黒酢・酢に効果はある?
黒酢・酢(酢酸)(食酢、黒酢、りんご酢、酢酸、飲む酢)論文9本で格付け2026-10-04 更新
結論
炭水化物の多い食事と一緒にとると、食後の血糖値の上がり方がおだやかになります。
- 食後の血糖値は平均約15mg/dL下がった
- 体重は約1kg減り、上の血圧は約3mmHg下がったが、根拠は限られる
- 原液は飲まず、薄めること
効くと言われていること
論文では- 内臓脂肪・体重に効く?対象:肥満・過体重の成人、2型糖尿病の人根拠は限定的
- 血圧に効く?対象:血圧が正常高値〜軽い高血圧の成人、肥満・糖尿病の人根拠は限定的
- 食後の血糖値に効く?対象:健康な成人、耐糖能異常や2型糖尿病の人根拠あり
S〜D の決め方は格付けの決め方
代わりにできること
体重と体脂肪は、運動で減ります
運動の格付け:A(根拠あり)
対象:過体重・肥満の成人(研究の多くは指導者つきの運動)
過体重・肥満の人が運動すると、体重と内臓脂肪が減ることが一貫して示されています。運動だけで減る体重は数kg程度です。
ダイエットのサプリと運動の格付けを見る機能性表示食品として売られているとき
酢酸を機能性関与成分とする機能性表示食品の届出があります(2026年10月3日時点)。国が1つずつ審査した食品ではなく、届出の根拠はこのページの格付けとは別のものです。表示を見るときに確かめること
機能性表示食品として売られているとき
酢酸を機能性関与成分とする機能性表示食品の届出があります(2026年10月3日時点)。国が1つずつ審査した食品ではなく、届出の根拠はこのページの格付けとは別のものです。表示を見るときに確かめること- 国の審査
- 機能性表示食品は、事業者が科学的根拠などを消費者庁に届け出て、機能を表示する食品です。国が1つずつ審査した食品ではありません。パッケージには「本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません。届け出られた科学的根拠等の情報は消費者庁のウェブサイトで確認できます。」と書くことが決められています。
- 届出番号
- パッケージの「届出番号」を消費者庁の届出データベースに入れると、届け出た事業者が書いた、安全性と機能性の根拠の要約を見られます。
- 「報告されています」
- 消費者庁の手引きは、根拠がその商品(最終製品)を使った臨床試験か、論文を集めて評価した研究レビューかが分かる表現にするよう求めています。研究レビューが根拠のときは、商品についてのレビューでも成分についてのレビューでも「報告されている」ことが分かる表現にし、例として「〜の機能があることが報告されています」を挙げています。最終製品を使った臨床試験で根拠を説明するときの例は「〜の機能があります」です。成分についての研究レビューが根拠のときは、その商品自体に機能があるという根拠ではないことが分かる表現にするとしています。
- 量
- パッケージには、1日あたりの摂取目安量と、その量に含まれる機能性関与成分の量が書かれています。このページの試験で使われた量と比べてください。
- 内臓脂肪・体重:酢15〜30mL(酢酸750〜1500mg程度)を毎日8〜12週間
- 血圧:酢15〜30mL(酢酸750mg以上)を毎日数週間〜12週間
- 食後の血糖値:食事と一緒に酢を1回とる(量は試験ごとに異なる)
- 薬
- 薬を飲んでいる人は、医師か薬剤師に相談してから使ってください。パッケージにも、この注意を書くことが決められています。
よくある質問
やめてもいい?
根拠があるのは次の効果です。この目的で飲んでいて、対象に当てはまるなら、続ける理由があります。
- 食後の血糖値はA(根拠あり)。対象は健康な成人、耐糖能異常や2型糖尿病の人
内臓脂肪・体重、血圧を目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはB・B)。
ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。
飲んで効いた気がするのはなぜ?
成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。
形や量が違えば効く?
格付けは、試験で使われた形と量での結果です。
- 内臓脂肪・体重:酢15〜30mL(酢酸750〜1500mg程度)を毎日8〜12週間
- 血圧:酢15〜30mL(酢酸750mg以上)を毎日数週間〜12週間
- 食後の血糖値:食事と一緒に酢を1回とる(量は試験ごとに異なる)
これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。
効いたという論文もあるのでは?
1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは9件の論文を読み、そのうち6件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。
効果ごとの論文の中身
内臓脂肪・体重に効く?
