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えびらぼ

ビタミンCは風邪の予防(一般の人)に効果なし?

ビタミンC(アスコルビン酸、L-アスコルビン酸)論文9本で格付け2026-10-04 更新

結論

一般の人が毎日飲んでも風邪はほとんど防げませんが、ひいたときの期間は少し短くなります。

  • 期間は大人で約8%、子どもで約14%短くなる
  • 風邪をひいてから飲み始めても、はっきりした効果は出ていない

効くと言われていること

論文では

S〜D の決め方は格付けの決め方

飲む前に:公的機関の注意があります

飲む前に知っておくこと

がんの治療中の人や、コレステロールを下げる薬を飲んでいる人は、サプリを使う前に医師などに相談してください。血色素症(ヘモクロマトーシス)の人は、大量にとるのを避けてください。とりすぎると、下痢・吐き気・胃けいれんが起こることがあります。厚生労働省の情報サイト(eJIM)が、米国の公的機関(NCCIH)の情報を訳して、こうした注意を載せています(出典: ejim.mhlw.go.jp)。

よくある質問

やめてもいい?

根拠があるのは次の効果です。この目的で飲んでいて、対象に当てはまるなら、続ける理由があります。

  • 風邪の期間・重さはA(根拠あり)。対象は一般の子ども・成人(主に健康な人)

風邪の予防(一般の人)、肌(シワ・シミ、飲む場合)を目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはD・C)。

ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。続ける場合は、このページの「飲む前に知っておくこと」(公的機関の注意情報)を先に読んでください。

飲んで効いた気がするのはなぜ?

成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。

形や量が違えば効く?

格付けは、試験で使われた形と量での結果です。

  • 風邪の予防(一般の人):1日0.2g以上(多くは1g以上)を毎日継続して飲む
  • 風邪の期間・重さ:毎日の継続摂取(1日0.2g以上、多くは1g以上)。発症後に飲み始める方法も検討
  • 肌(シワ・シミ、飲む場合):ビタミンCのサプリを飲む(単独)

これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。

効いたという論文もあるのでは?

1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは9件の論文を読み、そのうち6件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。

効果ごとの論文の中身

D

風邪を防ぐ?(一般の人)

Dランク・効かないという根拠対象:特別な運動負荷のない一般の子ども・成人

一般の人が毎日飲んでも、風邪をひく人の割合は、ビタミンCの入っていないものを飲んだ人とほとんど変わらないことが確かめられています。マラソン選手やスキーヤーなど、短い期間に激しい運動をする人では、風邪をひく人が半分になりました。

注意点

  • 激しい運動をする人:マラソン選手・スキーヤー・寒冷地で訓練する兵士など、短期間に激しい身体負荷を受ける人の5試験(598人)では、風邪をひく人が半分になりました[1]。この結果は一般の人には当てはまりません。
  • 研究の新しさ:コクラン・レビュー(国際的な非営利団体コクランが決まった手順で作るまとめ)[1]の文献検索は2012年までで、それ以降は更新されていません。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文3本・ほかの成分と運動

効果の大きさ

一般の人の試験(約1万700人)をまとめると、風邪をひく人の割合はプラセボ(成分の入っていないもの)を飲んだ人とほぼ同じでした(相対リスク0.97、差があっても数%)。

試験の内容
1日0.2g以上(多くは1g以上)を毎日継続して飲む
根拠にした論文
コクラン・レビュー 1本・メタ分析 2本

格付けの理由

コクラン・レビュー[1]で一般の人の試験(10,708人)をまとめると、差があってもごくわずかな範囲(相対リスクの95%CI 0.94〜1.00)に精度よく収まりました。その後の2件のメタ分析(複数の試験をまとめて計算し直した研究)[2][3]でも、差は4〜6%程度と小さいか、有意差(偶然では説明しにくい差)がありませんでした。成人の急性呼吸器感染症を調べた[2]ではリスクがわずかに下がり、著者は予防にわずかに有効かもしれないとしていますが、差の大きさは[1]と近く、実感できるほどではないため、D(効かないという根拠)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    コクラン・レビュー・Hemilä(2013年)・Cochrane Database of Systematic Reviews・29研究・11,306人

    毎日0.2g以上を飲むプラセボ対照試験29件(11,306人)の統合。一般の人の試験(10,708人)では風邪をひく割合はほぼ変わらなかった(相対リスク0.97、95%CI 0.94〜1.00)。マラソン選手・スキーヤー・兵士の5試験(598人)では半分になった(0.48)。

    Vitamin C for preventing and treating the common cold doi:10.1002/14651858.cd000980.pub4

  2. 2.

    メタ分析・Abioye(2021年)・BMJ Global Health

    成人のRCTのメタ分析。ビタミンCで急性呼吸器感染症のリスクがわずかに低下(相対リスク0.96、95%CI 0.93〜0.99)。効果は男性や中所得国で大きく、女性や高所得国では小さかった。

    Effect of micronutrient supplements on influenza and other respiratory tract infections among adults: a systematic review and meta-analysis doi:10.1136/bmjgh-2020-003176

  3. 3.

