酵素サプリに効果はある?
酵素サプリ(酵素ドリンク等)(酵素ドリンク、植物発酵エキス、野草酵素、消化酵素サプリ)論文6本で格付け2026-10-04 更新
結論
やせる効果も、消化を助ける効果も、分かっていません。
- 体重が減った試験は、台湾と中国の小さな2件だけ
- 試された製品は、日本の酵素ドリンクとは原料も作り方も違う
- 病気のない人で消化を調べた試験は、ごくわずか
効くと言われていること
論文ではS〜D の決め方は格付けの決め方
代わりにできること
体重と体脂肪は、運動で減ります
運動の格付け:A(根拠あり)
対象:過体重・肥満の成人(研究の多くは指導者つきの運動)
過体重・肥満の人が運動すると、体重と内臓脂肪が減ることが一貫して示されています。運動だけで減る体重は数kg程度です。
ダイエットのサプリと運動の格付けを見るよくある質問
やめてもいい?
体重・体脂肪の減少、消化を助けるを目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはC・C)。
ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。
飲んで効いた気がするのはなぜ?
成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。
形や量が違えば効く?
格付けは、試験で使われた形と量での結果です。
- 体重・体脂肪の減少:果物・野菜などの発酵エキス飲料を1日60mLなど、8週間
- 消化を助ける:たんぱく質・脂肪・でんぷんの分解酵素を混ぜたサプリを食事と一緒に
これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。
効いたという論文もあるのでは?
1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは6件の論文を読み、そのうち1件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。
効果ごとの論文の中身
体重・体脂肪は減る?
Cランク・根拠が乏しい対象:脂質異常症ぎみの成人(台湾・中国の小規模試験)
植物を発酵させた飲み物で体重がわずかに減ったという試験は、台湾と中国の小さな2件だけで、やせるかどうかは分かっていません。体重の差は1kg前後で、試された飲み物は日本の酵素ドリンクとは原料や作り方が違います。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文3本・ほかの成分と運動
- 試験の内容
- 果物・野菜などの発酵エキス飲料を1日60mLなど、8週間
- 根拠にした論文
- ランダム化比較試験 2本・系統的レビュー 1本
注意点
根拠にした論文
- 1.
ランダム化比較試験・Chiu(2017年)・Journal of Food and Drug Analysis・47人
コレステロールがやや高い成人47人の二重盲検RCT(発酵植物エキス1日60mL、8週間)。体重は60.10→58.61kg、プラセボは59.85→59.54kgで、8週時点でプラセボと有意差。BMI・体脂肪率も低下。体重は主な目的ではない(本文)。
Regulatory efficacy of fermented plant extract on the intestinal microflora and lipid profile in mildly hypercholesterolemic individuals doi:10.1016/j.jfda.2016.10.008
- 2.
ランダム化比較試験・Tan(2025年)・Frontiers in Endocrinology・72人
脂質異常症の成人72人の二重盲検予備試験(完了者55人で解析、みかんの皮などの発酵飲料、8週間)。BMIは0.56対0.13低下し群間差は有意。中性脂肪は摂取群内で低下。腹囲・血圧は変化なし(本文)。
Effects of Chenpi Jiaosu on serum metabolites and intestinal microflora in a dyslipidemia population: a randomized controlled pilot trial doi:10.3389/fendo.2025.1552117
- 3.
系統的レビュー・Dai(2020年)・Journal of the Science of Food and Agriculture
植物発酵食品(いわゆる酵素)の総説。肥満などへの効果の可能性を報告する研究はあるが、有効成分や仕組みを調べた研究は限られ、安全性の研究はごく少ない。
Edible plant Jiaosu: manufacturing, bioactive compounds, potential health benefits, and safety aspects doi:10.1002/jsfa.10518
消化を助ける?
Cランク・根拠が乏しい対象:消化器の病気がない成人(中高年を含む)
病気のない人で、消化酵素のサプリが胃もたれなどの症状を軽くするかを確かめた信頼できる試験はほとんどなく、効くかどうかは分かっていません。健康な中高年30人の試験では、食後の血液中のアミノ酸の量に、はっきりした差は出ませんでした。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文3本
効果の大きさ
プラセボ(成分の入っていないもの)と比べた健康な中高年30人の試験[1]では、食後の血中アミノ酸量にはっきりした差は出ませんでした。変わったのは、ロイシン(アミノ酸の一種)が最高値に達する時間が約20分早まるなど、一部の指標だけでした。
- 試験の内容
- たんぱく質・脂肪・でんぷんの分解酵素を混ぜたサプリを食事と一緒に
- 根拠にした論文
- ランダム化比較試験 3本
注意点
根拠にした論文
- 1.
ランダム化比較試験・Deutz(2026年)・The Journal of Nutrition・30人
健康な中高年30人の二重盲検クロスオーバーRCT。6種類の酵素の混合物を食事ととっても、5時間の血中アミノ酸量は変わらなかった。ロイシンが最高値に達する時間は早まり(121対141分)、食後の血糖と遊離脂肪酸は高かった。酵素メーカーの資金。
Oral Multienzyme Supplementation Alters Postprandial Plasma Nutrient Concentrations after a Mixed Meal in Healthy Middle-Aged and Older Adults: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Crossover Trial doi:10.1016/j.tjnut.2026.101400
- 2.
ランダム化比較試験・Ullah(2023年)・Biomedicine & Pharmacotherapy・120人
機能性ディスペプシアの成人120人の二重盲検RCT。カビ由来の複合酵素(1日2カプセル、2か月)で、胃の不調に関する生活の質・痛み・睡眠の点数がプラセボより改善。副作用なし。
Efficacy of digestive enzyme supplementation in functional dyspepsia: A monocentric, randomized, double-blind, placebo-controlled, clinical trial doi:10.1016/j.biopha.2023.115858
- 3.
ランダム化比較試験・Majeed(2018年)・Journal of Medicinal Food・40人
機能性ディスペプシアの患者40人の二重盲検RCT。特定企業の複合酵素(50mgを1日3回、60日)で胃の不調の点数がすべてプラセボより改善。製品による副作用なし。
Evaluation of the Safety and Efficacy of a Multienzyme Complex in Patients with Functional Dyspepsia: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study doi:10.1089/jmf.2017.4172
このページについて
サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。
安全性
持病のある人や薬を飲んでいる人は、使う前に医師・薬剤師に相談してください。この成分群に固有の公的機関の注意は、2026年10月の確認では見つかりませんでした。HFNet(医薬基盤・健康・栄養研究所のデータベース)には、植物発酵エキスと大麦若葉の青汁を長くとっていた人に、アレルギー性の肝臓の障害が起きた国内の例が載っています(出典: hfnet.nibn.go.jp)。
このページの言葉
- プラセボ
- 見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
- ランダム化比較試験(RCT)
- 参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
- 系統的レビュー
- 決めた手順で、関係する研究をもれなく集めて評価した研究。メタ分析を含むことが多いです。
- 有意差
- 偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。
運動の効果も同じ基準で格付けしています
運動は19項目中4項目がSでした
- サプリ119項目
- ABCD
- 3%
- 運動19項目
- SAB
- 21%
S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。
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