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膝の痛みにサプリは効く? 運動とどちらが確か?
膝の痛みのサプリと運動の格付け・2026-10-12 更新
結論
ここで比べた中では、膝の痛みに根拠があるのはコラーゲン類だけで、それも少し軽くなる程度です。
- 運動・ウコン・ヒアルロン酸は、軽くなった結果はあるがまだはっきりしない(B)
- グルコサミン・コンドロイチンは、質の高い試験では実感できるほどの差が出ない(D)
運動とサプリの格付け
論文では- 運動(筋トレ・有酸素運動など)対象:変形性膝関節症の人根拠は限定的
- コラーゲン類(ペプチドを含む)対象:変形性関節症(主に膝)の患者根拠あり
- ウコン・クルクミン対象:変形性膝関節症の患者根拠は限定的
- ヒアルロン酸(配合品が多い)対象:膝の痛みや軽度〜中等度の変形性膝関節症がある中高年根拠は限定的
- グルコサミン対象:変形性膝関節症の患者(股関節を含む解析あり)効かないという根拠
- コンドロイチン対象:変形性膝関節症の患者(一部の解析は股関節を含む)効かないという根拠
対象者と数字を見る
- B運動(筋トレ・有酸素運動など)根拠は限定的・膝の痛み(変形性膝関節症)対象:変形性膝関節症の人比べた相手:偽の治療や、注意を向けるだけの対照(主な比較)運動を終えた直後の痛み(0〜100点)が平均8.70点軽かった(信頼区間(結果のぶれの幅)5.70〜11.70点、確実性は低い)。実感できる差の目安は12点。治療なし・ふだんの治療と比べると13.14点(確実性は低い)
- Aコラーゲン類(ペプチドを含む)根拠あり・関節の痛み対象:変形性関節症(主に膝)の患者比べた相手:主にコラーゲンを含まないもの(プラセボ)コラーゲン類全体の25試験で、痛みの効果量(差の大きさをそろえた数字)-0.35の「小さい」差(確実性は中程度)。ペプチドだけの解析は4試験(-0.58)で、すべてバイアスのリスクが高く、1試験は対照がプラセボ(成分の入っていないもの)ではない
- Bウコン・クルクミン根拠は限定的・関節の痛み対象:変形性膝関節症の患者比べた相手:クルクミンを含まないもの(プラセボ)16試験の解析で、痛みの効果量-0.82(数字の上では「大きい」差だが、試験ごとのばらつきが非常に大きい)。吸収を高めた製剤で、痛みの改善が目安(20%)を超えた解析もある(確実性は低い〜非常に低い)
- Bヒアルロン酸(配合品が多い)根拠は限定的・膝の痛み対象:膝の痛みや軽度〜中等度の変形性膝関節症がある中高年比べた相手:多くはヒアルロン酸を含まないもの(プラセボ)試験をまとめた解析は無い。変形性膝関節症の60人の試験で、8週後の痛み(0〜10点)がヒアルロン酸群4.1点、プラセボ群6.0点。主な評価項目でプラセボとはっきりした差が出なかった試験もある。変形性関節症と腰痛の11研究を集めたレビューでは、プラセボと比べた研究は7件、ヒアルロン酸だけの研究は2件
- Dグルコサミン効かないという根拠・膝の痛み対象:変形性膝関節症の患者(股関節を含む解析あり)比べた相手:グルコサミンを含まないもの(プラセボ)膝・股関節の大規模な10試験の解析で、10cmの痛みの目盛りの差は平均0.4cm。実感できる差の目安(0.9cm)に届かない。企業から独立した5試験・1625人の個人データでは、痛み・機能に有意差(偶然では説明しにくい差)なし
- Dコンドロイチン効かないという根拠・膝の痛み(変形性膝関節症)対象:変形性膝関節症の患者(一部の解析は股関節を含む)比べた相手:コンドロイチンを含まないもの(プラセボ)大規模な試験の解析で、10cmの痛みの目盛りの差は0.3cm。実感できる差の目安(0.9cm)に届かない。質の高い大規模な3試験では効果量-0.03(ごくわずか)
格付けは根拠の強さで、効果の大きさの順ではありません。行ごとに対象者と比べた相手(成分を含まないもの・運動しない人・飲む前の自分など)が違うので、数字の大小は比べられません。
運動でどれくらい変わる?
