ラクトフェリンに効果はある?
ラクトフェリン(ウシラクトフェリン、腸溶性ラクトフェリン)論文10本で格付け2026-10-04 更新
結論
内臓脂肪にも風邪にも、効くかはまだはっきりしません。
- 内臓脂肪が減った試験は、腹部肥満の日本人26人の1件が中心
- 大人では、風邪などにかかる割合にはっきりした差が出なかった
- 粉ミルクに加えた乳幼児では、感染症が減った結果もある
効くと言われていること
論文では- 内臓脂肪に効く?対象:腹部肥満〜太り気味の日本の成人根拠は限定的
- 風邪など感染症(大人)に効く?対象:健康な成人根拠は限定的
- 風邪など感染症(乳幼児・子ども)に効く?対象:健康な乳幼児・子ども(主にラクトフェリン入り粉ミルク)根拠は限定的
S〜D の決め方は格付けの決め方
代わりにできること
体重と体脂肪は、運動で減ります
運動の格付け:A(根拠あり)
対象:過体重・肥満の成人(研究の多くは指導者つきの運動)
過体重・肥満の人が運動すると、体重と内臓脂肪が減ることが一貫して示されています。運動だけで減る体重は数kg程度です。
ダイエットのサプリと運動の格付けを見る機能性表示食品として売られているとき
ラクトフェリンを機能性関与成分とする機能性表示食品の届出があります(2026年10月3日時点)。国が1つずつ審査した食品ではなく、届出の根拠はこのページの格付けとは別のものです。表示を見るときに確かめること
機能性表示食品として売られているとき
ラクトフェリンを機能性関与成分とする機能性表示食品の届出があります(2026年10月3日時点)。国が1つずつ審査した食品ではなく、届出の根拠はこのページの格付けとは別のものです。表示を見るときに確かめること- 国の審査
- 機能性表示食品は、事業者が科学的根拠などを消費者庁に届け出て、機能を表示する食品です。国が1つずつ審査した食品ではありません。パッケージには「本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません。届け出られた科学的根拠等の情報は消費者庁のウェブサイトで確認できます。」と書くことが決められています。
- 届出番号
- パッケージの「届出番号」を消費者庁の届出データベースに入れると、届け出た事業者が書いた、安全性と機能性の根拠の要約を見られます。
- 「報告されています」
- 消費者庁の手引きは、根拠がその商品(最終製品)を使った臨床試験か、論文を集めて評価した研究レビューかが分かる表現にするよう求めています。研究レビューが根拠のときは、商品についてのレビューでも成分についてのレビューでも「報告されている」ことが分かる表現にし、例として「〜の機能があることが報告されています」を挙げています。最終製品を使った臨床試験で根拠を説明するときの例は「〜の機能があります」です。成分についての研究レビューが根拠のときは、その商品自体に機能があるという根拠ではないことが分かる表現にするとしています。
- 量
- パッケージには、1日あたりの摂取目安量と、その量に含まれる機能性関与成分の量が書かれています。このページの試験で使われた量と比べてください。
- 内臓脂肪:腸で溶けるラクトフェリン錠250〜300mg/日を8〜12週間
- 風邪など感染症(大人):ラクトフェリン200〜600mg/日を4週間〜3か月
- 風邪など感染症(乳幼児・子ども):ラクトフェリン35〜833mg/日(強化粉ミルクなど)を3〜15か月
- 薬
- 薬を飲んでいる人は、医師か薬剤師に相談してから使ってください。パッケージにも、この注意を書くことが決められています。
よくある質問
やめてもいい?
内臓脂肪、風邪など感染症(大人)、風邪など感染症(乳幼児・子ども)を目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはB・B・B)。
ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。
飲んで効いた気がするのはなぜ?
成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。
形や量が違えば効く?
格付けは、試験で使われた形と量での結果です。
- 内臓脂肪:腸で溶けるラクトフェリン錠250〜300mg/日を8〜12週間
- 風邪など感染症(大人):ラクトフェリン200〜600mg/日を4週間〜3か月
- 風邪など感染症(乳幼児・子ども):ラクトフェリン35〜833mg/日(強化粉ミルクなど)を3〜15か月
これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。
効いたという論文もあるのでは?
1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは10件の論文を読み、そのうち3件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。
効果ごとの論文の中身
内臓脂肪に効く?
Bランク・根拠は限定的対象:腹部肥満〜太り気味の日本の成人
腹部肥満の日本人26人が8週間飲んだ試験で、内臓脂肪が減ったという結果はありますが、まだはっきりしません。別の28日間の試験では、体脂肪など体の組成に、はっきりした変化は見られませんでした。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文3本・ほかの成分と運動
効果の大きさ
26人の試験[1]では、CTで測った内臓脂肪の面積が減りました。減った量は、ラクトフェリンを飲んだ人で約15cm²、プラセボ(成分の入っていないもの)を飲んだ人で約2cm²でした。体重の差は約2.5kgでした。
- 試験の内容
- 腸で溶けるラクトフェリン錠250〜300mg/日を8〜12週間
- 根拠にした論文
- ランダム化比較試験 3本
注意点
根拠にした論文
- 1.
