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えびらぼ

ビタミンDは骨折・転倒の予防(一般の高齢者)に効果なし?

ビタミンD(ビタミンD3、コレカルシフェロール)論文16本で格付け2026-10-04 更新

結論

一般の中高年がビタミンDだけを飲んでも、骨折や転倒はほとんど減りません。

  • カルシウムと一緒でも、骨折の減り方はごく小さい
  • 不足しがちな介護施設の高齢者では、転倒の回数が減った
  • 風邪など呼吸器の感染症にも、はっきりした差は出なかった

効くと言われていること

論文では

S〜D の決め方は格付けの決め方

飲む前に:公的機関の注意があります

代わりにできること

高齢者の転倒は、運動で約2割減ります

運動の格付け:S(根拠が強い)

対象:地域で暮らす60歳以上の人

自宅などで暮らす60歳以上の人が、バランスや動作の運動を含む運動を続けると、転倒が減ることが確かめられています。骨折まで減るかは、まだはっきりしません。

転倒・骨折のサプリと運動の格付けを見る

飲む前に知っておくこと

ビタミンDはとりすぎると害があります。厚生労働省の情報サイト(eJIM)によると、とりすぎると血液中のカルシウムが多くなりすぎて、吐き気・嘔吐・筋力の低下・腎臓の結石が起こり、極端な場合は腎不全や不整脈を起こすことがあります。製造ミスで量が多すぎたサプリによる中毒の例も載っています。スタチン(コレステロールを下げる薬)を飲んでいる人が大量にとると、一部のスタチンの効果が弱まる可能性があるとも書かれています(出典: ejim.mhlw.go.jp)。

よくある質問

妊娠中はどれくらいとればいい?

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」は、妊娠中の目安量を、妊娠していない人と同じ1日9.0μgとしています。とりすぎの上限(耐容上限量)は成人で1日100μgで、妊婦と授乳中の人について独自の値は決めていません。

サプリの量はIUで書かれていることもあります。ビタミンD 1μgは 40IUです。

このページでは、妊娠中にとったときの効果は格付けしていません。薬を飲んでいる人や、医師から量を指示されている人は、医師か薬剤師に相談してください。

やめてもいい?

骨折・転倒の予防(一般の高齢者)、骨折・転倒の予防(不足の人)、風邪など呼吸器感染症の予防を目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはD・B・B)。

ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。続ける場合は、このページの「飲む前に知っておくこと」(公的機関の注意情報)を先に読んでください。

飲んで効いた気がするのはなぜ?

成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。

形や量が違えば効く?

格付けは、試験で使われた形と量での結果です。

  • 骨折・転倒の予防(一般の高齢者):ビタミンD単独を毎日〜毎月(1日400〜2000IU相当が多い)、数年間
  • 骨折・転倒の予防(不足の人):ビタミンDを毎日(1日800〜1000IU程度)。多くの試験でカルシウムを併用
  • 風邪など呼吸器感染症の予防:ビタミンDを毎日〜数か月ごと(用量はさまざま)

これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。

効いたという論文もあるのでは?

1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは16件の論文を読み、そのうち10件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。

効果ごとの論文の中身

D

骨折・転倒を防ぐ?(一般の高齢者)

Dランク・効かないという根拠対象:地域で暮らす一般の中高年・高齢者(ビタミンD不足で選ばれていない人)

一般の中高年・高齢者がビタミンDだけを飲んでも、骨折や転倒はほとんど減らないことが確かめられています。カルシウムと一緒に飲むと骨折がわずかに減るという解析もありますが、意味のある大きさには届かないとされています。

注意点

  • カルシウムとの併用:カルシウムと一緒に飲んだ場合は、骨折がわずかに減るとする解析[1]もあります(相対リスク0.91)。ただし、絶対的な差は臨床的に意味のある水準を下回り、影響の大きい1件の試験を除くと有意差(偶然では説明しにくい差)がなくなりました。
  • 対象外の人:骨粗しょう症の薬で治療中の人は、この結果の対象外です。ビタミンD不足の人を選んで行った試験ではないため、医師にビタミンD不足と診断された人への効果は、この結果からは分かりません。
  • まとめて飲む方法:まとめて大量に飲む方法(間欠的な高用量投与)は、毎日少量飲むよりかえって転倒を増やす可能性が指摘されています。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文6本・ほかの成分と運動

