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えびらぼ

コンドロイチンは膝の痛み(変形性膝関節症)に効果なし?

コンドロイチン(プロテオグリカンを含む)(コンドロイチン硫酸、サケ鼻軟骨プロテオグリカン)論文6本で格付け2026-10-04 更新

結論

変形性膝関節症の痛みには、質の高い大きな試験で、実感できるほどの差は出ていません。

  • 試験を広く集めると、少し良くなったという結果もある
  • 米国リウマチ学会は、膝や股関節には使わないよう強く勧めている
  • ワルファリンを飲んでいる人は注意

効くと言われていること

論文では

S〜D の決め方は格付けの決め方

飲む前に:公的機関の注意があります

代わりにできること

膝の痛みが、運動で少し軽くなるという結果も

運動の格付け:B(根拠は限定的)

対象:変形性膝関節症の人

変形性膝関節症の人が運動をすると、痛みが少し軽くなりましたが、実感できる差の目安には届きませんでした。歩く・立つなどの動作がよくなることは示されています。どのくらい楽になるかは、まだはっきりしません。

膝の痛みのサプリと運動の格付けを見る

飲む前に知っておくこと

ワルファリンなど血液を固まりにくくする薬を飲んでいる人は、飲む前に医師・薬剤師に相談してください。厚生労働省の情報サイト(eJIM)は米国NCCIHの情報として、グルコサミンとコンドロイチンが、ワルファリンを飲んでいる人の出血しやすさと関係していると載せています(出典: ejim.mhlw.go.jp)。HFNetには、国内でワルファリンを飲んでいる人がコンドロイチンとグルコサミンをとり、血液の固まり方に重い異常が出て心肺停止に至った例や、コンドロイチンを含む製品で肺の障害が起きた例が載っています(出典: hfnet.nibn.go.jp)。

機能性表示食品として売られているとき

プロテオグリカン・コンドロイチン硫酸を機能性関与成分とする機能性表示食品の届出があります(2026年10月3日時点)。国が1つずつ審査した食品ではなく、届出の根拠はこのページの格付けとは別のものです。表示を見るときに確かめること
国の審査
機能性表示食品は、事業者が科学的根拠などを消費者庁に届け出て、機能を表示する食品です。国が1つずつ審査した食品ではありません。パッケージには「本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません。届け出られた科学的根拠等の情報は消費者庁のウェブサイトで確認できます。」と書くことが決められています。
届出番号
パッケージの「届出番号」を消費者庁の届出データベースに入れると、届け出た事業者が書いた、安全性と機能性の根拠の要約を見られます。
「報告されています」
消費者庁の手引きは、根拠がその商品(最終製品)を使った臨床試験か、論文を集めて評価した研究レビューかが分かる表現にするよう求めています。研究レビューが根拠のときは、商品についてのレビューでも成分についてのレビューでも「報告されている」ことが分かる表現にし、例として「〜の機能があることが報告されています」を挙げています。最終製品を使った臨床試験で根拠を説明するときの例は「〜の機能があります」です。成分についての研究レビューが根拠のときは、その商品自体に機能があるという根拠ではないことが分かる表現にするとしています。
量
パッケージには、1日あたりの摂取目安量と、その量に含まれる機能性関与成分の量が書かれています。このページの試験で使われた量と比べてください。
  • 膝の痛み(変形性膝関節症):コンドロイチン硫酸800〜1200mg/日を数か月〜2年
薬
薬を飲んでいる人は、医師か薬剤師に相談してから使ってください。パッケージにも、この注意を書くことが決められています。
この欄の出典

よくある質問

やめてもいい?

膝の痛み(変形性膝関節症)を目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはD)。

ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。続ける場合は、このページの「飲む前に知っておくこと」(公的機関の注意情報)を先に読んでください。

飲んで効いた気がするのはなぜ?

成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。

形や量が違えば効く?

格付けは、試験で使われた形と量での結果です。

  • 膝の痛み(変形性膝関節症):コンドロイチン硫酸800〜1200mg/日を数か月〜2年

これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。

効いたという論文もあるのでは?

