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えびらぼ

オルニチンに効果はある?

オルニチン(L-オルニチン、オルニチン塩酸塩)論文6本で格付け2026-10-04 更新

結論

疲れや睡眠に効くかは、まだはっきりしません。

  • 良くなった試験は、運動後の女性、飲酒で顔が赤くなる人、南極観測隊員など
  • 勤労者が8週間飲んだ試験では、8週の時点ではっきりした差は出なかった
  • 多くは少人数で、原料メーカー系の企業による試験

効くと言われていること

論文では

S〜D の決め方は格付けの決め方

代わりにできること

運動を続けると、疲れた感じが少し減るという結果も

運動の格付け:B(根拠は限定的)

対象:病気のない成人(座りがちな人・日常的に疲れを感じる人・高齢者)

運動を数週間以上続けると、運動しない人などより疲れた感じが少し減ったという結果があります。ただ、病気のない人だけの結果はまだはっきりしません。

疲れのサプリと運動の格付けを見る

機能性表示食品として売られているとき

L-オルニチンを機能性関与成分とする機能性表示食品の届出があります(2026年10月3日時点)。国が1つずつ審査した食品ではなく、届出の根拠はこのページの格付けとは別のものです。表示を見るときに確かめること
国の審査
機能性表示食品は、事業者が科学的根拠などを消費者庁に届け出て、機能を表示する食品です。国が1つずつ審査した食品ではありません。パッケージには「本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません。届け出られた科学的根拠等の情報は消費者庁のウェブサイトで確認できます。」と書くことが決められています。
届出番号
パッケージの「届出番号」を消費者庁の届出データベースに入れると、届け出た事業者が書いた、安全性と機能性の根拠の要約を見られます。
「報告されています」
消費者庁の手引きは、根拠がその商品(最終製品)を使った臨床試験か、論文を集めて評価した研究レビューかが分かる表現にするよう求めています。研究レビューが根拠のときは、商品についてのレビューでも成分についてのレビューでも「報告されている」ことが分かる表現にし、例として「〜の機能があることが報告されています」を挙げています。最終製品を使った臨床試験で根拠を説明するときの例は「〜の機能があります」です。成分についての研究レビューが根拠のときは、その商品自体に機能があるという根拠ではないことが分かる表現にするとしています。
量
パッケージには、1日あたりの摂取目安量と、その量に含まれる機能性関与成分の量が書かれています。このページの試験で使われた量と比べてください。
  • 疲労感:L-オルニチン1日400〜2000mg程度を1回〜8週間
  • 睡眠の質:L-オルニチン1日400mgを1〜8週間(就寝前など)
薬
薬を飲んでいる人は、医師か薬剤師に相談してから使ってください。パッケージにも、この注意を書くことが決められています。
この欄の出典

よくある質問

やめてもいい?

疲労感、睡眠の質を目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはB・B)。

ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。

飲んで効いた気がするのはなぜ?

成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。

形や量が違えば効く?

格付けは、試験で使われた形と量での結果です。

  • 疲労感:L-オルニチン1日400〜2000mg程度を1回〜8週間
  • 睡眠の質:L-オルニチン1日400mgを1〜8週間(就寝前など)

これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。

効いたという論文もあるのでは?

1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは6件の論文を読みました。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。

効果ごとの論文の中身

B

疲れがとれる?

Bランク・根拠は限定的対象:健康な成人(運動・飲酒・対人ストレスの後などの疲労)

運動の後の女性、飲酒で顔が赤くなる人の翌朝、対人ストレスの後で、疲れた感じが軽くなったという結果はありますが、まだはっきりしません。疲れやストレスを感じる勤労者が1日400mgを8週間とった試験では、疲れた感じにはっきりした差は出ませんでした。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文4本・ほかの成分と運動

効果の大きさ

65人の試験[2]では、対人ストレスの翌朝の疲労の自己評価が改善しました。52人・8週間の試験[4]では、疲労の評価にはっきりした差は出ませんでした。試験をまとめた解析はないため、効果の大きさはまとめて示せません。