効果の大きさ

合わせて9万人超が参加した試験のまとめ[1]では、ビタミンDだけを飲んだ場合の骨折のリスクは、プラセボ(成分の入っていないもの)や何も飲まない場合とほぼ同じでした(相対リスク1.00、95%信頼区間(結果のぶれの幅)0.95〜1.06、確実性は高い)。転倒にも、はっきりした差は出ませんでした。

試験の内容
ビタミンD単独を毎日〜毎月(1日400〜2000IU相当が多い)、数年間
確実性(中心にした解析の著者による評価)
高い
根拠にした論文
メタ分析 2本・ランダム化比較試験 3本・コクラン・レビュー 1本

格付けの理由

69試験の最新の系統的レビュー(関係する研究をもれなく集めて評価した研究)[1]では、ビタミンD単独の骨折への効果はほとんどありませんでした(36試験・92,045人、GRADE(結果の確かさを評価する国際的な方法)で確実性が高い)。2万人規模のRCT(くじ引きでグループを分けて比べた試験)でも、骨折(VITAL[2]、D-Health[3])や転倒(VITAL[5])に有意差はありませんでした。試験逐次解析[4]も全骨折の5〜15%、転倒の7.5〜15%の減少を否定したため、D(効かないという根拠)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    メタ分析・Massé(2026年)・BMJ・36研究・92,045人

    69件のRCT(153,902人、大半は地域在住)の系統的レビュー。ビタミンD単独は骨折にほぼ効果なし(36試験・92,045人、相対リスク1.00、95%CI 0.95〜1.06、確実性は高い)。カルシウム併用(0.91)も含め、絶対的な差の基準から骨折・転倒への利益はほぼないと判断。

    Calcium, vitamin D, or combined supplementation to prevent fractures and falls: systematic review and meta-analysis doi:10.1136/bmj-2025-088050

  2. 2.

    ランダム化比較試験・LeBoff(2022年)・New England Journal of Medicine・25,871人

    米国の中高年25,871人(不足で選んでいない)のRCT。ビタミンD3 2000IU/日を中央値5.3年飲んでも、全骨折(ハザード比0.98、95%CI 0.89〜1.08)・大腿骨骨折は減らず、開始時の血中ビタミンD濃度による違いもなかった。

    Supplemental Vitamin D and Incident Fractures in Midlife and Older Adults doi:10.1056/nejmoa2202106

  3. 3.

    ランダム化比較試験・Waterhouse(2023年)・The Lancet Diabetes & Endocrinology・20,326人

    オーストラリアの60〜84歳のRCT(解析20,326人)。ビタミンD3 6万IUを月1回、最長5年飲んでも、全骨折(ハザード比0.94、95%CI 0.84〜1.06)・大腿骨骨折(1.11)に有意な効果はなかった。

    The effect of monthly vitamin D supplementation on fractures: a tertiary outcome from the population-based, double-blind, randomised, placebo-controlled D-Health trial doi:10.1016/s2213-8587(23)00063-3

  4. 4.

    メタ分析・Bolland(2018年)・The Lancet Diabetes & Endocrinology・81研究・53,537人

    81件のRCT(53,537人)。ビタミンDは全骨折(相対リスク1.00)、大腿骨骨折(1.11)、転倒(0.97)に有意な効果なし。試験逐次解析で、骨折・転倒を15%・10%・7.5%減らす効果は否定された。1日800IU超の用量でも同様。

    Effects of vitamin D supplementation on musculoskeletal health: a systematic review, meta-analysis, and trial sequential analysis doi:10.1016/s2213-8587(18)30265-1

  5. 5.

    ランダム化比較試験・LeBoff(2020年)・The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism・25,871人

    VITAL試験(25,871人、中央値5.3年)。ビタミンD3 2000IU/日で2回以上転倒する人の割合(オッズ比0.97、95%CI 0.90〜1.05)や受診を要する転倒は減らず、開始時の血中濃度が50nmol/L未満の人でも結果は同じだった。

    VITamin D and OmegA-3 TriaL (VITAL): Effects of Vitamin D Supplements on Risk of Falls in the US Population doi:10.1210/clinem/dgaa311

  6. 6.

