イミダゾールジペプチドに効果はある?
イミダゾールジペプチド(イミダペプチド、アンセリン、カルノシン、鶏むね肉抽出物)論文3本で格付け2026-10-04 更新
結論
疲れた感じが軽くなるという結果はありますが、まだはっきりしません。
- 主に調べられたのは、鶏むね肉から取った成分を1日400mg入れた飲み物
- 主な試験は開発した企業と共同研究者によるもので、ほかの確認はまだない
効くと言われていること
論文ではS〜D の決め方は格付けの決め方
代わりにできること
運動を続けると、疲れた感じが少し減るという結果も
運動の格付け:B(根拠は限定的)
対象:病気のない成人(座りがちな人・日常的に疲れを感じる人・高齢者)
運動を数週間以上続けると、運動しない人などより疲れた感じが少し減ったという結果があります。ただ、病気のない人だけの結果はまだはっきりしません。
疲れのサプリと運動の格付けを見る機能性表示食品として売られているとき
イミダゾールジペプチド(アンセリン・カルノシン)を機能性関与成分とする機能性表示食品の届出があります(2026年10月3日時点)。国が1つずつ審査した食品ではなく、届出の根拠はこのページの格付けとは別のものです。表示を見るときに確かめること
機能性表示食品として売られているとき
イミダゾールジペプチド(アンセリン・カルノシン)を機能性関与成分とする機能性表示食品の届出があります(2026年10月3日時点)。国が1つずつ審査した食品ではなく、届出の根拠はこのページの格付けとは別のものです。表示を見るときに確かめること- 国の審査
- 機能性表示食品は、事業者が科学的根拠などを消費者庁に届け出て、機能を表示する食品です。国が1つずつ審査した食品ではありません。パッケージには「本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません。届け出られた科学的根拠等の情報は消費者庁のウェブサイトで確認できます。」と書くことが決められています。
- 届出番号
- パッケージの「届出番号」を消費者庁の届出データベースに入れると、届け出た事業者が書いた、安全性と機能性の根拠の要約を見られます。
- 「報告されています」
- 消費者庁の手引きは、根拠がその商品(最終製品)を使った臨床試験か、論文を集めて評価した研究レビューかが分かる表現にするよう求めています。研究レビューが根拠のときは、商品についてのレビューでも成分についてのレビューでも「報告されている」ことが分かる表現にし、例として「〜の機能があることが報告されています」を挙げています。最終製品を使った臨床試験で根拠を説明するときの例は「〜の機能があります」です。成分についての研究レビューが根拠のときは、その商品自体に機能があるという根拠ではないことが分かる表現にするとしています。
- 量
- パッケージには、1日あたりの摂取目安量と、その量に含まれる機能性関与成分の量が書かれています。このページの試験で使われた量と比べてください。
- 疲労感:鶏むね肉由来のイミダゾールジペプチド(アンセリン・カルノシン)1日200〜400mgを数週間
- 薬
- 薬を飲んでいる人は、医師か薬剤師に相談してから使ってください。パッケージにも、この注意を書くことが決められています。
よくある質問
やめてもいい?
疲労感を目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはB)。
ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。
飲んで効いた気がするのはなぜ?
成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。
形や量が違えば効く?
格付けは、試験で使われた形と量での結果です。
- 疲労感:鶏むね肉由来のイミダゾールジペプチド(アンセリン・カルノシン)1日200〜400mgを数週間
これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。
効いたという論文もあるのでは?
1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは3件の論文を読みました。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。
効果ごとの論文の中身
疲れがとれる?
Bランク・根拠は限定的対象:日常生活や運動で疲労を感じる健康な成人(主に日本人)
鶏むね肉から取り出したイミダゾールジペプチド400mg入りの飲み物を毎日飲むと、疲れた感じが軽くなったという結果はありますが、まだはっきりしません。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文3本・ほかの成分と運動
- 試験の内容
- 鶏むね肉由来のイミダゾールジペプチド(アンセリン・カルノシン)1日200〜400mgを数週間
- 根拠にした論文
- ランダム化比較試験 3本
注意点
- 実施者:主な試験は特定の原料(鶏むね肉抽出物)を使い、開発企業と共同研究者が行ったもので、独立した確認はされていません。
- 207人の試験:日常の疲労を感じる207人の8週間のRCT(くじ引きでグループを分けて比べた試験)も改善を報告しています。ただし総説で紹介されているだけで、一次資料は確認できていません。
- チキンエキス製品:精神的な疲れを調べたチキンエキス製品の試験(Yamano 2013)では、休憩後の注意力テストの反応時間が開始時より短くなりました。プラセボ(成分の入っていないもの)を飲んだときや、疲れを起こす課題の直前・直後の反応時間には、はっきりした変化はみられませんでした。製品を提供した企業が関わっています。
- 差が出なかった試験:公的データベース(HFNet)に掲載されている、アンセリン50mg・12週間の試験では、疲労感にはっきりした差は出ませんでした。
根拠にした論文
- 1.
ランダム化比較試験・Tanaka(2008年)・薬理と治療(Japanese Pharmacology and Therapeutics)・20人
健康な20人の二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験。イミダゾールジペプチド400mgを含む鶏むね肉抽出物飲料を29日間飲むと、4時間の自転車こぎの後の10秒全力ペダリングの成績低下と、疲労感(VAS)の上昇がプラセボより抑えられた。
CBEX-Dr 配合飲料の健常者における抗疲労効果 論文ページ
- 2.
ランダム化比較試験・2008年・薬理と治療(Japanese Pharmacology and Therapeutics)・48人
健康な成人48人の並行群間ランダム化二重盲検プラセボ対照試験。イミダゾールジペプチド400mg入りの鶏むね肉抽出物飲料を12週間飲んでも有害事象はなく、抄録は疲労感(VAS)も軽減したと報告(効果の大きさの記載なし)。主目的は安全性の確認。
健常者を対象とした CBEX-Dr 配合飲料の長期摂取における安全性 論文ページ
- 3.
ランダム化比較試験・Yamano(2013年)・Medical Science Monitor・20人
健康な男性20人のプラセボ対照クロスオーバー試験。アンセリン・カルノシンを多く含むチキンエキスを4週間毎日飲むと、精神的な疲労課題の後の休憩後の注意力テストの反応時間が開始時より短縮し、プラセボでは変化なし。疲労課題の直前・直後の反応時間は変わらなかった。
Effects of chicken essence on recovery from mental fatigue in healthy males doi:10.12659/msm.883971
このページについて
サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。
安全性
イミダゾールジペプチドに固有の公的な注意は見つかりませんでした。HFNetの健康被害や薬との飲み合わせの情報にも載っていません(出典: hfnet.nibn.go.jp)。原料の鶏むね肉の抽出物は、ラットを使った毒性の試験や、遺伝子への影響を調べる試験で、問題がみられなかったと報告されています(出典: doi.org)。
このページの言葉
- プラセボ
- 見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
- ランダム化比較試験(RCT)
- 参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
運動の効果も同じ基準で格付けしています
運動は19項目中4項目がSでした
- サプリ119項目
- ABCD
- 3%
- 運動19項目
- SAB
- 21%
S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。
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