    メタ分析・Keya(2022年)・Current Reviews in Clinical and Experimental Pharmacology・10研究

    プラセボ対照試験10件の系統的レビュー・メタ分析。毎日のビタミンCで呼吸器の病気にかかる割合は有意には減らなかった(相対リスク0.94、95%CI 0.87〜1.01)。

    Effect of Vitamin C Supplements on Respiratory Tract Infections: A Systematic Review and Meta-Analysis doi:10.2174/2772432817666211230100723

A

風邪が早く治る?軽くなる?

Aランク・根拠あり対象:一般の子ども・成人(主に健康な人)

毎日飲み続けていると、風邪の期間が少し短くなることが、一貫して示されています。大人で約8%、子どもで約14%短くなり、7日の風邪なら約半日〜1日です。風邪をひいてから飲み始めた試験では、はっきりした効果は出ていません。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文4本・ほかの成分と運動

効果の大きさ

毎日飲んでいた場合、風邪の期間は大人で約8%、子どもで約14%短くなりました(7日の風邪なら約半日〜1日)。風邪の重さが約15%軽くなったという解析[2]もあります。

試験の内容
毎日の継続摂取(1日0.2g以上、多くは1g以上)。発症後に飲み始める方法も検討
根拠にした論文
コクラン・レビュー 1本・メタ分析 3本

注意点

  • 飲み始める時期:この効果は、風邪をひく前から毎日飲んでいた場合のものです。症状が出てから飲み始めた試験(7比較)では、期間・重さへの一貫した効果はありませんでした[1]。
  • 量:重さへの効果を示した解析[2]は、1日1g以上の試験に限っています。

格付けの理由

コクラン・レビュー(国際的な非営利団体コクランが決まった手順で作るまとめ)[1](31比較・9,745回の風邪)では、毎日の摂取で大人・子どもとも風邪の期間が短くなり、重さも軽くなりました。期間が短くなる結果は、その後の成人の急性呼吸器感染症のメタ分析(複数の試験をまとめて計算し直した研究)[3]と呼吸器感染症のメタ分析[4]でも同じ方向でしたが、重さについては、風邪で軽くなった解析[2]と、呼吸器感染症で一貫した効果がなかった解析[4]があります。効果が小さく、発症後の摂取では一貫しないため、A(根拠あり)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    コクラン・レビュー・Hemilä(2013年)・Cochrane Database of Systematic Reviews・31研究

    31比較(9,745回の風邪)で、毎日のビタミンCにより風邪の期間が大人で8%(3〜12%)、子どもで14%(7〜21%)短くなり、重さも軽減。発症時に飲み始めた7比較(3,249回)では期間・重さへの一貫した効果はなかった。

    Vitamin C for preventing and treating the common cold doi:10.1002/14651858.cd000980.pub4

  2. 2.

    メタ分析・Hemilä(2023年)・BMC Public Health・10研究

    1日1g以上を使った二重盲検ランダム化プラセボ対照試験10件(15比較)。風邪の重さが15%(95%CI 9〜21%)軽くなった。一部の比較では、効果は軽い症状より重い症状の期間に表れた。

    Vitamin C reduces the severity of common colds: a meta-analysis doi:10.1186/s12889-023-17229-8

  3. 3.

    メタ分析・Abioye(2021年)・BMJ Global Health

    成人のRCTのメタ分析で、ビタミンCにより急性呼吸器感染症の症状の期間が9%(95%CI 2〜16%)短くなった。

    Effect of micronutrient supplements on influenza and other respiratory tract infections among adults: a systematic review and meta-analysis doi:10.1136/bmjgh-2020-003176

  4. 4.

    メタ分析・Keya(2022年)・Current Reviews in Clinical and Experimental Pharmacology・10研究

    プラセボ対照試験10件。毎日のビタミンCで呼吸器感染症の期間が短くなった(効果量-0.36、95%CI -0.62〜-0.09)が、重さへの一貫した効果はなかった。

    Effect of Vitamin C Supplements on Respiratory Tract Infections: A Systematic Review and Meta-Analysis doi:10.2174/2772432817666211230100723

C

肌(シワ・シミ、飲む場合)に効く?

Cランク・根拠が乏しい対象:健康な成人

飲むビタミンCだけでシワやシミが減るかを人で確かめた試験は見当たらず、効くかどうかは分かっていません。日焼けのしやすさも、ビタミンCだけを飲んだ試験では、はっきりした変化は出ていません。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文5本

効果の大きさ

日焼けの赤みが出る紫外線量は、ビタミンC単独(1日3gを50日間、または1日2gを1週間)では、飲む前と比べてはっきりした差(有意差)は出ませんでした。シワ・シミを調べたビタミンC単独の試験はないため、その効果の大きさは示せません。

試験の内容
ビタミンCのサプリを飲む(単独)
根拠にした論文
系統的レビュー 2本・ランダム化比較試験 3本

注意点

  • 食事との関係:食事からのビタミンC摂取量が多い女性ほどシワが目立たないという観察研究(Cosgrove 2007)がありますが、因果関係は分かりません。
  • ビタミンEとの併用:ビタミンEと一緒に大量に飲むと日焼けしにくくなったという小規模な試験(数日〜3か月、10〜45人程度)もあります。
  • 塗る場合:肌に塗るビタミンCは別の話で、ここでは扱っていません。

