ナットウキナーゼに効果はある?
ナットウキナーゼ(納豆キナーゼ、納豆菌由来酵素)論文6本で格付け2026-10-04 更新
結論
血栓を防ぐかどうかは分かっておらず、血圧が下がるかもまだはっきりしません。
- 血圧が高めの人などの8週間の試験では、少し下がった
- 健康な高齢者の3年間の試験では、血圧にはっきりした差が出なかった
- 血液を固まりにくくする薬を飲んでいる人は注意
効くと言われていること
論文ではS〜D の決め方は格付けの決め方
飲む前に:公的機関の注意があります代わりにできること
血圧は、運動で下がります
運動の格付け:S(根拠が強い)
対象:成人(血圧が正常〜高めの人と、高血圧の人)
運動をすると、安静時の血圧が下がることが示されています。高血圧の人ほど大きく下がり、血圧が正常な人ではごくわずかです。
血圧を下げるサプリと運動の格付けを見る飲む前に知っておくこと
血液の固まり方に影響する薬などを使っている人と、出血しやすい病気の人は、使わないでください。カナダ保健省が、認めた製品にこう表示させている注意で、手術の7日前にやめることも表示させています(出典: health-products.canada.ca)。2012年には、ナットウキナーゼは量にかかわらず健康を損なうおそれがあるとして、承認していない製品を回収しました(出典: healthycanadians.gc.ca)。抗血小板薬(血小板の働きを抑える薬)を飲んでいる間に、脳出血を起こした症例報告もあります(HFNet: 出典: hfnet.nibn.go.jp)。
機能性表示食品として売られているとき
ナットウキナーゼを機能性関与成分とする機能性表示食品の届出があります(2026年10月3日時点)。国が1つずつ審査した食品ではなく、届出の根拠はこのページの格付けとは別のものです。表示を見るときに確かめること
機能性表示食品として売られているとき
ナットウキナーゼを機能性関与成分とする機能性表示食品の届出があります(2026年10月3日時点)。国が1つずつ審査した食品ではなく、届出の根拠はこのページの格付けとは別のものです。表示を見るときに確かめること- 国の審査
- 機能性表示食品は、事業者が科学的根拠などを消費者庁に届け出て、機能を表示する食品です。国が1つずつ審査した食品ではありません。パッケージには「本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません。届け出られた科学的根拠等の情報は消費者庁のウェブサイトで確認できます。」と書くことが決められています。
- 届出番号
- パッケージの「届出番号」を消費者庁の届出データベースに入れると、届け出た事業者が書いた、安全性と機能性の根拠の要約を見られます。
- 「報告されています」
- 消費者庁の手引きは、根拠がその商品(最終製品)を使った臨床試験か、論文を集めて評価した研究レビューかが分かる表現にするよう求めています。研究レビューが根拠のときは、商品についてのレビューでも成分についてのレビューでも「報告されている」ことが分かる表現にし、例として「〜の機能があることが報告されています」を挙げています。最終製品を使った臨床試験で根拠を説明するときの例は「〜の機能があります」です。成分についての研究レビューが根拠のときは、その商品自体に機能があるという根拠ではないことが分かる表現にするとしています。
- 量
- パッケージには、1日あたりの摂取目安量と、その量に含まれる機能性関与成分の量が書かれています。このページの試験で使われた量と比べてください。
- 血圧:1日2,000FU程度を8週間〜3年(研究で多い量)
- 血液の固まりやすさ(血栓):1日2,000〜6,000FU程度を1回〜3年
- 薬
- 薬を飲んでいる人は、医師か薬剤師に相談してから使ってください。パッケージにも、この注意を書くことが決められています。
よくある質問
血液を固まりにくくする薬と一緒に飲んでいい?
血液の固まりやすさに影響する薬を飲んでいる人は、飲む前に医師か薬剤師に相談してください。カナダ保健省が販売を認めたナットウキナーゼの製品の表示には、血液の凝固に影響する製品を使っている人、出血しやすい病気の人、妊娠中・授乳中の人は使わないことと、予定している手術の7日前にはやめることが書かれています。
このページで読んだ論文の範囲では、ナットウキナーゼが血栓症を防ぐかを確かめた信頼できる試験は無く、防げるかどうかは分かっていません。
出典
やめてもいい?
