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えびらぼ

HMBに効果はある?

HMB(β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸、HMBカルシウム、ヒドロキシメチルブチレート)論文11本で格付け2026-10-04 更新

結論

筋トレに慣れた人が飲んでも、筋力の伸びにはっきりした差は出ていません。

  • 人数が少なく、効かないとまでは言い切れない
  • 中高年では、筋肉量や握力がわずかに増えたという結果もある
  • 中高年でも、筋トレに足した場合は筋肉量にはっきりした差は出なかった

効くと言われていること

論文では

S〜D の決め方は格付けの決め方

代わりにできること

筋肉をつける土台は、筋トレそのもの

運動の格付け:S(根拠が強い)

対象:健康な成人と高齢者(研究の多くは指導者つきの筋トレ)

プロテインやクレアチンの効果は、ほとんどが筋トレと一緒にとった場合の結果です。筋トレそのものの格付けと並べて見られます。

筋肉をつけるサプリと筋トレの格付けを見る

機能性表示食品として売られているとき

HMBカルシウムを機能性関与成分とする機能性表示食品の届出があります(2026年10月3日時点)。国が1つずつ審査した食品ではなく、届出の根拠はこのページの格付けとは別のものです。表示を見るときに確かめること
国の審査
機能性表示食品は、事業者が科学的根拠などを消費者庁に届け出て、機能を表示する食品です。国が1つずつ審査した食品ではありません。パッケージには「本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません。届け出られた科学的根拠等の情報は消費者庁のウェブサイトで確認できます。」と書くことが決められています。
届出番号
パッケージの「届出番号」を消費者庁の届出データベースに入れると、届け出た事業者が書いた、安全性と機能性の根拠の要約を見られます。
「報告されています」
消費者庁の手引きは、根拠がその商品(最終製品)を使った臨床試験か、論文を集めて評価した研究レビューかが分かる表現にするよう求めています。研究レビューが根拠のときは、商品についてのレビューでも成分についてのレビューでも「報告されている」ことが分かる表現にし、例として「〜の機能があることが報告されています」を挙げています。最終製品を使った臨床試験で根拠を説明するときの例は「〜の機能があります」です。成分についての研究レビューが根拠のときは、その商品自体に機能があるという根拠ではないことが分かる表現にするとしています。
量
パッケージには、1日あたりの摂取目安量と、その量に含まれる機能性関与成分の量が書かれています。このページの試験で使われた量と比べてください。
  • 筋量・筋力(トレーニング経験者):HMB 1日約3g(カルシウム塩など)を数週間〜数か月、トレーニングと併用
  • 筋量・筋力(高齢者):HMB 1日約1.5〜3g(単独または栄養剤に配合)を数週間〜数か月
薬
薬を飲んでいる人は、医師か薬剤師に相談してから使ってください。パッケージにも、この注意を書くことが決められています。
この欄の出典

よくある質問

やめてもいい?

筋量・筋力(トレーニング経験者)、筋量・筋力(高齢者)を目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはC・B)。

ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。

飲んで効いた気がするのはなぜ?

成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。

形や量が違えば効く?

格付けは、試験で使われた形と量での結果です。

  • 筋量・筋力(トレーニング経験者):HMB 1日約3g(カルシウム塩など)を数週間〜数か月、トレーニングと併用
  • 筋量・筋力(高齢者):HMB 1日約1.5〜3g(単独または栄養剤に配合)を数週間〜数か月

これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。

効いたという論文もあるのでは?

1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは11件の論文を読み、そのうち9件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。

効果ごとの論文の中身

C

筋量・筋力(トレーニング経験者)に効く?