試験の内容
L-オルニチン1日400〜2000mg程度を1回〜8週間
根拠にした論文
ランダム化比較試験 4本

注意点

  • 実施者:肯定的な試験の多くは、オルニチン原料を製造する企業のグループ会社の社員が実施しています[2][3]。
  • 試験ごとの違い:疲労の状況(運動・飲酒・対人ストレス)や評価法が試験ごとに違うため、結果を比べにくくなっています。
  • 効果がみられた範囲:効果がみられたのが一部の項目・時点・女性だけという結果が多くあります。
  • 持久力:運動前にとっても持久力は上がらなかったという試験もあります。

格付けの理由

17人のクロスオーバー試験[1]では、女性でのみプラセボ(成分の入っていないもの)より疲労感が低くなりました。飲酒で顔が赤くなる人11人の飲酒の翌朝を調べた試験[3]や、対人ストレスの後を調べた試験[2]でも改善が報告されています。8週間の試験[4]では、疲労の評価に有意差(偶然では説明しにくい差)がありませんでした。試験が少数・小規模で結果が一致しないため、B(根拠は限定的)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    ランダム化比較試験・Sugino(2008年)・Nutrition Research・17人

    健康な17人の二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験(1日2000mgを7日、6000mgを1日)。オルニチンで運動負荷後の疲労感が回復期に軽減したが、プラセボより低かったのは女性のみ。女性では10秒全力ペダリングの速度低下も小さかった。

    L-ornithine supplementation attenuates physical fatigue in healthy volunteers by modulating lipid and amino acid metabolism doi:10.1016/j.nutres.2008.08.008

  2. 2.

    ランダム化比較試験・Moriyasu(2024年)・Journal of Clinical Medicine・65人

    健康な65人のランダム化二重盲検プラセボ対照試験(L-オルニチン1日1600mgを7日間)。対人ストレス課題の翌朝、オルニチン群で疲労・無気力と怒りの気分の評価がプラセボより良好。唾液コルチゾールには有意差なし。

    Effects of Oral Ingestion of L-Ornithine on Mental Stress and Fatigue Based on the Trier Social Stress Test in Healthy Humans: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Parallel-Group Trial doi:10.3390/jcm13247583

  3. 3.

    ランダム化比較試験・Kokubo(2013年)・BioPsychoSocial Medicine・11人

    飲酒で顔が赤くなる日本人のランダム化二重盲検クロスオーバー試験。11人で、飲酒後にオルニチン400mgをとると翌朝の「疲労感」「だるさ」、怒り・混乱の気分、唾液コルチゾールが低下し、睡眠調査票の「睡眠時間」が改善。16人の実験ではアルコールの代謝は変わらず。

    A randomized, double-masked, placebo-controlled crossover trial on the effects of L-ornithine on salivary cortisol and feelings of fatigue of flushers the morning after alcohol consumption doi:10.1186/1751-0759-7-6

  4. 4.

    ランダム化比較試験・Miyake(2014年)・Nutrition Journal・52人

    軽いストレスと疲労を感じる健康な勤労者52人の二重盲検RCT(L-オルニチン1日400mg、8週間)。本文では、疲労を含む気分の評価(POMS)は、2週と6週の「怒り」以外に群間の有意差なし。抄録はコルチゾールとコルチゾール/DHEA-S比の低下を報告している。

    Randomised controlled trial of the effects of L-ornithine on stress markers and sleep quality in healthy workers doi:10.1186/1475-2891-13-53

B

よく眠れる?(睡眠の質)

Bランク・根拠は限定的対象:疲労やストレスを感じる健康な成人など(南極観測隊員、飲酒後を含む)

南極観測隊員や飲酒の翌朝など、限られた状況の試験で、自分で感じる睡眠の評価が良くなったという結果はありますが、まだはっきりしません。疲れやストレスを感じる勤労者が8週間飲んだ試験では、途中の一部の時点で良くなっただけで、8週の時点でははっきりした差は出ませんでした。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文4本

効果の大きさ

52人・8週間の試験[1]では、不眠の尺度(AIS)や一部の睡眠の項目が、4〜7週の一部の時点でプラセボ(成分の入っていないもの)より改善しました。8週の時点では、はっきりした差は出ませんでした。試験をまとめた解析はありません。