Bランク・根拠は限定的対象:肥満・過体重の成人、2型糖尿病の人
酢をとると体重が平均1kgほど減ったと報告されていますが、効果は小さく、BMIや腹囲は解析によって結果が一致していません。内臓脂肪が減ったという結果は、主に日本の1試験によるものです。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文5本・ほかの成分と運動
- 試験の内容
- 酢15〜30mL(酢酸750〜1500mg程度)を毎日8〜12週間
- 確実性(中心にした解析の著者による評価)
- 低い
- 根拠にした論文
- アンブレラレビュー 1本・ランダム化比較試験 2本・メタ分析 2本
注意点
- 撤回された試験:体重を大きく減らしたと報告したレバノンのりんご酢の試験は、2025年に撤回されました(撤回通知: 出典: doi.org)。2025年のりんご酢のメタ分析(複数の試験をまとめて計算し直した研究)[5]は、この試験を統合に含んでいます。2026年のアンブレラレビュー(まとめの研究をさらにまとめた研究)は序論でこの試験に触れているだけで、統合には含めていません。
- 確実性の評価:アンブレラレビュー[1]は体重の結果の確実性を「高い」としました。同じレビュー[1]では、元になったメタ分析の多くは質が低い〜非常に低いと評価されています。
- 試験の条件:試験の多くは小規模で、酢の種類・量・食事指導の有無が試験ごとに異なります。
- 黒酢:黒酢の国内RCT(くじ引きでグループを分けて比べた試験)では、体重に影響はなかったとされています(HFNetの黒酢の項)。
根拠にした論文
- 1.
アンブレラレビュー・Shahmohammadi(2026年)・Food Science & Nutrition・10研究
メタ分析10本(一次研究38件)のアンブレラレビュー。体重は1.06kg減(12試験、GRADEは高いと評価)だが、BMIと腹囲は有意差なし(中程度)。元のメタ分析の多くは質が低い〜非常に低いと評価(本文)。
Vinegar Consumption and Health: An Umbrella Review of Meta‐Analyses of Randomized Controlled Trials doi:10.1002/fsn3.71849
- 2.
ランダム化比較試験・Kondo(2009年)・Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
肥満の日本人の二重盲検RCT(酢15mLまたは30mL入り飲料、12週間)。どちらの量でもプラセボより体重・BMI・内臓脂肪面積・腹囲・血中中性脂肪が低かった。
Vinegar Intake Reduces Body Weight, Body Fat Mass, and Serum Triglyceride Levels in Obese Japanese Subjects doi:10.1271/bbb.90231
- 3.
メタ分析・Valdes(2021年)・Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics・16研究・910人
成人910人のRCT16件(酢酸1日750〜3600mg、平均8週間)。肥満の人の中性脂肪と糖尿病の人の空腹時血糖は下がったが、BMIや体脂肪率は変わらなかった。多くの試験で偏りのリスクが不明または高い。
Effect of Dietary Acetic Acid Supplementation on Plasma Glucose, Lipid Profiles, and Body Mass Index in Human Adults: A Systematic Review and Meta-analysis doi:10.1016/j.jand.2020.12.002
- 4.
ランダム化比較試験・Jasbi(2019年)・Food & Function・45人
腹囲の大きい成人45人の8週間RCT。赤ワインビネガーで空腹時血糖とインスリン抵抗性は改善したが、BMI・体重・腹囲・内臓脂肪(DXA)に群間の有意差はなかった。
Daily red wine vinegar ingestion for eight weeks improves glucose homeostasis and affects the metabolome but does not reduce adiposity in adults doi:10.1039/c9fo01082c
- 5.
メタ分析・Castagna(2025年)・Nutrients・10研究・789人
過体重・肥満・糖尿病の成人789人のRCT10件。りんご酢で体重(効果量-0.39)・BMI・腹囲が減ったが、ばらつきは中〜大。組み入れた試験には後に撤回されたレバノンの試験が含まれる(本文)。
Effect of Apple Cider Vinegar Intake on Body Composition in Humans with Type 2 Diabetes and/or Overweight: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials doi:10.3390/nu17183000
血圧に効く?
Bランク・根拠は限定的対象:血圧が正常高値〜軽い高血圧の成人、肥満・糖尿病の人
酢を毎日とると、上の血圧が3mmHgほど下がったという結果はありますが、まだはっきりしません。下の血圧は、解析によって結果が一致していません。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文2本・ほかの成分と運動
- 試験の内容
- 酢15〜30mL(酢酸750mg以上)を毎日数週間〜12週間
- 確実性(中心にした解析の著者による評価)
- 低い
- 根拠にした論文
- メタ分析 1本・アンブレラレビュー 1本
注意点
- 確実性の評価:アンブレラレビュー(まとめの研究をさらにまとめた研究)[2]は上の血圧の確実性を「高い」としましたが、元になったメタ分析(複数の試験をまとめて計算し直した研究)の多くは質が低いものです。
- 国内の試験:国内の試験(HFNetの要約: 出典: hfnet.nibn.go.jp)は食酢メーカーによるものが多く、4週間の試験でははっきりした差は出ませんでした。
- 薬との関係:酢は血圧の薬の代わりにはなりません。
根拠にした論文
- 1.
メタ分析・Shahinfar(2022年)・Complementary Therapies in Medicine
RCTの用量反応メタ分析。酢30mL/日あたり、上の血圧が3.25mmHg、下の血圧が3.33mmHg低下(いずれもGRADEで低い確実性)。ばらつきは中〜大。
Dose-dependent effect of vinegar on blood pressure: A GRADE-assessed systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials doi:10.1016/j.ctim.2022.102887
- 2.
