

プラセボ(成分の入っていないもの)や何もしない場合と比べて、1回以上かかる人が約24%減り(リスク比0.76)、1回の期間は平均1.2日短くなるかもしれないとされています(いずれも低い確実性)。18〜65歳の大人を対象にした別の解析[2]では、呼吸器感染症(上気道以外も含む)にかかる人の減少は約9%でした。

試験の内容
乳酸菌・ビフィズス菌を数週間〜3か月以上
確実性(中心にした解析の著者による評価)
低い
根拠にした論文
コクラン・レビュー 1本・メタ分析 2本・系統的レビュー 1本

注意点

  • 菌株・量・期間:使われた菌株・量・期間は、試験ごとに異なります。
  • ほかの結果:3回以上かかる人の減少と抗菌薬の使用の減少は、中程度の確実性とされています[1]。
  • 運動習慣のある人:運動習慣のある人では、はっきりした効果は確認されませんでした[2]。
  • 高齢者:高齢者では、株によって結果が一致していません[4]。
  • 治療:これらは予防を調べた研究で、治療薬の代わりにはなりません。

格付けの理由

コクラン・レビュー(国際的な非営利団体コクランが決まった手順で作るまとめ)[1](23試験・6950人)では、かかった人の数と期間に差がありましたが、確実性は低いものでした。18〜65歳の大人を対象にした解析[2](42報)では、呼吸器感染症への効果は小さいものでした(リスク比0.91)。効果の方向は一貫していますが、確実性が低いため、B(根拠は限定的)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    コクラン・レビュー・Zhao(2022年)・Cochrane Database of Systematic Reviews・23研究・6,950人

    コクランレビュー(23試験・6950人)。1回以上かかる人が減るかもしれない(リスク比0.76、低い確実性)。3回以上かかる人と抗菌薬の使用はおそらく減る(中程度)。期間は1.22日短くなるかもしれない(低い)。副作用は増えない。

    Probiotics for preventing acute upper respiratory tract infections doi:10.1002/14651858.cd006895.pub4

  2. 2.

    メタ分析・Coleman(2022年)・Advances in Nutrition・42研究・9,179人

    18〜65歳の大人9179人の42報。呼吸器感染症にかかるリスクがわずかに低下(リスク比0.91)し、病気の日数・期間・重さも小さく減った。運動習慣のある集団では有意な効果なし。

    Orally Ingested Probiotics, Prebiotics, and Synbiotics as Countermeasures for Respiratory Tract Infections in Nonelderly Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis doi:10.1093/advances/nmac086

  3. 3.

    メタ分析・Li(2020年)・Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine・6研究・1,551人

    大人1551人のRCT6件。上気道感染症の発生が減り(リスク比0.77)、1回の期間も短くなった(ばらつき大)。著者は質の低い根拠と評価。

    Probiotics for Preventing Upper Respiratory Tract Infections in Adults: A Systematic Review and Meta‐Analysis of Randomized Controlled Trials doi:10.1155/2020/8734140

  4. 4.

    系統的レビュー・Strauss(2021年)・Healthcare・8研究

    60歳以上を対象にした単一菌株のプラセボ対照RCT8件の系統的レビュー。一部の株では上気道感染症が減ったが、すべての株・試験で有意だったわけではない。

    Probiotics for the Prevention of Acute Respiratory-Tract Infections in Older People: Systematic Review doi:10.3390/healthcare9060690

B

睡眠・ストレス(特定の株)に効く?

Bランク・根拠は限定的対象:健康な成人(軽いストレスや睡眠の悩みがある人を含む)

睡眠の質を自分で答える質問票で、点数がわずかに良くなったという結果はありますが、差は小さく、眠りがよくなるかどうかは分かっていません。機器で測った寝つきなどでは、はっきりした差が出なかった解析もあります。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文5本・ほかの成分と運動

効果の大きさ

39試験をまとめると、睡眠の質の質問票(0〜21点、低いほど良い)の点数は平均0.7点ほど改善しました(非常に低い確実性)。健康な働く成人の、ストレスや気分の軽い症状への効果は、「ごくわずか〜小さい」程度でした。

試験の内容
特定の乳酸菌株(生菌または加熱殺菌菌体)を数週間
確実性(中心にした解析の著者による評価)
非常に低い
根拠にした論文
メタ分析 5本

注意点

  • 菌株:効果は菌株ごとに違い、ある株の結果を別の株や商品に当てはめることはできません。
  • 機器での測定:機器で測った睡眠の効率と寝つきでは、有意差(偶然では説明しにくい差)が出なかったとする解析もあります[5]。
  • ストレス:ストレスの解析は研究数が少なく、サブグループでは有意差がありませんでした[4]。
  • 治療:不眠症やうつ病の治療の代わりにはなりません。
  • 資金:特定の株の研究は、主にその株を扱う企業の資金によるものです。