Cランク・根拠が乏しい対象:筋トレ経験者・競技アスリート(主に18〜45歳)

筋トレ経験のある人やアスリートが飲んでも、筋力や、体重のうち脂肪以外の部分の増え方に、はっきりした差は出ませんでした。調べた人数が少なく、効かないとまでは言い切れません。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文5本・ほかの成分と運動

効果の大きさ

アスリートの6試験(193人)をまとめると[1]、効果量(差の大きさをそろえた数字)はベンチプレス0.00、レッグプレス0.09、除脂肪量0.16でした。いずれも「ごくわずか」で、どの項目にもはっきりした差は出ていません。

試験の内容
HMB 1日約3g(カルシウム塩など)を数週間〜数か月、トレーニングと併用
根拠にした論文
メタ分析 4本・学会の見解 1本

注意点

  • 筋トレ初心者:筋トレ経験のない若い男性では、HMBを加えると脚の筋力が少し多く増えたとする解析[4]があります。
  • たんぱく質の摂取量:アスリートの除脂肪量は、たんぱく質の摂取が少ない場合に限り、少し多く増える可能性が示されました[3]。ただし有意差(偶然では説明しにくい差)はありませんでした。
  • 学会の見解:HMBに好意的な国際スポーツ栄養学会の見解(2025)[5]も、鍛えたアスリートでの運動能力への効果は一貫しないとしています。この見解の筆頭著者は、HMBの特許を持つ側の関係者です。

格付けの理由

トレーニング経験者・競技者の試験をまとめた解析[1]は、トレーニングにHMBを加えても効果は増えないと結論しました。若年者11試験の解析[2]と、経験者での効果をごくわずかとした解析[4]も同じ結論です。ただし人数が少なく、効果を否定できるほどの精度はないため、C(根拠が乏しい)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    メタ分析・Sanchez-Martinez(2018年)・Journal of Science and Medicine in Sport・6研究・193人

    トレーニング経験者・競技者の6件のRCT(193人)。HMBの効果はベンチプレス0.00、レッグプレス0.09、体重-0.01、除脂肪量0.16、脂肪量-0.20と、いずれもごくわずかで有意差なし。用量・期間・トレーニング歴・食事で分けても同じ。

    Effects of beta-hydroxy-beta-methylbutyrate supplementation on strength and body composition in trained and competitive athletes: A meta-analysis of randomized controlled trials doi:10.1016/j.jsams.2017.11.003

  2. 2.

    メタ分析・Jakubowski(2020年)・Nutrients・11研究・302人

    筋トレをする18〜45歳の11研究(体組成302人、筋力248人)。HMBで体重はわずかに増えたが、除脂肪量・脂肪量・筋力には有意差なし。筋トレ時の体組成・筋力改善を目的とした使用は支持されないと結論。

    Supplementation with the Leucine Metabolite β-hydroxy-β-methylbutyrate (HMB) does not Improve Resistance Exercise-Induced Changes in Body Composition or Strength in Young Subjects: A Systematic Review and Meta-Analysis doi:10.3390/nu12051523

  3. 3.

    メタ分析・Holland(2022年)・Journal of Strength & Conditioning Research・7研究・208人

    アスリートのメタ分析(体重7研究208人、除脂肪量5研究161人)。除脂肪量は小さな上乗せの可能性(0.30、95%CI -0.07〜0.68、p=0.08で有意差なし)があるが、たんぱく質摂取が1.6g/kg/日未満の場合に限られる様子。体重・脂肪量は変わらず。

    Does HMB Enhance Body Composition in Athletes? A Systematic Review and Meta-analysis doi:10.1519/jsc.0000000000003461

  4. 4.

    メタ分析・Rowlands(2009年)・Journal of Strength and Conditioning Research・9研究・394人

    筋トレ中の若い男性の9研究(394人)。未経験者では下半身(9.9%)と平均の筋力に小さな上乗せがあったが、経験者ではすべての筋力項目で効果はごくわずか。脂肪量・除脂肪量への効果もごくわずか。

    Effects of beta-hydroxy-beta-methylbutyrate supplementation during resistance training on strength, body composition, and muscle damage in trained and untrained young men: a meta-analysis doi:10.1519/jsc.0b013e3181a00c80

  5. 5.