    コクラン・レビュー・Avenell(2014年)・Cochrane Database of Systematic Reviews・53研究・91,791人

    53試験(91,791人)のコクランレビュー。ビタミンD単独は大腿骨骨折(相対リスク1.12)や新たな骨折(1.03)を防ぎそうにない(質の高い根拠)。カルシウム併用で大腿骨骨折がわずかに減り(0.84)、地域在住者では年1000人あたり約1件の減少。

    Vitamin D and vitamin D analogues for preventing fractures in post-menopausal women and older men doi:10.1002/14651858.cd000227.pub4

B

骨折・転倒を防ぐ?(不足の人)

Bランク・根拠は限定的対象:血中ビタミンDが低い高齢者(介護施設の入所者を含む)

ビタミンDが不足しがちな介護施設の高齢者では、カルシウムなどと一緒に飲んだ試験も含めて、転倒の回数が減ることが示されています。骨折が減ったのは主にカルシウムと一緒に飲んだ試験で、不足の程度で効果は変わらないとする大きな解析もあります。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文6本・ほかの成分と運動

効果の大きさ

ビタミンDが低い施設入所者の試験[1](カルシウムやマルチビタミンと一緒に飲んだ試験を含む)では、転倒の回数(5試験)は約4割減りましたが、転倒した人の割合(6試験)はほとんど変わりませんでした。骨折が減ったのはカルシウムを併用した試験が中心で、減り方の大きさは解析によって異なります。

試験の内容
ビタミンDを毎日(1日800〜1000IU程度)。多くの試験でカルシウムを併用
根拠にした論文
コクラン・レビュー 2本・メタ分析 1本・ネットワークメタ分析 1本・ランダム化比較試験 1本・アンブレラレビュー 1本

注意点

  • 深刻な不足:平均の血中濃度が25nmol/L未満の深刻な不足を対象にした試験は、ごく少数です(69試験中2件)[2]。
  • カルシウムの併用:骨折を減らした代表的な試験[5]は、カルシウムを併用した平均84歳の女性の試験で、ビタミンD単独の効果ではありません。
  • 検査:不足かどうかの検査を一般の人に勧める根拠はないとする学会ガイドラインもあります(米国内分泌学会2024)。

格付けの理由

介護施設のコクラン・レビュー(国際的な非営利団体コクランが決まった手順で作るまとめ)[1]では、ビタミンDが低い入所者の転倒回数は、カルシウムやマルチビタミンとの併用試験を含めて減りましたが(率比0.63、確実性は中程度)、転倒した人の割合はほとんど変わりませんでした。骨折の減少は、主に施設入所者でのカルシウム併用試験の結果による可能性があります。一方、最新の69試験の解析[2]では血中濃度による効果の違いに有意差(偶然では説明しにくい差)はなく、結果が一致しないため、B(根拠は限定的)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    コクラン・レビュー・Dyer(2025年)・Cochrane Database of Systematic Reviews・5研究・4,603人

    介護施設での転倒予防のコクランレビュー(全104試験)。ビタミンD(カルシウム併用・マルチビタミン内を含む)で転倒の回数はおそらく減る(率比0.63、95%CI 0.46〜0.86、5試験・4,603人、確実性は中程度)が、転倒した人の割合はほぼ変わらない(0.99)。対象はビタミンDが低い入所者。

    Interventions for preventing falls in older people in care facilities doi:10.1002/14651858.cd016064

  2. 2.

    メタ分析・Massé(2026年)・BMJ・69研究・153,902人

    本文より。血中濃度(25・50nmol/L未満)別の解析で、ビタミンDの効果に違いはなく、濃度と効果の関連もなかった。平均25nmol/L未満の試験は69件中2件のみ。影響の大きい1試験を除くとカルシウム併用の骨折への効果は0.91から0.96(0.91〜1.01)に弱まった。

    Calcium, vitamin D, or combined supplementation to prevent fractures and falls: systematic review and meta-analysis doi:10.1136/bmj-2025-088050

  3. 3.

    コクラン・レビュー・Avenell(2014年)・Cochrane Database of Systematic Reviews・9研究・49,853人

    カルシウム併用のビタミンDで大腿骨骨折が減った(9試験・49,853人、相対リスク0.84、95%CI 0.74〜0.96、質の高い根拠)。施設入所者では年1000人あたり約9件、地域在住者では約1件の減少に相当。ビタミンD単独では骨折を防ぎそうにない。

    Vitamin D and vitamin D analogues for preventing fractures in post-menopausal women and older men doi:10.1002/14651858.cd000227.pub4

  4. 4.

    ネットワークメタ分析・Tan(2024年)・BMC Geriatrics・35研究・58,937人

    35件のRCT(58,937人)のネットワークメタ分析。ビタミンD 800〜1000IU/日で転倒リスクが低下(相対リスク0.85)し、血中濃度50nmol/L以下の高齢者では0.69、50超では有意な効果なし。1000IU/日を超える量では800〜1000IUより転倒が増えた。

    Effect of vitamin D, calcium, or combined supplementation on fall prevention: a systematic review and updated network meta-analysis doi:10.1186/s12877-024-05009-x

  5. 5.