膝の痛みが、運動で少し軽くなるという結果も
運動の格付け:B(根拠は限定的)
変形性膝関節症の人が運動をすると、偽の治療などを受けた人より膝の痛みが少し軽くなったという結果はありますが、まだはっきりしません。差は実感できる差の目安に届かず、治療なしやふだんの治療と比べた差はもう少し大きいものの、こちらもまだはっきりしません。
始め方
膝の痛みがある人は、始める前に整形外科で相談してください。日本整形外科学会の「変形性膝関節症診療ガイドライン2023」は、変形性膝関節症の人に運動療法を強く勧めています。そのうえで、適切な運動をするには、画像の検査を含む整形外科の評価が大事だとしています(出典: joa.or.jp)。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の変形性膝関節症の項は、状態が落ち着いている人に向けたものです。運動で悪化する痛みがある人、変形が強い人、歩くことや日常の動作が不安定な人は、事前に医師などに確かめるよう書いています。無理のない強さと回数で始めて、少しずつ増やすよう勧めています(出典: mhlw.go.jp)。
自分で始める
- 研究で調べられていたのは、陸上で行う筋トレや有酸素運動などで、期間は2〜104週間でした。運動の種類による効果の違いは見つかっていません(Lawford 2024)。
- 同じ解析では、決められた運動の回数や、医療者と直接やりとりした回数(対照のグループと比べた多さ)と、痛みや生活動作の変化との関係は見つかりませんでした(Lawford 2024)。
- 厚生労働省のガイドは、状態が落ち着いている変形性膝関節症の人について、指導を受けて行う運動では週3回以上が痛みを軽くするのに効果的で、8〜12週・合計24回以上を目安としています。
- 膝と股関節の77試験をまとめた解析では、効果は2か月ほどが最大で、9〜18か月ではふだんのケアを上回る効果は確認されませんでした(Goh 2019)。
研究で分かっていること
- 研究の期間は、その期間で効果が出始めるという意味ではありません。
一人で続けにくい人向けのサービスPR
格付けしたのは運動そのものの効果で、ここに載せたサービスの成果ではありません。
通う・マンツーマン
RIZAP
完全個室で、トレーナーがマンツーマンで指導するプライベートジムです。
- 始め方
- 無料カウンセリング(入会しなくてよい)
- 初期費用
- 入会金55,000円
- 料金
- 2ヶ月16回327,800円〜(BASIC)
通う・女性専用
ボディーズ(Bodies)
女性専用のフィットネスジムです。マシンを使ったサーキットトレーニング(1回30分)が中心で、店舗は首都圏・関西・福岡にあります。
- 始め方
- 7日間無料体験
- 初期費用
- 入会金6,600円・事務手数料3,300円
- 料金
- 月5,970円〜(サーキットか温浴のどちらか)
通う・女性専用
FURDI(ファディー)
女性専用のパーソナルジムです。トレーナーの指導つきで、AI を載せたマシンを使うトレーニング(1回30分)が中心です。
- 始め方
- 無料体験(約60分)
- 初期費用
- 事務手数料5,500円・カード発行手数料3,300円(入会金なし)
- 料金
- 月7,678円〜(1年契約が前提のプラン。店舗で違う)
自宅でオンライン
SOELU(ソエル)
スマートフォンやパソコンで、インストラクターのオンラインレッスンを自宅で受けるフィットネスサービスです。
- 始め方
- 12ヶ月コースの最初の1ヶ月が100円(期間中に解約しないと、そのまま有料のコースが続きます)
- 初期費用
- 入会金の記載なし
- 料金
- 月3,278円〜(ライト・12ヶ月コース。12ヶ月未満でやめると違約金)。1ヶ月コースは月4,378円
料金は税込みで、2026年10月4日に各社の公式サイトで確かめたものです。
この比べ方で言えること・言えないこと
言えること
- 膝の痛みで格付けがいちばん高いのは、コラーゲン類です(A)。コラーゲンを含まないものと比べて、痛みが少し軽くなることが示されています。ただし、ペプチドのほか非変性II型など形の違うものをまとめた結果で、ペプチドだけの解析は4試験しかありません。
- 運動は、偽の治療などと比べて痛みが0〜100点で平均8.70点軽くなりましたが、目安の12点に届かず、確実性も低いためBです。歩く・立つなどの生活動作がよくなることは示されています(運動の格付けではA)が、改善が実感できる大きさかははっきりしません。生活動作の結果はコラーゲン類やウコンにもありますが、このページでは比べていません。
- グルコサミンとコンドロイチンは、企業から独立した試験や質の高い大規模な試験に限ると、痛みの差が実感できる差の目安に届きません(D)。米国リウマチ学会は、膝の変形性関節症には使わないよう強く推奨しています。日本整形外科学会の「変形性膝関節症診療ガイドライン2023」も、グルコサミンとコンドロイチンで痛みや機能の改善は認められないとまとめています。
- ウコンは小規模な試験が多く、試験ごとのばらつきも大きいためBです。ヒアルロン酸は配合品の試験が多く、試験をまとめた解析も無いためBです。
言えないこと
- 直接の比較:ここに並べた結果は、サプリと運動を直接比べたものではありません。格付けは根拠の強さを表すもので、効果の大きさの順ではありません。
- 数字の比べ方:運動は0〜100点の差、コラーゲン類とウコンは効果量(差の大きさをそろえた数字)、グルコサミンとコンドロイチンは10cmの目盛りの差、ヒアルロン酸は1つの試験の点数です。尺度・対象・比べた相手がそろっていないので、行どうしで数字の大小は比べられません。
- 比べた相手:サプリは主に成分を含まないもの(プラセボ)と比べています。運動は偽の治療や注意を向けるだけの対照と比べていますが、運動は参加者に隠せないため、多くの試験で参加者は自分が運動のグループだと知っていました。
- ヒアルロン酸:試験の多くはグルコサミンなどとの配合品で、ヒアルロン酸だけの効果は区別できません。変形がほとんどない人の膝の違和感を調べた試験も含みます。医療機関で行う関節への注射の結果は、飲むヒアルロン酸には当てはまりません。
- 続く期間:膝と股関節の77試験をまとめた解析では、運動の効果は2か月ほどが最大で、9〜18か月ではふだんのケアを上回る効果は確認されませんでした。変形性関節症のサプリをまとめた解析でも、長期で意味のある効果を示したサプリはありませんでした。
- 関節の構造:このページで比べたのは痛みです。軟骨のすり減りが進むのを抑えるかは比べていません。
- ジムやサービス:格付けしたのは運動そのものの効果で、特定のジムやサービスの効果ではありません。
グルコサミン・コンドロイチン・コラーゲン・ウコン・ヒアルロン酸と運動の、膝の痛みへの効果を、試験をまとめた論文などで格付けした結果を並べました。調べられていたのは主に変形性膝関節症の人です。誤りを知らせる