血圧、血液の固まりやすさ(血栓)を目的に飲んでいる場合は、続けることを支持するはっきりした結果はありません(格付けはB・C)。
ただし、医師に勧められて飲んでいる人、薬を飲んでいる人、検査で不足を指摘された人は、自分の判断でやめずに、医師か薬剤師に相談してください。続ける場合は、このページの「飲む前に知っておくこと」(公的機関の注意情報)を先に読んでください。
飲んで効いた気がするのはなぜ?
成分を含まないもの(プラセボ)を飲んだ人でも、体調が良くなったと感じることはよくあります。飲んでいるという安心感や期待で、感じ方が変わるためです。体調にはもともと波があるので、つらい時期に飲み始めると、自然に戻った分まで効いたように感じることもあります。えびらぼでは、こうした分を差し引けるように、成分を含まないものと比べた試験の結果を重視して格付けしています。
形や量が違えば効く?
格付けは、試験で使われた形と量での結果です。
- 血圧:1日2,000FU程度を8週間〜3年(研究で多い量)
- 血液の固まりやすさ(血栓):1日2,000〜6,000FU程度を1回〜3年
これと違う形や量で効くかどうかは、その形や量で試した試験が無いと分かりません。吸収が良いことと、体に効果が出ることは別で、試験で確かめる必要があります。
効いたという論文もあるのでは?
1件の試験では、偶然や試験のやり方の偏りで、良い結果が出ることがあります。このページでは6件の論文を読み、そのうち1件は複数の試験をまとめた研究です。格付けは、試験どうしで結果が一致するかと、試験の質で決めています(格付けの決め方)。効いたという試験があっても、ほかの試験と合わせると、はっきりした差が出ないことがあります。
効果ごとの論文の中身
血圧に効く?
Bランク・根拠は限定的対象:血圧が高め〜軽い高血圧の成人(一部は健康な高齢者)
血圧が高めの人などの8週間の試験をまとめると、上の血圧が約3.5mmHg下がったという結果はありますが、まだはっきりしません。健康な高齢者が3年間飲んだ試験では、血圧にはっきりした差は出ませんでした。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文4本・ほかの成分と運動
- 試験の内容
- 1日2,000FU程度を8週間〜3年(研究で多い量)
- 根拠にした論文
- メタ分析 1本・ランダム化比較試験 3本
注意点
根拠にした論文
- 1.
メタ分析・Li(2023年)・Reviews in Cardiovascular Medicine・3研究・223人
RCT 7件の系統的レビュー。血圧の統合は8週間の3試験・223人のみで、上の血圧が3.45mmHg、下が2.32mmHgプラセボより低かった。3年間の試験は血圧の統合に入っていない。総コレステロールはむしろ高くなったとの結果もあり、確実性の評価はない。
Nattokinase Supplementation and Cardiovascular Risk Factors: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. doi:10.31083/j.rcm2408234
- 2.
ランダム化比較試験・Hodis(2021年)・Clinical Hemorheology and Microcirculation・265人
心血管の病気のない265人(年齢の中央値65.3歳)に1日2,000FUかプラセボを約3年間。頸動脈の壁の厚さや硬さの進み方に有意差はなく、血圧や血液検査のどの項目にも有意な影響はなかった。
Nattokinase atherothrombotic prevention study: A randomized controlled trial. doi:10.3233/ch-211147
- 3.
ランダム化比較試験・Kim(2008年)・Hypertension Research・86人
血圧が高め〜軽い高血圧の韓国の成人86人(73人が完了)の二重盲検RCT。1日2,000FUを8週間で、プラセボと比べ上の血圧が5.55mmHg、下が2.84mmHg低下した。
Effects of nattokinase on blood pressure: a randomized, controlled trial. doi:10.1291/hypres.31.1583
- 4.