    ランダム化比較試験・Chapuy(1992年)・New England Journal of Medicine・3,270人

    歩行可能な高齢女性3,270人(平均84歳)のRCT。ビタミンD3 800IU+カルシウム1.2gを18か月飲むと、大腿骨骨折が43%、脊椎以外の骨折が32%少なかった。血中ビタミンD濃度は162%上昇。

    Vitamin D3 and Calcium to Prevent Hip Fractures in Elderly Women doi:10.1056/nejm199212033272305

  6. 6.

    アンブレラレビュー・Chakhtoura(2022年)・The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism・32研究

    系統的レビュー・メタ分析32本(カルシウム併用13本、ビタミンD単独19本)のアンブレラレビュー。カルシウム併用は多くのレビューで骨折を減らしたが、施設入所者の結果によるとみられ、地域在住者に限ったレビューやビタミンD単独では減少なし。質が中程度のレビューは少数。

    Vitamin D Supplementation and Fractures in Adults: A Systematic Umbrella Review of Meta-Analyses of Controlled Trials doi:10.1210/clinem/dgab742

B

風邪など呼吸器感染症を防ぐ?

Bランク・根拠は限定的対象:一般の子ども・成人・高齢者

風邪など呼吸器の感染症を防ぐ効果は、あっても小さく、はっきりした差は出ませんでした。以前の解析で出た小さな効果は、新しい試験を加えるとはっきりしなくなり、高齢者や大きな試験でも確かめられていません。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文6本・ほかの成分と運動

効果の大きさ

最新の解析[1](2025年、40試験・約6万人)では、かかる確率をプラセボ(成分の入っていないもの)と比べたオッズ比が0.94(95%信頼区間(結果のぶれの幅)0.88〜1.00)でした。差がない可能性を否定できない小さな値です。高齢者の解析[3]では、差はほぼゼロでした(相対リスク0.99)。

試験の内容
ビタミンDを毎日〜数か月ごと(用量はさまざま)
根拠にした論文
メタ分析 3本・ランダム化比較試験 2本・系統的レビュー 1本

注意点

  • 年齢・用量・飲み方:最新の2025年の解析[1]では、年齢・不足の程度・飲み方・用量のどれで分けても、効果にはっきりした違いは出ませんでした。
  • 強い不足の人:2017年の個人データの解析[2]では、血中濃度が25nmol/L未満の強い不足の人が、まとめて大量に飲む方法を加えずに毎日・毎週飲んだ場合に、効果が大きいという結果でした。その後の更新解析では確認されず、毎日飲む方法の効果も、解析によって結果が一致していません。
  • 子ども:子どもでは感染を減らす可能性がある(確実性は低い)とする解析[6]があり、米国内分泌学会は1〜18歳への補給を提案しています。

格付けの理由

2021年の解析では小さな予防効果(オッズ比0.92)が出ました。新しい試験を加えた2025年の更新[1]では有意差(偶然では説明しにくい差)がなくなり、出版バイアスの兆候もみられました。高齢者の統合[3](確実性は中程度)や大規模な試験[4][5]では予防効果は確認されず、結果が一致しないため、B(根拠は限定的)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    メタ分析・Jolliffe(2025年)・The Lancet Diabetes & Endocrinology・40研究・61,589人

    二重盲検RCTの更新メタ分析。ビタミンDで急性呼吸器感染症のリスクは統計的に有意には下がらなかった(オッズ比0.94、95%CI 0.88〜1.00、40試験・61,589人)。年齢・開始時の不足の程度・飲み方・用量で効果は変わらず、出版バイアスの兆候あり。

    Vitamin D supplementation to prevent acute respiratory infections: systematic review and meta-analysis of stratified aggregate data doi:10.1016/s2213-8587(24)00348-6

  2. 2.

    メタ分析・Martineau(2017年)・BMJ・25研究・10,933人

    25件のRCTの個人データ(10,933人)のメタ分析。全体で急性呼吸器感染症が減った(オッズ比0.88)。毎日・毎週の摂取では、開始時の血中濃度が25nmol/L未満の人で効果が大きく(0.30)、25以上では0.75。まとめて大量に飲む方法では有意な効果なし。

    Vitamin D supplementation to prevent acute respiratory tract infections: systematic review and meta-analysis of individual participant data doi:10.1136/bmj.i6583

  3. 3.