格付けの理由

飲むサプリの系統的レビュー(2025年)[1]は、ビタミン単独での日焼け防止効果の根拠が最も弱いとしました。2015年のレビュー[2]も、試験が小規模なため結果の一般化には限界があるとしています。小規模な試験[3][4]では、ビタミンC単独([3]は1日3gを50日間、[4]は1日2gを1週間)では日焼けの起こりやすさに有意な変化はなく、ビタミンEとの併用で赤みが出る紫外線量が増えました。シワ・シミを直接調べた単独の試験はないため、C(根拠が乏しい)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    系統的レビュー・Natarelli(2025年)・Journal of Medicinal Food・47研究

    飲むサプリの紫外線防御効果を調べた人の研究47件の系統的レビュー。根拠が比較的あるのはポリフェノール・カロテノイドなどで、ビタミン単独の補給の根拠は最も弱かった。研究は小規模・短期間のものが多い。

    Oral Supplements and Photoprotection: A Systematic Review doi:10.1089/jmf.2024.0023

  2. 2.

    系統的レビュー・Tuong(2015年)・Journal of Dermatological Treatment・51研究

    植物成分・ビタミン(塗る・飲む)の紫外線防御効果を調べた臨床研究51件の系統的レビュー。効果の可能性を示す根拠は限られ、試験が小規模なため一般化できず、質の高い試験が必要としている。

    Photoprotective effect of botanicals and vitamins: A systematic review of clinical trials doi:10.3109/09546634.2015.1027647

  3. 3.

    ランダム化比較試験・Fuchs(1998年)・Free Radical Biology and Medicine

    ランダム化プラセボ対照試験。50日後、ビタミンC 3g/日単独やビタミンE単独では紫外線による赤みの出方は有意に変わらず、ビタミンCとEの併用でのみ赤みが出る紫外線量が増えた(103→183 mJ/cm²)。

    Modulation of UV-light-induced skin inflammation by d-alpha-tocopherol and l-ascorbic acid: a clinical study using solar simulated radiation doi:10.1016/s0891-5849(98)00132-4

  4. 4.

    ランダム化比較試験・Mireles-Rocha(2002年)・Acta Dermato-Venereologica・45人

    健康な45人の単盲検比較試験(1週間)。ビタミンC 2g/日単独では赤みが出る紫外線量は変わらず、ビタミンE単独、特にCとEの併用で増えた。

    UVB Photoprotection with Antioxidants: Effects of Oral Therapy with d-α-Tocopherol and Ascorbic Acid on the Minimal Erythema Dose doi:10.1080/000155502753600830

  5. 5.

    ランダム化比較試験・Eberlein-König(1998年)・Journal of the American Academy of Dermatology・10人

    10人の二重盲検プラセボ対照試験。ビタミンC 2g+ビタミンE 1000IUを8日間飲むと、赤みが出る紫外線量の中央値が80→96.5 mJ/cm²に増え、プラセボ群では減った。ビタミンC単独は調べていない。

    Protective effect against sunburn of combined systemic ascorbic acid (vitamin C) and d-alpha-tocopherol (vitamin E) doi:10.1016/s0190-9622(98)70537-7

このページについて

サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。

このページの言葉
プラセボ
見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
ランダム化比較試験(RCT)
参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
メタ分析・統合
同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算し直した研究。1つの試験より、偶然に左右されにくくなります。
系統的レビュー
決めた手順で、関係する研究をもれなく集めて評価した研究。メタ分析を含むことが多いです。
コクラン・レビュー
国際的な非営利の団体コクランが、決まった手順で作る系統的レビュー。利害関係のある企業からの資金は受けない決まりで作られます。
効果量
測り方の違う試験どうしでも比べられるように、差の大きさをそろえた数字(このサイトでは主に、平均の差を標準化したもの)。マイナスの符号は減った向きを表し、符号を除いた大きさが 0.2 前後で「小さい」、0.5 前後で「中くらい」、0.8 以上で「大きい」が目安です。
有意差
偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。
95%信頼区間(95%CI)
結果の数字のぶれの幅。本当の値がおそらく入っている範囲の目安です。差の範囲が 0(比の場合は 1)をまたぐときは、差がない可能性を否定できません。
リスク比(相対リスク)・率比
起きた人の割合を2つのグループで比べた比。率比は、観察した人数と期間をそろえた起きる頻度(たとえば100人が1年あたりに起こす回数)の比。どちらも 1 なら差がなく、0.8 なら2割少ないことを表します。
eJIM
厚生労働省の「『統合医療』に係る情報発信等推進事業」のサイト。サプリなどについて、海外の公的機関の情報を翻訳して載せています。

運動の効果も同じ基準で格付けしています

運動は19項目中4項目がSでした

掲載した項目の内訳Sの割合
サプリ119項目
3%
運動19項目
21%

S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。

運動のTier表を見る

ほかの成分の格付け(Tier表)