格付けの理由

39試験の解析[1]では、睡眠の質(PSQI)が0.71点改善しました。ただし確実性は非常に低く、臨床的な意味は不明とされました。軽度〜中等度のストレスがある成人が中心の、特定の株(L. gasseri CP2305)の6試験をまとめた解析[2]でも、改善は0.77点でした。働く健康な成人の12研究[3]では、ストレス等の症状に小さな効果がみられました(効果量(差の大きさをそろえた数字)-0.21)。効果が小さく、確実性も非常に低いため、B(根拠は限定的)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    メタ分析・Zhu(2026年)・Frontiers in Psychiatry・39研究・4,094人

    RCT39件(4094人)。睡眠の質の点数(PSQI)が0.71点改善(非常に低い確実性)。不眠の重さは全体では改善せず、客観的な睡眠時間は約14分増。著者は効果は小さく臨床的な意味は不明とした。

    Effects of probiotic supplementation on subjective and objective sleep outcomes: an updated systematic review and meta-analysis of 39 randomized controlled trials doi:10.3389/fpsyt.2026.1769331

  2. 2.

    メタ分析・Chu(2023年)・Clinical Nutrition・6研究

    L. gasseri CP2305株の7試験(統合は6試験)の系統的レビュー。軽度〜中等度のストレスがある成人が中心で、PSQIが対照より0.77点改善。

    Daily consumption of Lactobacillus gasseri CP2305 improves quality of sleep in adults – A systematic literature review and meta-analysis doi:10.1016/j.clnu.2023.06.019

  3. 3.

    メタ分析・Ben Fredj(2026年)・BMC Psychology・12研究・3,350人

    働く健康な成人3350人のRCT12件。うつ・不安・ストレスの軽い症状に小さな効果(効果量-0.21)、コルチゾールも低下。睡眠の質は根拠不足で結論できず。

    Probiotic intake and mental health in healthy working adults: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials doi:10.1186/s40359-025-03885-5

  4. 4.

    メタ分析・Zhang(2020年)・Brain and Behavior・7研究・1,146人

    健康な人1146人のRCT7件。主観的なストレスは全体では下がったが、サブグループ解析では有意差なし。コルチゾールには有意な効果なし。

    Efficacy of probiotics on stress in healthy volunteers: A systematic review and meta‐analysis based on randomized controlled trials doi:10.1002/brb3.1699

  5. 5.

    メタ分析・Irwin(2020年)・European Journal of Clinical Nutrition・14研究

    成人を対象にした14研究(20試験)。PSQIは0.78点改善したが、他の睡眠の質問票や、機器で測った睡眠効率・寝つきには有意な効果なし。

    Effects of probiotics and paraprobiotics on subjective and objective sleep metrics: a systematic review and meta-analysis doi:10.1038/s41430-020-0656-x

このページについて

サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。

このページの言葉
プラセボ
見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
ランダム化比較試験(RCT)
参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
メタ分析・統合
同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算し直した研究。1つの試験より、偶然に左右されにくくなります。
系統的レビュー
決めた手順で、関係する研究をもれなく集めて評価した研究。メタ分析を含むことが多いです。
コクラン・レビュー
国際的な非営利の団体コクランが、決まった手順で作る系統的レビュー。利害関係のある企業からの資金は受けない決まりで作られます。
ネットワークメタ分析
3つ以上の方法を、直接比べていない組み合わせも含めて同時に比べるメタ分析。
効果量
測り方の違う試験どうしでも比べられるように、差の大きさをそろえた数字(このサイトでは主に、平均の差を標準化したもの)。マイナスの符号は減った向きを表し、符号を除いた大きさが 0.2 前後で「小さい」、0.5 前後で「中くらい」、0.8 以上で「大きい」が目安です。
確実性
結果がどのくらい確かかについて、解析した研究者が付けた評価(高・中・低・非常に低)。低いほど、今後の研究で結果が変わる可能性が高いことを表します。
有意差
偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。
95%信頼区間(95%CI)
結果の数字のぶれの幅。本当の値がおそらく入っている範囲の目安です。差の範囲が 0(比の場合は 1)をまたぐときは、差がない可能性を否定できません。
リスク比(相対リスク)・率比
起きた人の割合を2つのグループで比べた比。率比は、観察した人数と期間をそろえた起きる頻度(たとえば100人が1年あたりに起こす回数)の比。どちらも 1 なら差がなく、0.8 なら2割少ないことを表します。
GRADE
結果がどのくらい確かかを、研究の質やばらつきから「高・中・低・非常に低」で評価する国際的な方法。
eJIM
厚生労働省の「『統合医療』に係る情報発信等推進事業」のサイト。サプリなどについて、海外の公的機関の情報を翻訳して載せています。

運動の効果も同じ基準で格付けしています

運動は19項目中4項目がSでした

掲載した項目の内訳Sの割合
サプリ119項目
3%
運動19項目
21%

S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。

運動のTier表を見る

ほかの成分の格付け(Tier表)