試験の内容
L-オルニチン1日400mgを1〜8週間(就寝前など)
根拠にした論文
ランダム化比較試験 4本

注意点

  • 本文の食い違い:8週間の試験[1]の本文には、睡眠調査票の入眠の項目について、プラセボより改善したとする文と、群間差なしとする文が混在しています。国の研究機関の素材データベース(HFNet)は、同じ試験について、睡眠の評価に影響はなかったと記載しています。
  • 測り方:睡眠を機器で客観的に測った試験は見当たりません。
  • 体内時計:体内時計の指標がわずかに遅れたという報告[4]がありますが、その意味は分かっていません。
  • 実施者:8週間の試験[1]と飲酒後の試験[3]は、原料メーカーのグループ企業が実施しました。

格付けの理由

8週間の試験[1]の本文では、不眠の尺度は4週目に、睡眠調査票の一部の項目は4〜7週の一部の時点でのみ改善しました。8週目には有意な群間差はありませんでした。南極観測隊22人の試験[2]では睡眠の自己評価がプラセボよりある程度改善し、飲酒で顔が赤くなる人11人の飲酒後の試験[3]では睡眠調査票の「睡眠時間」の項目が改善したと報告されました。ただし特殊な状況での少人数の試験のため、B(根拠は限定的)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    ランダム化比較試験・Miyake(2014年)・Nutrition Journal・52人

    同じRCT(52人、1日400mg、8週間)の本文。不眠の尺度(AIS)は4週時点のみプラセボより改善。睡眠調査票の「入眠と睡眠維持」(4週)と「睡眠時間」(5〜7週)はプラセボより改善と記載されるが、直前の文では入眠項目は群間の有意差なしとあり食い違う。8週時点ではどの項目も有意差なし。

    Randomised controlled trial of the effects of L-ornithine on stress markers and sleep quality in healthy workers doi:10.1186/1475-2891-13-53

  2. 2.

    ランダム化比較試験・Horiuchi(2013年)・Nutrition Research・22人

    日本の南極観測隊員22人のランダム化二重盲検試験(オルニチン1日400mgを4週間)。南極滞在中に睡眠は悪化したが、オルニチンで睡眠の自己評価(OSA調査票)がプラセボよりある程度改善。血中トリプトファン比は是正されなかった。

    Ornithine ingestion improved sleep disturbances but was not associated with correction of blood tryptophan ratio in Japanese Antarctica expedition members during summer doi:10.1016/j.nutres.2013.05.001

  3. 3.

    ランダム化比較試験・Kokubo(2013年)・BioPsychoSocial Medicine・11人

    飲酒で顔が赤くなる日本人のランダム化二重盲検クロスオーバー試験。11人で、飲酒後にオルニチン400mgをとると翌朝の「疲労感」「だるさ」、怒り・混乱の気分、唾液コルチゾールが低下し、睡眠調査票の「睡眠時間」が改善。16人の実験ではアルコールの代謝は変わらず。

    A randomized, double-masked, placebo-controlled crossover trial on the effects of L-ornithine on salivary cortisol and feelings of fatigue of flushers the morning after alcohol consumption doi:10.1186/1751-0759-7-6

  4. 4.

    ランダム化比較試験・Fukuda(2018年)・Chronobiology International・28人

    健康な成人28人のランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験(L-オルニチン400mgを7日間)。体内時計の指標である、暗い光の下でメラトニンの分泌が始まる時刻が15分遅れた。

    A randomized, double-blind and placebo-controlled crossover trial on the effect of l-ornithine ingestion on the human circadian clock doi:10.1080/07420528.2018.1490315

このページについて

サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。

安全性

公的機関によるオルニチンに固有の注意は見つかりませんでした。HFNetの健康被害や飲み合わせの情報にも載っていません(出典: hfnet.nibn.go.jp)。HFNetによると、L-オルニチンは、薬のような効き目をうたわなければ食品として扱われる成分です。

このページの言葉
プラセボ
見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
ランダム化比較試験(RCT)
参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
有意差
偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。

運動の効果も同じ基準で格付けしています

運動は19項目中4項目がSでした

掲載した項目の内訳Sの割合
サプリ119項目
3%
運動19項目
21%

S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。

運動のTier表を見る

ほかの成分の格付け(Tier表)