ランダム化比較試験・Ono(2010年)・British Journal of Nutrition・26人
腹部肥満の日本人26人の二重盲検試験。腸溶性ラクトフェリン300mg/日を8週間で、CTの内臓脂肪面積が14.6cm²減少(プラセボ1.8cm²)。体重は-1.5kg(プラセボ+1.0kg)。腹囲は減少傾向にとどまった。
Potent anti-obesity effect of enteric-coated lactoferrin: decrease in visceral fat accumulation in Japanese men and women with abdominal obesity after 8-week administration of enteric-coated lactoferrin tablets. doi:10.1017/s0007114510002734
- 2.
ランダム化比較試験・Cox(2017年)・International Journal of Food Sciences and Nutrition
成人を対象にした二重盲検RCT(各群20人)。腸溶性ラクトフェリン200mg、免疫グロブリン、その組み合わせ、プラセボを28日間。体組成は変わらず、血糖・脂質の指標にも群間の有意差はなかった。
Effects of short-term supplementation with bovine lactoferrin and/or immunoglobulins on body mass and metabolic measures: a randomised controlled trial. doi:10.1080/09637486.2016.1224230
- 3.
ランダム化比較試験・El Amrousy(2026年)・Pediatric Drugs・73人
脂肪肝のある肥満の子ども73人のRCT(プラセボなし、両群とも食事制限)。ラクトフェリン100mg/日を3か月で、体重・BMI(28.7対30.2)・ALT・インスリン抵抗性が食事制限のみより低かった。内臓脂肪は測っていない。
Effect of Lactoferrin in Obese Children and Adolescents with Metabolic Dysfunction-Associated Steatotic Disease: A Randomized Controlled Study. doi:10.1007/s40272-026-00742-9
風邪など感染症(大人)に効く?
Bランク・根拠は限定的対象:健康な成人
大人が飲んでも、風邪などの呼吸器の感染症にかかる割合に、はっきりした差は出ませんでした。かかった期間が短くなった試験や、別の成分との組み合わせで風邪が減った試験もあり、結果は一致していません。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文4本・ほかの成分と運動
- 試験の内容
- ラクトフェリン200〜600mg/日を4週間〜3か月
- 根拠にした論文
- メタ分析 1本・ランダム化比較試験 3本
注意点
根拠にした論文
- 1.
メタ分析・Berthon(2022年)・Advances in Nutrition・25研究・2,329人
25研究(2329人、うち大人20研究)の系統的レビュー。呼吸器感染症の指標は10研究中6研究で改善したが、統合すると大人の発症は減らなかった(オッズ比1.00)。乳幼児・子どもでは減少(0.78)。大人では炎症の指標IL-6が下がった。
Effect of Lactoferrin Supplementation on Inflammation, Immune Function, and Prevention of Respiratory Tract Infections in Humans: A Systematic Review and Meta-analysis. doi:10.1093/advances/nmac047
- 2.
ランダム化比較試験・Oda(2021年)・Journal of Microbiology, Immunology and Infection・310人
健康な日本の成人310人(解析290人)の二重盲検RCT。夏の12週間、ラクトフェリン200mgまたは600mg/日で、感染症にかかる割合は変わらなかったが、感染症の期間は中央値3日→2日に短く、600mgでは夏風邪の期間も短かった。
Effects of lactoferrin on infectious diseases in Japanese summer: A randomized, double-blinded, placebo-controlled trial. doi:10.1016/j.jmii.2020.02.010
- 3.
ランダム化比較試験・Vitetta(2013年)・Complementary Therapies in Medicine・126人
風邪をひきやすい成人126人(90人が完了)の二重盲検RCT。ラクトフェリンと免疫グロブリンの配合品600mg/日を90日間で、風邪の回数は48回対112回と少なく、症状の数も少なかったが、寝込んだ日数や重さは有意差なし。
The clinical efficacy of a bovine lactoferrin/whey protein Ig-rich fraction (Lf/IgF) for the common cold: a double blind randomized study. doi:10.1016/j.ctim.2012.12.006
- 4.
ランダム化比較試験・Navarro(2023年)・BioMetals・209人
ペルーの医療従事者209人の二重盲検RCT(ワクチン普及で早期中止)。ラクトフェリン600mg/日を90日間で、新型コロナの感染は10.6%対8.6%(プラセボ)と有意差がなく、発症までの期間なども有意差なし。
Bovine lactoferrin for the prevention of COVID-19 infection in health care personnel: a double-blinded randomized clinical trial (LF-COVID). doi:10.1007/s10534-022-00477-3
風邪など感染症(乳幼児・子ども)に効く?
