アスタキサンチンに効果はある?
アスタキサンチン(ヘマトコッカス藻色素)論文10本で格付け2026-10-04 更新
結論
目の疲れにも肌にも、効くかどうかはまだはっきりしません。
- 大人で見え方に差が出たのは、40歳以上の人だけ
- 肌の水分と弾力は良くなった結果があるが、シワにははっきりした差は出なかった
- ワルファリンなどの薬を飲んでいる人や子どもは注意
効くと言われていること
論文ではS〜D の決め方は格付けの決め方
飲む前に:公的機関の注意があります飲む前に知っておくこと
子どもや、薬を飲んでいる人は、飲む前に医師・薬剤師に相談してください。欧州食品安全機関(EFSA)は2020年に、サプリで1日8mgとると、食事の分と合わせて、大人では安全な量ですが、14〜18歳未満では許容される1日の量に達し、10〜14歳未満では28%上回ると評価しました(出典: doi.org)。HFNetには、ワルファリンなど複数の薬を飲んでいる人が多い量をとった翌日に、皮膚の下の出血と、血液が固まりにくくなったことを示す検査値の上昇が起きた海外の症例報告があります(出典: hfnet.nibn.go.jp)。
機能性表示食品として売られているとき
アスタキサンチンを機能性関与成分とする機能性表示食品の届出があります(2026年10月3日時点)。国が1つずつ審査した食品ではなく、届出の根拠はこのページの格付けとは別のものです。表示を見るときに確かめること
機能性表示食品として売られているとき
アスタキサンチンを機能性関与成分とする機能性表示食品の届出があります(2026年10月3日時点)。国が1つずつ審査した食品ではなく、届出の根拠はこのページの格付けとは別のものです。表示を見るときに確かめること- 国の審査
- 機能性表示食品は、事業者が科学的根拠などを消費者庁に届け出て、機能を表示する食品です。国が1つずつ審査した食品ではありません。パッケージには「本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません。届け出られた科学的根拠等の情報は消費者庁のウェブサイトで確認できます。」と書くことが決められています。
- 届出番号
- パッケージの「届出番号」を消費者庁の届出データベースに入れると、届け出た事業者が書いた、安全性と機能性の根拠の要約を見られます。
- 「報告されています」
- 消費者庁の手引きは、根拠がその商品(最終製品)を使った臨床試験か、論文を集めて評価した研究レビューかが分かる表現にするよう求めています。研究レビューが根拠のときは、商品についてのレビューでも成分についてのレビューでも「報告されている」ことが分かる表現にし、例として「〜の機能があることが報告されています」を挙げています。最終製品を使った臨床試験で根拠を説明するときの例は「〜の機能があります」です。成分についての研究レビューが根拠のときは、その商品自体に機能があるという根拠ではないことが分かる表現にするとしています。
- 量
- パッケージには、1日あたりの摂取目安量と、その量に含まれる機能性関与成分の量が書かれています。このページの試験で使われた量と比べてください。
- 目の疲れ:アスタキサンチン4〜9mg/日を6〜12週
- 肌(シワ・水分):アスタキサンチン2〜6mg/日程度を6〜12週程度
- 薬
- 薬を飲んでいる人は、医師か薬剤師に相談してから使ってください。パッケージにも、この注意を書くことが決められています。
よくある質問
やめてもいい?
目の疲れ、肌(シワ・水分)を目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはB・B)。
ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。続ける場合は、このページの「飲む前に知っておくこと」(公的機関の注意情報)を先に読んでください。
飲んで効いた気がするのはなぜ?
成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。
形や量が違えば効く?
格付けは、試験で使われた形と量での結果です。
- 目の疲れ:アスタキサンチン4〜9mg/日を6〜12週
- 肌(シワ・水分):アスタキサンチン2〜6mg/日程度を6〜12週程度
これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。
効いたという論文もあるのでは?
1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは10件の論文を読み、そのうち4件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。
効果ごとの論文の中身
目の疲れに効く?
Bランク・根拠は限定的対象:画面作業などで目が疲れやすい健康な人(子どもの試験を含む)
画面作業による目の疲れや見え方が良くなったという試験はありますが、まだはっきりしません。良くなったのは一部の項目だけで、大人の試験では40歳以上の人に限られました。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文4本・ほかの成分と運動
- 試験の内容
- アスタキサンチン4〜9mg/日を6〜12週
- 根拠にした論文
- ランダム化比較試験 4本
注意点
根拠にした論文
- 1.
ランダム化比較試験・Hecht(2025年)・Advances in Therapy・64人
1日4時間以上画面を見る10〜14歳の子ども64人の84日間の二重盲検RCT。アスタキサンチン4mg/日で目の疲れの質問票(CVS-Q)がプラセボより改善(-4.00対-1.72、群間差約20%)。視力、ピント調節の近点、涙の量には有意差がなかった。
Astaxanthin (AstaReal®) Improved Acute and Chronic Digital Eye Strain in Children: A Randomized Double-Blind Placebo-Controlled Trial. doi:10.1007/s12325-025-03125-7
- 2.
ランダム化比較試験・Sekikawa(2023年)・Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition・60人
健康な成人60人の6週の二重盲検RCT。アスタキサンチン9mg/日で、画面作業後の矯正視力の低下が抑えられたのは40歳以上の人だけ。40歳未満、実用視力、瞳孔の反応には有意差がなかった。
Effects of diet containing astaxanthin on visual function in healthy individuals: a randomized, double-blind, placebo-controlled, parallel study. doi:10.3164/jcbn.22-65
- 3.