ランダム化比較試験・Jensen(2016年)・Integrated Blood Pressure Control・79人
血圧が高めの北米の成人79人(74人が完了)の二重盲検RCT。1日100mgを8週間で、下の血圧が87→84mmHg(プラセボは87のまま)と有意に低下。上の血圧の低下も報告され、男性でより明らかだった。
Consumption of nattokinase is associated with reduced blood pressure and von Willebrand factor, a cardiovascular risk marker: results from a randomized, double-blind, placebo-controlled, multicenter North American clinical trial. doi:10.2147/ibpc.s99553
血液が固まりにくくなる?(血栓)
Cランク・根拠が乏しい対象:健康な成人・コレステロールが高めの成人
血栓症を防ぐかを確かめた信頼できる試験は無く、防げるかどうかは分かっていません。血液が固まるまでの時間などの検査値が変わったという報告はありますが、3年間飲んだ試験では、はっきりした差は出ませんでした。
くわしく効果の大きさ・注意点・論文4本
- 試験の内容
- 1日2,000〜6,000FU程度を1回〜3年
- 根拠にした論文
- ランダム化比較試験 3本・メタ分析 1本
注意点
- 病気が減るか:血栓症や脳梗塞が減ることを示した試験はありません。検査値が変わることと、これらの病気が減ることは別のことです。
- 長時間フライトの試験:長時間フライトの血栓予防を調べた試験は、ナットウキナーゼ以外の成分も含む配合品を使っており、脱落者の扱いにも問題があります。
- 薬との併用:検査値の変化が本当なら、血液を固まりにくくする薬との併用で出血しやすくなるおそれがあります(安全性の項)。
根拠にした論文
- 1.
ランダム化比較試験・Hodis(2021年)・Clinical Hemorheology and Microcirculation・265人
心血管の病気のない265人に1日2,000FUを約3年間与えた二重盲検RCT。6か月ごとに血液凝固・線溶の因子などを測ったが、どの検査値にも有意な影響はなかった。
Nattokinase atherothrombotic prevention study: A randomized controlled trial. doi:10.3233/ch-211147
- 2.
ランダム化比較試験・Yoo(2019年)・Food & Function・100人
コレステロールが高めの韓国の成人100人(各群50人)のRCT。8週間で、血小板が固まるまでの時間(P=0.001)と凝固時間の一つaPTT(P=0.016)がプラセボより大きく延びた。
The effects of nattokinase supplementation on collagen-epinephrine closure time, prothrombin time and activated partial thromboplastin time in nondiabetic and hypercholesterolemic subjects. doi:10.1039/c8fo02324g
- 3.
ランダム化比較試験・Kurosawa(2015年)・Scientific Reports・12人
健康な若い男性12人に1回2,000FUを与えた二重盲検の交差試験。2〜8時間後に血栓が溶けた目印(Dダイマーなど)が増え、凝固時間が延びたが、変化はすべて正常範囲内だった。
A single-dose of oral nattokinase potentiates thrombolysis and anti-coagulation profiles. doi:10.1038/srep11601
- 4.
メタ分析・Li(2023年)・Reviews in Cardiovascular Medicine・7研究
RCT 7件の系統的レビュー。凝固・線溶の指標は統合できず記述のみ。3年間の試験ではどの因子にも影響がなく、8週間の1試験では凝固時間が延び、別の試験では凝固に関わる因子の15%低下(有意差なし)が報告された。
Nattokinase Supplementation and Cardiovascular Risk Factors: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. doi:10.31083/j.rcm2408234
このページについて
サプリの広告や販売リンクは載せていません。専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。最終更新日は2026-10-04です。誤りに気づいたら誤りを知らせるから送ってください。
このページの言葉
- プラセボ
- 見た目は同じで、調べている成分を含まないもの。「飲んだ」という思い込みや、自然に良くなる分を差し引くために、比べる相手として使います。
- ランダム化比較試験(RCT)
- 参加者を、くじ引きのような偶然でグループに分けて、たとえば成分を飲むグループとプラセボを飲むグループの結果を比べる試験。分け方の偏りが結果に混ざりにくい方法です。
- メタ分析・統合
- 同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算し直した研究。1つの試験より、偶然に左右されにくくなります。
- 系統的レビュー
- 決めた手順で、関係する研究をもれなく集めて評価した研究。メタ分析を含むことが多いです。
- 確実性
- 結果がどのくらい確かかについて、解析した研究者が付けた評価(高・中・低・非常に低)。低いほど、今後の研究で結果が変わる可能性が高いことを表します。
- 有意差
- 偶然だけでは説明しにくい差があること。差が大きいという意味ではありません。
運動の効果も同じ基準で格付けしています
運動は19項目中4項目がSでした
- サプリ119項目
- ABCD
- 3%
- 運動19項目
- SAB
- 21%
S(根拠が強い)は、サプリが119項目中4項目、運動が19項目中4項目でした。運動のSは筋力・筋量(筋トレ)、血圧、血糖値、転倒の予防です。サプリと運動では調べた効果や対象者が違うため、同じ目的で直接比べた結果ではありません。
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