アンブレラレビュー・Shahmohammadi(2026年)・Food Science & Nutrition・10研究
アンブレラレビュー(血圧はメタ分析5本・一次研究7件)。上の血圧は2.94mmHg低下(GRADEは高いと評価)、下の血圧は有意差なし(中程度)(本文)。
Vinegar Consumption and Health: An Umbrella Review of Meta‐Analyses of Randomized Controlled Trials doi:10.1002/fsn3.71849
食後の血糖値に効く?
Aランク・根拠あり対象:健康な成人、耐糖能異常や2型糖尿病の人
炭水化物の多い食事と一緒に酢をとると、酢なしの同じ食事より、食後の血糖値の上がり方がおだやかになることが示されています。食後の血糖値は平均約15mg/dL下がりましたが、多くは1回の食事で調べた試験の結果です。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文4本・ほかの成分と運動
- 試験の内容
- 食事と一緒に酢を1回とる(量は試験ごとに異なる)
- 確実性(中心にした解析の著者による評価)
- 中程度
- 根拠にした論文
- アンブレラレビュー 1本・メタ分析 2本・ランダム化比較試験 1本
注意点
- 食事の種類:糖尿病の人16人の比較試験(Liatis 2010、ランダム化の記載なし)では、酢の効果は血糖が上がりやすい食事(マッシュポテト)でみられました。全粒パンなど上がりにくい食事では、はっきりした差は出ませんでした。
- 時点:糖尿病の人の試験をまとめた解析[3]では、食後の血糖が有意に低かったのは30分の時点だけで、それより後の時点は低めでしたが有意差(偶然では説明しにくい差)はありませんでした。
- 長く続けたとき:長く続けたときの血糖管理への効果は別の問題です。
根拠にした論文
- 1.
アンブレラレビュー・Shahmohammadi(2026年)・Food Science & Nutrition・10研究
アンブレラレビュー。メタ分析4本の15件のRCTで、食後血糖が14.59mg/dL低下(中程度の確実性、ばらつき大)、食後インスリンも低下(本文)。
Vinegar Consumption and Health: An Umbrella Review of Meta‐Analyses of Randomized Controlled Trials doi:10.1002/fsn3.71849
- 2.
メタ分析・Shishehbor(2017年)・Diabetes Research and Clinical Practice
対照のある試験のメタ分析。食事と一緒に酢をとると、食後の血糖(効果量-0.60)とインスリン(-1.30)の曲線下面積が低下。
Vinegar consumption can attenuate postprandial glucose and insulin responses; a systematic review and meta-analysis of clinical trials doi:10.1016/j.diabres.2017.01.021
- 3.
メタ分析・Siddiqui(2018年)・Journal of Evidence-Based Integrative Medicine
糖尿病の人の臨床試験のメタ分析。食後30分の血糖は有意に低く、60〜120分は低い傾向だが有意差なし。8〜12週間後のHbA1cはわずかに低下(-0.39%)。
Diabetes Control: Is Vinegar a Promising Candidate to Help Achieve Targets? doi:10.1177/2156587217753004
- 4.
ランダム化比較試験・Östman(2005年)・European Journal of Clinical Nutrition・12人
健康な12人のランダム化クロスオーバー試験。白パンに酢(酢酸18〜28mmol)を加えると、量に応じて食後30分の血糖とインスリンが下がり、満腹感が増した。
Vinegar supplementation lowers glucose and insulin responses and increases satiety after a bread meal in healthy subjects doi:10.1038/sj.ejcn.1602197
このページについて
サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。
安全性
酢は原液のまま飲まず、薄めて飲んでください。この成分に固有の公的機関の注意は見つかりませんでした(2026年10月確認)。HFNet(医薬基盤・健康・栄養研究所のデータベース)には、原液や濃い酢を飲んで食道や胃の粘膜を傷めた国内の例や、黒酢とイトラコナゾール(カビによる感染症の薬)を一緒にとって、薬の血液中の濃さが上がった報告が載っています(出典: hfnet.nibn.go.jp)。8週間の試験では、歯の酸蝕(酸で歯が溶けること)が進みました(出典: doi.org)。
このページの言葉
- プラセボ
- 見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
- ランダム化比較試験(RCT)
- 参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
- メタ分析・統合
- 同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算し直した研究。1つの試験より、偶然に左右されにくくなります。
- アンブレラレビュー
- いくつもの系統的レビューやメタ分析を、さらにまとめた研究。
- 効果量
- 測り方の違う試験どうしでも比べられるように、差の大きさをそろえた数字(このサイトでは主に、平均の差を標準化したもの)。マイナスの符号は減った向きを表し、符号を除いた大きさが 0.2 前後で「小さい」、0.5 前後で「中くらい」、0.8 以上で「大きい」が目安です。
- 確実性
- 結果がどのくらい確かかについて、解析した研究者が付けた評価(高・中・低・非常に低)。低いほど、今後の研究で結果が変わる可能性が高いことを表します。
- 有意差
- 偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。
- GRADE
- 結果がどのくらい確かかを、研究の質やばらつきから「高・中・低・非常に低」で評価する国際的な方法。
運動の効果も同じ基準で格付けしています
運動は19項目中4項目がSでした
- サプリ119項目
- ABCD
- 3%
- 運動19項目
- SAB
- 21%
S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。
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