1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは6件の論文を読み、そのうち4件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。

効果ごとの論文の中身

D

膝の痛み(変形性膝関節症)に効く?

Dランク・効かないという根拠対象:変形性膝関節症の患者(一部の解析は股関節を含む)

変形性膝関節症の人が飲んでも、規模が大きく質の高い試験では、痛みに実感できるほどの差は出ていません。米国リウマチ学会は、膝や股関節の変形性関節症には使わないよう強く勧めています。

注意点

  • 医薬品グレードの製剤:欧州で医薬品として使われる特定の医薬品グレード製剤では、バイアスの低い試験に限っても小さな改善(効果量(差の大きさをそろえた数字)-0.25)がありました[4]。ほかの製剤では有意差(偶然では説明しにくい差)はありませんでした。この製剤を使った604人のRCT(企業資金)では、プラセボ(成分の入っていないもの)より痛みが改善しました。厚労省eJIM(厚生労働省の「統合医療」情報サイト)の要約によると、ESCEOはこの製剤だけを推奨し、OARSIは非推奨としています。
  • プロテオグリカン:サケ鼻軟骨プロテオグリカンは小規模なRCT(くじ引きでグループを分けて比べた試験)が数件あるだけで、別に評価する必要があります。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文6本・ほかの成分と運動

効果の大きさ

大規模な試験をまとめた解析[2]では、10cmの痛みの目盛りで差は0.3cmでした。実感できる差の目安(0.9cm)に届きません。質の高い大規模な3試験では、効果量-0.03(ごくわずか)でした[1]。

試験の内容
コンドロイチン硫酸800〜1200mg/日を数か月〜2年
確実性(中心にした解析の著者による評価)
低い
根拠にした論文
メタ分析 2本・ネットワークメタ分析 1本・コクラン・レビュー 1本・ランダム化比較試験 1本・診療ガイドライン 1本

格付けの理由

大規模でITT解析を行った3試験に限ると、効果はごくわずかでした[1]。大規模な試験をまとめた解析[2]でも、差は臨床的に意味のある差(本人が実感できる差の目安)の目安未満でした。コクラン・レビュー(2015)[3]が短期の試験で示した小〜中程度の改善は、確実性が低いものでした。割付の隠蔽が適切な試験、大規模な試験、企業資金のない試験のどれに限っても、この改善は不確かになります。米国リウマチ学会[6]も強く非推奨としているため、D(効かないという根拠)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    メタ分析・Reichenbach(2007年)・Annals of Internal Medicine・20研究・3,846人

    膝・股関節の変形性関節症の20試験(3846人)のメタ分析。ばらつきが大きく(I²=92%)、小規模・割付の隠蔽が不明な試験ほど効果が大きかった。大規模でITT解析の3試験では効果量-0.03(95%CI -0.13〜0.07)、10cmの目盛りで0.6mm。効果は最小限かないと結論。

    Meta-analysis: chondroitin for osteoarthritis of the knee or hip. doi:10.7326/0003-4819-146-8-200704170-00009

  2. 2.

    ネットワークメタ分析・Wandel(2010年)・BMJ

    膝・股関節の大規模RCT 10件(計3803人、グルコサミン等を含む)のネットワークメタ分析。コンドロイチンとプラセボの痛みの差は10cmの目盛りで0.3cm(95%信用区間-0.7〜0.0)で、臨床的に意味のある差(0.9cm)に届かず。企業から独立した試験ほど効果が小さかった。

    Effects of glucosamine, chondroitin, or placebo in patients with osteoarthritis of hip or knee: network meta-analysis. doi:10.1136/bmj.c4675

  3. 3.

    コクラン・レビュー・Singh(2015年)・Cochrane Database of Systematic Reviews・43研究・9,110人

    コクラン(43件のRCT・9110人、2013年まで検索)。6か月未満で痛みが絶対差10%改善(確実性低、I²=70%)。膝の痛みが20%以上改善した人は53%対47%(2試験1253人、確実性高)。割付の隠蔽が適切・大規模・製薬企業資金なしの試験に限ると痛みの効果は不確かに。

    Chondroitin for osteoarthritis. doi:10.1002/14651858.cd005614.pub2

  4. 4.