    メタ分析・Jia(2024年)・PLOS ONE・12研究・41,552人

    高齢者のRCT 12件(41,552人)。ビタミンDはおそらく急性呼吸器感染症を減らさない(相対リスク0.99、95%CI 0.97〜1.02、確実性は中程度)。開始時の血中濃度による違いはなく、50nmol/L未満では有意でない減少傾向(0.90)。

    Vitamin D supplementation for prevention of acute respiratory infections in older adults: A systematic review and meta-analysis doi:10.1371/journal.pone.0303495

  4. 4.

    ランダム化比較試験・Pham(2021年)・The Lancet Diabetes & Endocrinology・15,373人

    オーストラリアの60〜84歳のRCT(調査解析15,373人)。ビタミンD3 6万IUを月1回、最長5年飲んでも急性呼吸器感染症のリスクは減らなかった(オッズ比0.98)。症状の期間のわずかな短縮は臨床的に意味のある大きさではないとされた。

    The effect of vitamin D supplementation on acute respiratory tract infection in older Australian adults: an analysis of data from the D-Health Trial doi:10.1016/s2213-8587(20)30380-6

  5. 5.

    ランダム化比較試験・Jolliffe(2022年)・BMJ・6,200人

    英国の成人6,200人の非盲検RCT。血中濃度を測り、75nmol/L未満の人に6か月ビタミンD(800または3200IU/日)を渡す方法で、急性呼吸器感染症(オッズ比1.26、1.09)やCOVID-19は減らなかった。

    Effect of a test-and-treat approach to vitamin D supplementation on risk of all cause acute respiratory tract infection and covid-19: phase 3 randomised controlled trial (CORONAVIT) doi:10.1136/bmj-2022-071230

  6. 6.

    系統的レビュー・Shah(2024年)・The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism・151研究

    米国内分泌学会ガイドラインのための151研究の系統的レビュー。子ども・10代では呼吸器感染症が減る可能性(確実性は低い)。19〜74歳の健康な成人では、検討した結果に有意な効果はなかった。

    A Systematic Review Supporting the Endocrine Society Clinical Practice Guidelines on Vitamin D doi:10.1210/clinem/dgae312

このページについて

サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。

このページの言葉
プラセボ
見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
ランダム化比較試験(RCT)
参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
メタ分析・統合
同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算し直した研究。1つの試験より、偶然に左右されにくくなります。
系統的レビュー
決めた手順で、関係する研究をもれなく集めて評価した研究。メタ分析を含むことが多いです。
コクラン・レビュー
国際的な非営利の団体コクランが、決まった手順で作る系統的レビュー。利害関係のある企業からの資金は受けない決まりで作られます。
ネットワークメタ分析
3つ以上の方法を、直接比べていない組み合わせも含めて同時に比べるメタ分析。
アンブレラレビュー
いくつもの系統的レビューやメタ分析を、さらにまとめた研究。
確実性
結果がどのくらい確かかについて、解析した研究者が付けた評価(高・中・低・非常に低)。低いほど、今後の研究で結果が変わる可能性が高いことを表します。
有意差
偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。
95%信頼区間(95%CI)
結果の数字のぶれの幅。本当の値がおそらく入っている範囲の目安です。差の範囲が 0(比の場合は 1)をまたぐときは、差がない可能性を否定できません。
臨床的に意味のある差
本人が「良くなった」と感じられる、最小の差の目安。統計で差があっても、この目安より小さければ実感は難しいとされます。
リスク比(相対リスク)・率比
起きた人の割合を2つのグループで比べた比。率比は、観察した人数と期間をそろえた起きる頻度(たとえば100人が1年あたりに起こす回数)の比。どちらも 1 なら差がなく、0.8 なら2割少ないことを表します。
オッズ比
「起きた人と起きなかった人の比」を2つのグループで比べた比。1 なら差がなく、1 より小さいほど起きにくいことを表します。起きる人が多いことがらでは、起きた人の割合の比とは大きく違うことがあるので、オッズ比 0.5 を「半分になった」とは読めません。
GRADE
結果がどのくらい確かかを、研究の質やばらつきから「高・中・低・非常に低」で評価する国際的な方法。
eJIM
厚生労働省の「『統合医療』に係る情報発信等推進事業」のサイト。サプリなどについて、海外の公的機関の情報を翻訳して載せています。

運動の効果も同じ基準で格付けしています

運動は19項目中4項目がSでした

掲載した項目の内訳Sの割合
サプリ119項目
3%
運動19項目
21%

S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。

運動のTier表を見る

ほかの成分の格付け(Tier表)