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えびらぼ

筋トレで血糖値は下がる?(2型糖尿病のHbA1c)

筋トレだけを調べた論文6件から・2026-10-12 更新

結論

2型糖尿病の人が筋トレをすると、対照の人(運動しない人など)よりHbA1cが0.3〜0.5ポイントほど下がることが示されています。運動施設での筋トレでは下がりましたが、自宅での筋トレは試験が少なく、はっきりした差は出ていません。

  • 2型糖尿病の人の、HbA1cは下がる? … A(根拠あり)

記号は、研究の質・結果の一致・効果の大きさなどから評価したもので、運動どうしの効き目の順位ではありません。運動全体(種類を問わない研究)では、「血糖値」はS(根拠が強い)です。運動全体の格付けを見る

A

2型糖尿病の人の、HbA1cは下がる?

Aランク・根拠あり対象:2型糖尿病の成人

2型糖尿病の人が筋トレをすると、対照の人(運動しない人など)よりHbA1cが0.3〜0.5ポイントほど下がることが示されています。運動施設での筋トレでは下がりましたが、自宅での筋トレは試験が少なく、はっきりした差は出ていません。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文6本

効果の大きさ

運動しない人と比べ、HbA1cは0.50ポイント[1]、0.39ポイント[2]、0.33ポイント[4]下がりました。強度の高い筋トレでは0.61ポイント、低〜中強度では0.23ポイントの低下でした[5]。

確実性(中心にした解析の著者による評価)
中程度
根拠にした論文
メタ分析 6本

注意点

  • 運動する場所:解析[4]では、運動施設での筋トレで0.39ポイント下がり、自宅での筋トレ(4件)でははっきりした差は出ませんでした(確実性は非常に低い)。
  • 指導の有無:解析[2]の20件のうち、指導なしの試験は5件だけでした。
  • ゴムバンドだけの筋トレ:7件の解析では差がはっきりせず、14件の新しい解析では0.41ポイント下がりました。
  • もとの値:解析[6]では、参加者のもとのHbA1cが7.5%以上の試験や、糖尿病になって6年未満の試験で、下がり幅が大きい傾向でした。
  • 試験のやり方:解析[4]の試験は8〜52週で、解析[2]の試験の多くは週2〜3回でした。
  • 有酸素運動との比較:解析[2]の追加の分析(13件)では、下がり方にはっきりした差は出ませんでした。
  • ばらつき:試験の間で結果のばらつきが大きくなっています。

格付けの理由

筋トレだけを調べたRCT46件[1]・20件[2]・20件[4]の解析で、いずれも運動しない対照よりHbA1cが下がり、解析[4]は確実性を中程度と評価しました。下がり幅は0.3〜0.5ポイントと大きくなく、試験の多くは運動施設で指導つきの筋トレであるため、A(根拠あり)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    メタ分析・Wan(2024年)・Biological Research for Nursing・46研究・2,130人

    2型糖尿病の成人のRCT46件(2130人)。運動しない対照と比べ、筋トレでHbA1cが0.50ポイント下がった(95%CI -0.67〜-0.34)。週の回数・年齢などは下がり幅と関連しなかった。

    The Impact of Resistance Exercise Training on Glycemic Control Among Adults with Type 2 Diabetes: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials doi:10.1177/10998004241246272

  2. 2.

    メタ分析・Jansson(2022年)・BMJ Open Diabetes Research & Care・20研究・1,172人

    2型糖尿病の成人のRCT20件(1172人)。筋トレでHbA1cが0.39ポイント低下(95%CI -0.60〜-0.18)。筋力が大きく伸びた試験ほど低下が大きい。有酸素運動との比較(13件)でははっきりした差なし。指導なしの試験は5件。

    Effect of resistance training on HbA1c in adults with type 2 diabetes mellitus and the moderating effect of changes in muscular strength: a systematic review and meta-analysis doi:10.1136/bmjdrc-2021-002595

  3. 3.

    メタ分析・Al-Mhanna(2025年)・British Journal of Sports Medicine・18研究・1,180人

    BMI25以上の2型糖尿病の人のRCT18件(1180人)。運動しない標準治療と比べ、筋トレでHbA1cが改善(効果量-0.32、小さい)。空腹時血糖・腰回りなども改善。確実性は全体で非常に低い〜中程度。

    Impact of resistance training on cardiometabolic health-related indices in patients with type 2 diabetes and overweight/obesity: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials doi:10.1136/bjsports-2024-108947

  4. 4.