    メタ分析・Honvo(2019年)・Advances in Therapy・18研究

    変形性膝関節症の18件のRCTのメタ分析。全体では痛みが改善(効果量-0.63)したがばらつきが非常に大きい(I²=94%)。バイアスの低い試験では、特定メーカーの医薬品グレード製剤で小さな改善(-0.25)、他の製剤は有意差なし(-0.08、95%CI -0.19〜0.02)。

    Efficacy of Chondroitin Sulfate in Patients with Knee Osteoarthritis: A Comprehensive Meta-Analysis Exploring Inconsistencies in Randomized, Placebo-Controlled Trials. doi:10.1007/s12325-019-00921-w

  5. 5.

    ランダム化比較試験・Clegg(2006年)・New England Journal of Medicine・1,583人

    米国NIHが資金を出した二重盲検RCT(GAIT、変形性膝関節症1583人、24週)。コンドロイチン硫酸1200mg/日で膝の痛みが20%以上減った人の割合はプラセボ(60.1%)より5.3ポイント高いだけで有意差なし(P=0.17)。対照薬セレコキシブは有意に改善。

    Glucosamine, chondroitin sulfate, and the two in combination for painful knee osteoarthritis. doi:10.1056/nejmoa052771

  6. 6.

    診療ガイドライン・Kolasinski(2020年)・Arthritis Care & Research

    米国リウマチ学会・関節炎財団の2019年ガイドライン(本文より)。膝・股関節の変形性関節症では、コンドロイチン硫酸もグルコサミンとの配合品も使わないよう強く推奨。手の変形性関節症には1件の試験を根拠に条件付きで推奨。

    2019 American College of Rheumatology/Arthritis Foundation Guideline for the Management of Osteoarthritis of the Hand, Hip, and Knee. doi:10.1002/acr.24131

このページについて

サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。

このページの言葉
プラセボ
見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
ランダム化比較試験(RCT)
参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
メタ分析・統合
同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算し直した研究。1つの試験より、偶然に左右されにくくなります。
コクラン・レビュー
国際的な非営利の団体コクランが、決まった手順で作る系統的レビュー。利害関係のある企業からの資金は受けない決まりで作られます。
ネットワークメタ分析
3つ以上の方法を、直接比べていない組み合わせも含めて同時に比べるメタ分析。
効果量
測り方の違う試験どうしでも比べられるように、差の大きさをそろえた数字(このサイトでは主に、平均の差を標準化したもの)。マイナスの符号は減った向きを表し、符号を除いた大きさが 0.2 前後で「小さい」、0.5 前後で「中くらい」、0.8 以上で「大きい」が目安です。
確実性
結果がどのくらい確かかについて、解析した研究者が付けた評価(高・中・低・非常に低)。低いほど、今後の研究で結果が変わる可能性が高いことを表します。
有意差
偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。
95%信頼区間(95%CI)
結果の数字のぶれの幅。本当の値がおそらく入っている範囲の目安です。差の範囲が 0(比の場合は 1)をまたぐときは、差がない可能性を否定できません。
95%信用区間
ベイズ統計という方法で計算した、本当の値が 95% の確率で入るとされる範囲。差の範囲が 0(比の場合は 1)をまたぐときは、差がない可能性を否定できない点は信頼区間と同じです。
臨床的に意味のある差
本人が「良くなった」と感じられる、最小の差の目安。統計で差があっても、この目安より小さければ実感は難しいとされます。
eJIM
厚生労働省の「『統合医療』に係る情報発信等推進事業」のサイト。サプリなどについて、海外の公的機関の情報を翻訳して載せています。

運動の効果も同じ基準で格付けしています

運動は19項目中4項目がSでした

掲載した項目の内訳Sの割合
サプリ119項目
3%
運動19項目
21%

S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。

運動のTier表を見る

ほかの成分の格付け(Tier表)