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えびらぼ

プラセンタに効果はある?

プラセンタ(飲む)(プラセンタエキス、豚プラセンタ、馬プラセンタ、胎盤エキス)論文8本で格付け2026-10-04 更新

結論

肌にも更年期の症状にも、効くかどうかはまだはっきりしません。

  • 肌のシワや水分が良くなった試験と、水分にはっきりした差が出なかった試験がある
  • 更年期の症状も、試験によって結果が一致しない
  • 医療機関の注射のプラセンタは医薬品で、サプリとは別もの

効くと言われていること

論文では

S〜D の決め方は格付けの決め方

よくある質問

やめてもいい?

肌(シワ・水分)、更年期症状を目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはB・B)。

ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。

飲んで効いた気がするのはなぜ?

成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。

形や量が違えば効く?

格付けは、試験で使われた形と量での結果です。

  • 肌(シワ・水分):豚・馬の胎盤エキスまたはペプチドを4〜24週間(用量は製品により異なる)
  • 更年期症状:豚胎盤エキスを1日300〜400mg(二重盲検試験)、12〜24週間(飲む場合)

これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。

効いたという論文もあるのでは?

1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは8件の論文を読み、そのうち1件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。

効果ごとの論文の中身

B

肌(シワ・水分)に効く?

Bランク・根拠は限定的対象:健康な成人女性(30〜60代)

豚や馬の胎盤からとった成分を飲んで、肌のシワや水分が良くなったという結果はありますが、まだはっきりしません。水分の量にはっきりした差が出なかった試験もあります。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文4本・ほかの成分と運動

効果の大きさ

90人が12週間飲んだ試験[1]では、シワの深さや水分量などにプラセボ(成分の入っていないもの)との差がありました。29人が4週間飲んだ試験[3]では、水分量と肌から逃げる水分量にはっきりした差は出ませんでした。試験をまとめた解析(メタ分析)はありません。

試験の内容
豚・馬の胎盤エキスまたはペプチドを4〜24週間(用量は製品により異なる)
根拠にした論文
ランダム化比較試験 4本

注意点

  • 原料・製法・量:原料(豚・馬)、製法(抽出物・ペプチド)、用量が試験ごとに違います。
  • 注射薬:医療機関で使うヒト胎盤の注射薬は医薬品で、飲むサプリの研究とは別のものです。
  • 期間:試験期間は4〜24週間と短く、長く飲んだときの効果は分かっていません。
  • オープンラベル試験:プラセボを使わない(オープンラベル)試験は、偏りが大きくなります。

格付けの理由

肌を調べたプラセボ対照RCT(くじ引きでグループを分けて比べた試験)は3件(20人・29人・90人)だけです。肌を主目的にしたメタ分析はなく、更年期のレビュー(Papp 2025)が肌の改善に触れているだけです。最大の試験[1]ではシワ・水分などに差がありましたが、別の試験[3]では水分量に有意差(偶然では説明しにくい差)がありませんでした。いずれも企業の資金や社員の参加があり、試験が少数・小規模で企業に偏っているため、B(根拠は限定的)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    ランダム化比較試験・Nguyen(2025年)・Complementary Therapies in Medicine・90人

    乾燥肌で目元のシワがある35〜60歳の90人の二重盲検RCT。豚胎盤ペプチドを1日2回12週間。プラセボより、シワの深さ・メラニン指数・赤み・経皮水分蒸散量が低下し、水分量・弾力・つやが改善。有害事象なし。

    Porcine placenta peptides as a complementary functional food for skin rejuvenation: A 12-week randomized, double-blind, placebo-controlled trial. doi:10.1016/j.ctim.2025.103271

  2. 2.

    ランダム化比較試験・Nagae(2020年)・Nutrients・20人

    40〜59歳の健康な女性20人の二重盲検RCT。豚胎盤エキス1日200mgを冬に4週間。肌の3つの指標がプラセボより有意に改善。

    Effect of Porcine Placenta Extract Supplement on Skin Condition in Healthy Adult Women: A Randomized, Double-Blind Placebo-Controlled Study. doi:10.3390/nu12061671

  3. 3.

    ランダム化比較試験・Nagae(2022年)・Health Science Reports・29人

    30〜59歳の健康な女性29人の二重盲検RCT。馬胎盤エキス1日220mgを4週間。水分量と経皮水分蒸散量はプラセボと有意差がなかった。メラニン指数はプラセボ群で上がり、プラセンタ群では変わらなかった。

    Effects of oral administration of equine placental extract supplement on the facial skin of healthy adult women: A randomized, double-blind, placebo-controlled study. doi:10.1002/hsr2.522

  4. 4.

    ランダム化比較試験・Yoshikawa(2014年)・Climacteric・44人

    更年期症状が軽い日本人女性44人のオープンラベルRCT(偽薬なし)。豚胎盤エキス(1日3カプセル)で24週後の目の下のシワの幅が無治療群より減った。123人の後ろ向き比較でも同様。

    Efficacy of porcine placental extract on wrinkle widths below the eye in climacteric women. doi:10.3109/13697137.2013.871695

B

更年期症状に効く?