    メタ分析・Bärg(2025年)・Diabetology & Metabolic Syndrome・20研究・1,397人

    2型糖尿病の人のRCT20件(1397人)。筋トレでHbA1cが0.33ポイント低下(確実性は中程度)。運動施設では-0.39ポイント、自宅(4件)では+0.12ポイントではっきりした差なし(確実性は非常に低い)。

    Effects of home- and gym-based resistance training on glycemic control in patients with type 2 diabetes mellitus—a systematic review and meta-analysis doi:10.1186/s13098-025-01793-7

  5. 5.

    メタ分析・Liu(2019年)・International Journal of Environmental Research and Public Health・24研究・962人

    2型糖尿病の人のRCT24件(962人)。HbA1cの低下は強度が高いほど大きく、強度の高い筋トレで-0.61ポイント、低〜中強度で-0.23ポイント(差は有意)。血糖値は下がる傾向のみ。

    Resistance Exercise Intensity is Correlated with Attenuation of HbA1c and Insulin in Patients with Type 2 Diabetes: A Systematic Review and Meta-Analysis doi:10.3390/ijerph16010140

  6. 6.

    メタ分析・Ishiguro(2016年)・Sports Medicine・23研究・954人

    2型糖尿病の人の臨床試験23件(954人、RCTに限らない)。筋トレでHbA1cが0.34ポイント低下。HbA1cが7.5%以上・糖尿病歴6年未満の試験で低下が大きく、平均BMI32以上では小さかった。

    In Search of the Ideal Resistance Training Program to Improve Glycemic Control and its Indication for Patients with Type 2 Diabetes Mellitus: A Systematic Review and Meta-Analysis doi:10.1007/s40279-015-0379-7

始める前に

糖尿病の人、薬を飲んでいる人、健診で血糖値が高いと言われた人は、運動を始める前に医師に相談してください。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、2型糖尿病の人は低血糖の有無と合併症の有無を事前に確かめるよう書いています。増殖性網膜症がある場合や、血糖の管理が極端に悪い場合(たとえば空腹時血糖が250mg/dL以上)、高度の糖尿病性神経障害や壊疽がある場合は、運動は禁忌としています。合併症や血糖の状況がわからない人は、かかりつけの医師に確かめてから始めるよう勧めています(出典: mhlw.go.jp)。

運動の始め方

持病や、運動で悪くなるおそれのある痛みがある人は、始める前に医師などに相談し、軽い運動から少しずつ増やしてください。インスリンなどで治療中の人は低血糖に、血液をサラサラにする薬を使う人は転倒や打撲に気をつけてください。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の注意です(出典: mhlw.go.jp)。

運動の試験で報告された有害事象

転倒予防の試験(Sherrington 2019)では、不調の多くは筋肉痛などの軽いものでした。一方で、筋肉や関節の不調は、結腸がん治療後の患者の試験(Courneya 2025)で運動をした人の18.5%、比べた相手の11.5%に起き、腰痛へのヨガの研究(Wieland 2022)でも、ヨガをした人で増えていました。

自分で始める

お金をかけずに始めるなら、歩くことと、自宅での筋トレ・バランス運動が研究されています。歩数計を使った取り組みでは、増えた歩数が1〜2年で小さくなりました。ウォーキングの研究の多くは指導つきで、一人で同じ効果が出るとは限りません。

研究で分かっていること
  • ふだんの歩数を測り、その後の死亡を追った15の研究をまとめると、1日の歩数が多い人ほど死亡のリスクが低くなっていました。60歳以上では1日6000〜8000歩、60歳未満では8000〜1万歩あたりから先は、歩数が増えても死亡のリスクはほとんど下がりませんでした。歩数と死亡の関係をみた研究で、歩いたことで死亡が減ったかどうかは確かめられていません。[1]
  • 試験をまとめた研究では、高齢者が自宅で行う筋トレ・運動でも、筋力やバランスが少し改善しました。1回の時間で分けると、効果がみられたのは1回30分以下の区分だけでしたが、時間の区分どうしには、はっきりした差は出ませんでした。指導つきの方が効果はやや大きいという研究もあります。[1][2][3]
  • 歩数計を使って歩数を増やす取り組みの試験をまとめると、始めてから4か月以内の時点で、1日の歩数が平均約1100歩増えました。この差は1年後には約460歩に小さくなり、2年後にははっきりした差がなく、3〜4年後には約430歩の差がありました。スマホアプリや活動量計は、単純な歩数計より効果が小さいという結果でした。[1]
  • ウォーキングだけの試験をまとめた研究でも、上の血圧が平均約4mmHg下がっています。ただ、その試験の多くは指導つきでした。[1]

サプリと比べる

血糖値が気になる人のために、サプリと運動の格付けを並べたページです。

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ほかの運動と効果

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