Bランク・根拠は限定的対象:健康な乳幼児・子ども(主にラクトフェリン入り粉ミルク)
乳幼児や子どもで、呼吸器の感染症や下痢が減ったという結果はありますが、まだはっきりしません。多くはラクトフェリンを加えた粉ミルクと加えていない粉ミルクなどを比べた結果で、鼻やのどの感染症でははっきりした差が出なかった解析もあります。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文4本
- 試験の内容
- ラクトフェリン35〜833mg/日(強化粉ミルクなど)を3〜15か月
- 根拠にした論文
- メタ分析 3本・ランダム化比較試験 1本
注意点
- 粉ミルクとサプリ:多くは粉ミルクに加えた試験で、主に中国などの乳児が対象です。すでに母乳や他の成分をとっている子どもがサプリメントとしてとった場合に、同じ効果があるとは限りません。
- 試験のばらつき:呼吸器感染症が減った解析[1]では、試験間のばらつきが大きくなっていました(I²=86%)。
- 早産児:コクラン・レビュー(国際的な非営利団体コクランが決まった手順で作るまとめ)は、早産児ではラクトフェリンで重い感染症(遅発型敗血症)が減る可能性を示しています。ただし、根拠の確実性は低いものです。これは医療の現場での話で、市販品の使い方とは別です。
根拠にした論文
- 1.
メタ分析・Berthon(2022年)・Advances in Nutrition・5研究
呼吸器感染症の発症の統合(5試験)で、乳幼児・子どもでは発症が減った(オッズ比0.78)が、ばらつきが大きい(I²=86%)。子どもの試験の多くはラクトフェリン強化粉ミルク(35〜833mg/日)だった。
Effect of Lactoferrin Supplementation on Inflammation, Immune Function, and Prevention of Respiratory Tract Infections in Humans: A Systematic Review and Meta-analysis. doi:10.1093/advances/nmac047
- 2.
メタ分析・Mayorga(2025年)・Biochemistry and Cell Biology・25研究
18歳未満のRCT 25件の系統的レビュー。下痢になる子ども(オッズ比0.56、14件)と新生児の遅発型敗血症(0.60)は減ったが、上気道感染症は有意な減少がなかった(0.61、95%信頼区間0.27〜1.40、8件)。
Efficacy of lactoferrin supplementation in pediatric infections: a systematic review and meta-analysis. doi:10.1139/bcb-2024-0181
- 3.
メタ分析・Ali(2021年)・Clinical Nutrition ESPEN・6研究・1,194人
RCT 6件(1194人)のメタ分析。呼吸器感染症のオッズが対照より低かった(オッズ比0.57)。抄録には対象年齢の内訳がなく大人の試験を含む可能性があるが、著者は乳児用粉ミルクへの添加を支持する結果としている。
Lactoferrin reduces the risk of respiratory tract infections: A meta-analysis of randomized controlled trials. doi:10.1016/j.clnesp.2021.08.019
- 4.
ランダム化比較試験・Chen(2016年)・Nutrition・260人
中国の生後4〜6か月の乳児260人の多施設RCT。ラクトフェリン強化粉ミルク(38mg/100g)を3か月飲んだ群で、呼吸器の病気や鼻水・せき・喘鳴、下痢の病気が少なかった。
Effect of bovine lactoferrin from iron-fortified formulas on diarrhea and respiratory tract infections of weaned infants in a randomized controlled trial. doi:10.1016/j.nut.2015.08.010
このページについて
サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。
安全性
牛乳アレルギーの人は、原料を確かめたほうがよいでしょう。ラクトフェリンはウシの乳から作られています。公的機関によるラクトフェリン特有の注意は見当たりません。臨床試験のまとめでは、試験中に起きた体の不調などは、ラクトフェリンの入っていないものと同じくらいとされています。HFNet(医薬基盤・健康・栄養研究所)の素材情報も参考になります(出典: hfnet.nibn.go.jp)。
このページの言葉
- プラセボ
- 見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
- ランダム化比較試験(RCT)
- 参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
- メタ分析・統合
- 同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算し直した研究。1つの試験より、偶然に左右されにくくなります。
- 系統的レビュー
- 決めた手順で、関係する研究をもれなく集めて評価した研究。メタ分析を含むことが多いです。
- コクラン・レビュー
- 国際的な非営利の団体コクランが、決まった手順で作る系統的レビュー。利害関係のある企業からの資金は受けない決まりで作られます。
- 確実性
- 結果がどのくらい確かかについて、解析した研究者が付けた評価(高・中・低・非常に低)。低いほど、今後の研究で結果が変わる可能性が高いことを表します。
- 有意差
- 偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。
- 95%信頼区間(95%CI)
- 結果の数字のぶれの幅。本当の値がおそらく入っている範囲の目安です。差の範囲が 0(比の場合は 1)をまたぐときは、差がない可能性を否定できません。
- オッズ比
- 「起きた人と起きなかった人の比」を2つのグループで比べた比。1 なら差がなく、1 より小さいほど起きにくいことを表します。起きる人が多いことがらでは、起きた人の割合の比とは大きく違うことがあるので、オッズ比 0.5 を「半分になった」とは読めません。
運動の効果も同じ基準で格付けしています
運動は19項目中4項目がSでした
- サプリ119項目
- ABCD
- 3%
- 運動19項目
- SAB
- 21%
S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。
運動のTier表を見る