Bランク・根拠は限定的対象:更年期症状のある閉経前後の女性

豚の胎盤のエキスを飲んで、更年期の症状の点数が良くなったという結果はありますが、まだはっきりしません。別の試験では、全体としてははっきりした差は出ませんでした。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文4本・ほかの成分と運動

効果の大きさ

軽い更年期症状の女性50人の12週間の試験[2]では、簡略更年期指数(更年期症状の点数)の改善がプラセボ(成分の入っていないもの)を上回りました。100人の12週間の試験[3]では、クッパーマン指数(症状の点数)の変化に、プラセボとのはっきりした差は出ませんでした。試験をまとめて計算した効果の大きさはありません。

試験の内容
豚胎盤エキスを1日300〜400mg(二重盲検試験)、12〜24週間(飲む場合)
根拠にした論文
系統的レビュー 1本・ランダム化比較試験 3本

注意点

  • 注射薬:ヒト胎盤エキスの注射薬(医療用医薬品)の試験結果は、飲むサプリには当てはまりません。
  • 試験の規模と資金:飲む試験は主に日本・韓国の企業が関わる小規模なもので、漢方薬と比べたオープンラベル試験[4]も含まれます。
  • 偏りのリスク:レビュー[1]は偏りのリスクを概ね低〜中程度と評価しましたが、試験数は少数です。
  • 受診:症状がつらい場合は、医療機関に相談してください。

格付けの理由

系統的レビュー(関係する研究をもれなく集めて評価した研究)[1](11件・988人)は効果の可能性を示しましたが、注射薬の試験4件を含み、メタ分析(複数の試験をまとめて計算し直した研究)はしていません。飲む場合のプラセボ対照RCT(くじ引きでグループを分けて比べた試験)で更年期指数を主に調べたのは2件です。軽い更年期症状の女性50人の試験[2]では改善し、100人の試験[3]では全体で有意差(偶然では説明しにくい差)がなく、一部の集団でのみ差がありました。以上から、B(根拠は限定的)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    系統的レビュー・Papp(2025年)・Nutrients・11研究・988人

    更年期症状に対する豚またはヒトの胎盤エキスのRCT11件(988人)の系統的レビュー。更年期指数、体の症状やほてり、肌、一部の心理指標が改善し、忍容性は良好。7件は豚エキスの内服、4件はヒトエキスの皮下注射。メタ分析はなし。

    Efficacy and Safety of Placental Extract on Menopausal Symptoms: A Systematic Review. doi:10.3390/nu17243857

  2. 2.

    ランダム化比較試験・Kitanohara(2017年)・Climacteric・50人

    更年期の日本人女性50人の多施設二重盲検RCT。豚胎盤エキス1日300mgを12週間。簡略更年期指数の合計点がプラセボより有意に改善(p=0.031)。女性ホルモン値は変わらず、有害事象なし。

    Effect of porcine placental extract on the mild menopausal symptoms of climacteric women. doi:10.1080/13697137.2017.1279140

  3. 3.

    ランダム化比較試験・Lee(2020年)・Taiwanese Journal of Obstetrics and Gynecology・100人

    閉経後の韓国人女性100人の多施設二重盲検RCT。豚胎盤エキス1日400mgを12週間。クッパーマン指数の低下は全体ではプラセボと有意差なし。BMI23以上(−18.52対−11.40)や閉経後3年未満(−17.29対−11.29)の人に限るとエキス群で大きかった。

    Effect of porcine placental extract on menopausal symptoms in postmenopausal women: A prospective, randomized, double-blind, placebo-controlled trial. doi:10.1016/j.tjog.2020.07.009

  4. 4.

    ランダム化比較試験・Koike(2013年)・Climacteric・76人

    更年期症状のある女性76人のオープンラベルRCT。豚胎盤エキスを24週間(前半1日3カプセル、後半6カプセル)。漢方薬(当帰芍薬散)より簡略更年期指数・抑うつ・不安の点数が大きく低下(p<0.01)。目立った副作用なし。

    Efficacy of porcine placental extract on climacteric symptoms in peri- and postmenopausal women. doi:10.3109/13697137.2012.696290

このページについて

サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。

安全性

ヒト胎盤の注射薬を使ったことがある人の献血の制限は、2026年10月から、最後に使ってから3か月に変わりました(日本赤十字社: 出典: jrc.or.jp)。ヒト胎盤は厚生労働省の「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」に載っていて、医療用の注射薬に使われます。サプリに使う豚・牛・羊の胎盤は、医薬品の扱いではありません(同じリストを載せた東京都の資料: 出典: hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp)。HFNetには、豚プラセンタのサプリを飲んでいる間に腫瘍マーカーの値が上がった症例などが載っています(出典: hfnet.nibn.go.jp)。

このページの言葉
プラセボ
見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
ランダム化比較試験(RCT)
参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
メタ分析・統合
同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算し直した研究。1つの試験より、偶然に左右されにくくなります。
系統的レビュー
決めた手順で、関係する研究をもれなく集めて評価した研究。メタ分析を含むことが多いです。
有意差
偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。

運動の効果も同じ基準で格付けしています

運動は19項目中4項目がSでした

掲載した項目の内訳Sの割合
サプリ119項目
3%
運動19項目
21%

S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。

運動のTier表を見る

ほかの成分の格付け(Tier表)