    学会の見解・Rathmacher(2025年)・Journal of the International Society of Sports Nutrition

    国際スポーツ栄養学会の見解(2025年)。HMBは未経験者の筋力・パワーを高める可能性があるが、鍛えたアスリートでの効果は一貫しない。運動と組み合わせると体組成を改善しうる。1年までの摂取は安全としている。

    International society of sports nutrition position stand: β-hydroxy-β-methylbutyrate (HMB) doi:10.1080/15502783.2024.2434734

B

筋量・筋力(高齢者)に効く?

Bランク・根拠は限定的対象:50歳以上の中高年・高齢者(サルコペニアの人を含む)

中高年や高齢者がHMBやHMB入りの栄養剤を飲むと、筋肉量や握力がわずかに増えたという結果はありますが、まだはっきりしません。筋トレと一緒に飲んだ試験では、筋トレだけのときと比べて筋肉量にはっきりした差は出ていません。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文6本・ほかの成分と運動

効果の大きさ

50歳を超える人の21試験をまとめると[3]、手足の筋肉量が平均1.56kg(幅0.03〜3.09kgと非常に広い)、握力が0.54kg多く増えました。筋トレと併用した13試験[1]では、筋肉量・筋力とも、筋トレだけの場合とはっきりした差は出ませんでした。

試験の内容
HMB 1日約1.5〜3g(単独または栄養剤に配合)を数週間〜数か月
確実性(中心にした解析の著者による評価)
低い
根拠にした論文
メタ分析 5本・ランダム化比較試験 1本

注意点

  • HMB単独の効果:改善を示した解析には、HMBを含む栄養剤(たんぱく質などを配合)や病気のある人の試験が含まれています[5]。このため、HMB単独の効果は区別しにくくなっています。
  • サルコペニアの人:サルコペニアの人の5試験をまとめた解析[4]では、筋肉量・握力の改善が示されましたが、試験数は少数で、著者は慎重な解釈が必要としています。
  • 筋トレとの併用:筋トレと組み合わせた場合に、握力がわずかに(有意かどうかの境目)、身体機能の総合評価(SPPB)が中程度に改善し、歩く速さには有意差(偶然では説明しにくい差)がなかったとする解析[2]もあります。

格付けの理由

1935人の解析[3]は筋肉量・筋力の改善を示しました。しかし、筋トレとの併用を調べた解析[1]と10試験の解析[2]では、筋トレだけの場合と比べて筋肉量に有意差はありませんでした。筋肉量の少ない日本の高齢女性156人のRCT(くじ引きでグループを分けて比べた試験)[6]でも運動にHMBを加えた効果はほぼなく、結果が一致しないため、B(根拠は限定的)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    メタ分析・Wang(2026年)・Age and Ageing・13研究・561人

    50歳以上で筋トレにHMBを加えた13件のRCT(561人)。脂肪量(0.24)、筋肉量(0.05、95%CI -0.10〜0.20)、筋力(0.04)とも上乗せなし。筋トレできる人に日常的な追加は勧められないと結論。

    Efficacy of HMB supplementation as an adjunct to resistance training in older adults: a comprehensive meta-analysis doi:10.1093/ageing/afag073

  2. 2.

    メタ分析・García-Alonso(2025年)・Nutrients・10研究・596人

    高齢者で筋トレ+HMBと筋トレのみを比べた10件のRCT(596人)。握力はわずかに改善(効果量0.24、p=0.05)、身体機能の総合評価(SPPB)は中程度の改善(0.54)。歩行速度・手足の筋肉量・脂肪量などに有意差なし。半数の試験はバイアスのリスクが高い。

    The Role of HMB Supplementation in Enhancing the Effects of Resistance Training in Older Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis on Muscle Quality, Body Composition, and Physical Function doi:10.3390/nu17223624

  3. 3.