ランダム化比較試験・Yoshida(2023年)・Nutrients
画面作業をする健康な人の8週のプラセボ対照RCT。アスタキサンチン6mg+ルテイン10mg+ゼアキサンチン2mgの配合品で、作業後の目と手の協調動作が改善し黄斑色素が増えた。目で追う動きには明確な改善なし。配合品のため成分ごとの効果は不明。
Effects of Astaxanthin, Lutein, and Zeaxanthin on Eye-Hand Coordination and Smooth-Pursuit Eye Movement after Visual Display Terminal Operation in Healthy Subjects: A Randomized, Double-Blind Placebo-Controlled Intergroup Trial. doi:10.3390/nu15061459
- 4.
ランダム化比較試験・Kizawa(2021年)・Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition・44人
画面作業で目が疲れる健康な日本人44人(解析40人)の6週の二重盲検RCT。アントシアニン・アスタキサンチン・ルテインの配合食品で、作業後の瞳孔の反応と、ピントの合いにくさなど2つの自覚症状がプラセボより改善。配合品のため成分ごとの効果は不明。
Effects of anthocyanin, astaxanthin, and lutein on eye functions: a randomized, double-blind, placebo-controlled study. doi:10.3164/jcbn.20-149
肌(シワ・水分)に効く?
Bランク・根拠は限定的対象:肌の衰えが気になる健康な成人(主に日本人女性)
飲むと肌の水分量と弾力が良くなったという結果はありますが、まだはっきりしません。シワの深さにははっきりした差は出ず、アスタキサンチンだけの製品に限ると水分量にもはっきりした差は出ませんでした。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文6本・ほかの成分と運動
- 試験の内容
- アスタキサンチン2〜6mg/日程度を6〜12週程度
- 根拠にした論文
- メタ分析 3本・系統的レビュー 1本・ランダム化比較試験 2本
注意点
根拠にした論文
- 1.
メタ分析・Zhou(2021年)・Nutrients・8研究・293人
11研究の系統的レビューと、飲むアスタキサンチンの8件のRCT(293人)のメタ分析。水分量(効果量0.53)と弾力(0.77)は改善したがばらつきが大きく、シワの深さ(-0.26、95%CI -0.58〜0.06)は有意差なし。コラーゲン等との配合品を含み、バイアスのリスクは大半が不明。
Systematic Review and Meta-Analysis on the Effects of Astaxanthin on Human Skin Ageing. doi:10.3390/nu13092917
- 2.
メタ分析・Sun(2022年)・Frontiers in Nutrition・3研究・99人
肌の保湿サプリのRCTのメタ分析。アスタキサンチン単独の3試験(99人)では角層の水分量に有意差なし(効果量0.45、95%CI -0.05〜0.95)。配合品を含む5試験では有意だったが、コラーゲン等の影響の可能性があり、根拠は不十分と結論。
Effectiveness of Dietary Supplement for Skin Moisturizing in Healthy Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. doi:10.3389/fnut.2022.895192
- 3.
メタ分析・Yang(2025年)・Frontiers in Medicine・3研究・102人
肌の光老化に対するサプリの40件のRCTの系統的レビュー・メタ分析。アスタキサンチンは3試験(102人、2〜4mgを6〜12週)で、光老化に対して推奨できるだけの根拠はないと結論。
Effectiveness of dietary supplements for skin photoaging in healthy adults: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. doi:10.3389/fmed.2025.1582946
- 4.
系統的レビュー・Ng(2021年)・Journal of Dietary Supplements・11研究
11件の臨床研究(うちRCT 6件)の系統的レビュー。多くのRCTで肌のきめ・シワ・水分量が改善したが、試験は小規模で主に健康な日本人女性が対象、多くが企業の資金による。
Effects of Astaxanthin Supplementation on Skin Health: A Systematic Review of Clinical Studies. doi:10.1080/19390211.2020.1739187
- 5.
ランダム化比較試験・Tominaga(2012年)・Acta Biochimica Polonica・36人
2つの研究の報告。女性30人の対照群のない試験(飲む+塗る)と、健康な男性36人の6週の二重盲検RCTで、アスタキサンチン6mg/日により目尻のシワ・弾力・肌からの水分蒸散が改善した。
Cosmetic benefits of astaxanthin on humans subjects. doi:10.18388/abp.2012_2168
- 6.
ランダム化比較試験・Ito(2018年)・Nutrients・23人
健康な日本人23人の10週の二重盲検RCT。アスタキサンチン4mg/日で、日焼けで赤くなる紫外線量(MED)が増え、紫外線を当てた部位の水分低下が小さかった。肌荒れ・きめの自己評価も改善。
The Protective Role of Astaxanthin for UV-Induced Skin Deterioration in Healthy People-A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial. doi:10.3390/nu10070817
このページについて
サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。
このページの言葉
- プラセボ
- 見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
- ランダム化比較試験(RCT)
- 参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
- メタ分析・統合
- 同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算し直した研究。1つの試験より、偶然に左右されにくくなります。
- 系統的レビュー
- 決めた手順で、関係する研究をもれなく集めて評価した研究。メタ分析を含むことが多いです。
- 効果量
- 測り方の違う試験どうしでも比べられるように、差の大きさをそろえた数字(このサイトでは主に、平均の差を標準化したもの)。マイナスの符号は減った向きを表し、符号を除いた大きさが 0.2 前後で「小さい」、0.5 前後で「中くらい」、0.8 以上で「大きい」が目安です。
- 有意差
- 偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。
- 95%信頼区間(95%CI)
- 結果の数字のぶれの幅。本当の値がおそらく入っている範囲の目安です。差の範囲が 0(比の場合は 1)をまたぐときは、差がない可能性を否定できません。
運動の効果も同じ基準で格付けしています
運動は19項目中4項目がSでした
- サプリ119項目
- ABCD
- 3%
- 運動19項目
- SAB
- 21%
S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。
運動のTier表を見る