    メタ分析・Li(2025年)・Frontiers in Nutrition・21研究・1,935人

    50歳超の21件のRCT(1935人)。HMBで手足の筋肉量が1.56kg(95%CI 0.03〜3.09)、除脂肪量が0.28kg、握力が0.54kg増え、椅子立ち上がり(-0.73秒)と歩行速度(+0.06m/秒)も改善。1日3g・12週間超で効果がみられた。

    Effects of oral supplementation of β -hydroxy-β -methylbutyrate on muscle mass and strength in individuals over the age of 50: a meta-analysis doi:10.3389/fnut.2025.1522287

  4. 4.

    メタ分析・Gu(2025年)・Maturitas・5研究

    サルコペニア患者の5件のRCT(項目ごとに154〜359人)。HMBで骨格筋指数(効果量0.32、95%CI 0.00〜0.64)と握力(0.65)が改善したが歩行速度は変わらず。根拠は限られ慎重な解釈が必要としている。

    The effects of β-hydroxy-β-methylbutyrate supplementation in patients with sarcopenia: A systematic review and meta-analysis doi:10.1016/j.maturitas.2025.108219

  5. 5.

    メタ分析・Bear(2019年)・The American Journal of Clinical Nutrition・15研究・2,137人

    筋肉が減る病気などの患者の15件のRCT(2137人)。HMB単独またはHMB配合栄養剤で筋肉量(効果量0.25、95%CI -0.00〜0.50)と筋力(0.31)がわずかに増加。効果は小さく、全項目でバイアスが低い試験はなかった。

    β-Hydroxy-β-methylbutyrate and its impact on skeletal muscle mass and physical function in clinical practice: a systematic review and meta-analysis doi:10.1093/ajcn/nqy373

  6. 6.

    ランダム化比較試験・Osuka(2021年)・The American Journal of Clinical Nutrition・156人

    筋肉量の少ない65〜79歳の日本人女性156人の二重盲検RCT(12週間、2×2要因)。HMBカルシウム1日1500mgは運動の効果を高めず、筋肉量への上乗せなし。HMBの効果は通常歩行速度+0.06m/秒のわずかな改善のみで、有効だったのは運動だけだった。

    Effects of exercise and/or β-hydroxy-β-methylbutyrate supplementation on muscle mass, muscle strength, and physical performance in older women with low muscle mass: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial doi:10.1093/ajcn/nqab176

このページについて

サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。

安全性

HMBに固有の公的な注意は見つかりませんでした。HFNet(出典: hfnet.nibn.go.jp)の健康被害や薬との飲み合わせの情報にも載っていません。国際スポーツ栄養学会の見解(2025: 出典: doi.org)は、1年までとっても安全上の問題はないとしています。この見解の著者は、HMBの特許・販売に関わる企業の関係者です。

このページの言葉
ランダム化比較試験(RCT)
参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
メタ分析・統合
同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算し直した研究。1つの試験より、偶然に左右されにくくなります。
効果量
測り方の違う試験どうしでも比べられるように、差の大きさをそろえた数字(このサイトでは主に、平均の差を標準化したもの)。マイナスの符号は減った向きを表し、符号を除いた大きさが 0.2 前後で「小さい」、0.5 前後で「中くらい」、0.8 以上で「大きい」が目安です。
確実性
結果がどのくらい確かかについて、解析した研究者が付けた評価(高・中・低・非常に低)。低いほど、今後の研究で結果が変わる可能性が高いことを表します。
有意差
偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。
95%信頼区間(95%CI)
結果の数字のぶれの幅。本当の値がおそらく入っている範囲の目安です。差の範囲が 0(比の場合は 1)をまたぐときは、差がない可能性を否定できません。

運動の効果も同じ基準で格付けしています

運動は19項目中4項目がSでした

掲載した項目の内訳Sの割合
サプリ119項目
3%
運動19項目
21%

S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。

運動のTier表を見る

ほかの成分の格付け(Tier表)