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えびらぼ

ウォーキングで血圧は下がる?

ウォーキングだけを調べた論文6件から・2026-10-12 更新

結論

ウォーキングをすると、運動しない人より上の血圧が約4.1mmHg下がることが示されています(16歳以上の参加者全体)。運動習慣のない成人の解析でも約3.6mmHg下がり、高血圧の人だけで早歩きを調べた解析ではもっと下がったという結果がありますが、まだはっきりしません。

  • 上の血圧は下がる?(16歳以上の人全体) … A(根拠あり)
  • 下の血圧は下がる?(16歳以上の人全体) … B(根拠は限定的)

記号は、研究の質・結果の一致・効果の大きさなどから評価したもので、運動どうしの効き目の順位ではありません。運動全体(種類を問わない研究)では、「血圧」はS(根拠が強い)です。運動全体の格付けを見る

A

上の血圧は下がる?(16歳以上の人全体)

Aランク・根拠あり対象:16歳以上の参加者全体(高血圧の人に限らない)

ウォーキングをすると、運動しない人より上の血圧が約4.1mmHg下がることが示されています(16歳以上の参加者全体)。運動習慣のない成人の解析でも約3.6mmHg下がり、高血圧の人だけで早歩きを調べた解析ではもっと下がったという結果がありますが、まだはっきりしません。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文5本

効果の大きさ

コクラン・レビュー(国際的な非営利団体コクランが決まった手順で作るまとめ)[1]では、運動しない人と比べて上の血圧が4.11mmHg下がりました。この解析の試験は平均15週間・週153分で、多くは中くらいの強さでした。年代や性別で分けても、どの群でも下がりました。

確実性(中心にした解析の著者による評価)
中程度
根拠にした論文
コクラン・レビュー 1本・メタ分析 4本

注意点

  • 高血圧の人:高血圧の人に早歩きを調べたRCT17件の解析[4]では6.59mmHg下がりましたが、確実性は低く、試験の多くは中国で行われました。同じ試験を重ねて数えている可能性もあります。この解析の試験は2〜24週・週3〜7回でした。
  • 年代と性別:コクラン・レビュー[1]では、40歳以下で4.41、41〜60歳で3.79、60歳以上で4.30、男性で4.64、女性で5.65mmHg下がりました。男女や年代の差を比べた結果ではなく、40歳以下以外は確実性が低いとされています。
  • 2型糖尿病の人:解析[5]では、上の血圧にはっきりした差は出ませんでした(-1.69mmHg)。
  • 指導の有無:コクラン・レビュー[1]の試験は、自宅や地域で歩く形が多いものの、多くは指導つきでした。

格付けの理由

ウォーキングだけを調べたRCT73件のコクラン・レビュー[1]で上の血圧が4.11mmHg下がり、確実性は中程度と評価されています。運動習慣のない人の解析[2]や、運動習慣のない健康な成人の解析[3]でも下がりました。下がり幅が数mmHgと大きくないため、A(根拠あり)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    コクラン・レビュー・Lee(2021年)・Cochrane Database of Systematic Reviews・73研究・5,763人

    16〜84歳のRCT73件(5763人、高血圧に限らない)。運動しない対照と比べ上の血圧が4.11mmHg低下(確実性は中)。40歳以下-4.41、41〜60歳-3.79、60歳以上-4.30、女性-5.65、男性-4.64mmHg。平均15週・週約153分・中強度が多く、多くは指導つき。

    Walking for hypertension doi:10.1002/14651858.cd008823.pub2

  2. 2.

    メタ分析・Murtagh(2015年)・Preventive Medicine・32研究

    運動習慣のない成人でウォーキングだけを4週以上行ったRCT32件。運動しない対照と比べ、上の血圧が3.58mmHg、下の血圧が1.54mmHg下がった。持久力・腹囲・体重・体脂肪も改善し、血中脂質は変わらなかった。

    The effect of walking on risk factors for cardiovascular disease: an updated systematic review and meta-analysis of randomised control trials doi:10.1016/j.ypmed.2014.12.041

  3. 3.

    メタ分析・Oja(2018年)・British Journal of Sports Medicine・37研究・2,001人

    運動習慣のない健康な成人のRCT37件(2001人、81%が女性、8週以上)。歩かない対照と比べ、上下の血圧・体重・体脂肪などが改善。必要な頻度・時間・強さ・量は特定できなかった。

    Effects of frequency, intensity, duration and volume of walking interventions on CVD risk factors: a systematic review and meta-regression analysis of randomised controlled trials among inactive healthy adults doi:10.1136/bjsports-2017-098558

  4. 4.

    メタ分析・Wang(2026年)・PeerJ・17研究・1,493人

    高血圧の成人のRCT17件(1493人、多くは中国)。早歩きで、運動しない対照などと比べ上の血圧が6.59mmHg、下の血圧が4.67mmHg下がった。確実性はどちらも低い。試験は2〜24週・週3〜7回。小規模な試験の結果に偏っている可能性がある。

    The optimal dose of brisk walking for improving blood pressure in hypertensive patients: a systematic review and bayesian meta-analysis of randomized controlled trials doi:10.7717/peerj.21478

  5. 5.

    メタ分析・Qiu(2014年)・PLoS ONE・20研究・866人

    2型糖尿病の人のRCT20件(866人、8週以上)。上の血圧は11件で-1.69mmHgと有意差なし、下の血圧は12件で1.97mmHg低下。ノルディックウォーキングの1件を除くと上の血圧も-3.20mmHgで有意になった。

    Impact of walking on glycemic control and other cardiovascular risk factors in type 2 diabetes: a meta-analysis doi:10.1371/journal.pone.0109767

B

下の血圧は下がる?(16歳以上の人全体)

Bランク・根拠は限定的対象:16歳以上の参加者全体(高血圧の人に限らない)

ウォーキングをすると、運動しない人より下の血圧が約1.8mmHg下がったという結果はありますが、まだはっきりしません(16歳以上の参加者全体)。高血圧の人に早歩きを調べた2つの解析では、4.67mmHg下がったものと、はっきりした差が出なかったものがあります。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文6本

効果の大きさ

コクラン・レビュー(国際的な非営利団体コクランが決まった手順で作るまとめ)[1]では、運動しない人と比べて下の血圧が1.79mmHg下がりました。この解析の試験は平均15週間・週153分で、多くは中くらいの強さでした。40歳以下では3.01mmHg、60歳以上では1.33mmHg下がりました。

確実性(中心にした解析の著者による評価)
低い
根拠にした論文
コクラン・レビュー 1本・メタ分析 5本

注意点

  • 高血圧の人への早歩き:RCT17件の解析[4]では下の血圧が4.67mmHg下がりましたが確実性は低く、試験9件の解析[5]でははっきりした差は出ませんでした。解析[4]の試験は2〜24週・週3〜7回でした。
  • 確実性が低い理由:コクラン・レビュー[1]の試験の多くは、参加者の選び方や、歩いていることを参加者に隠せないことによる偏りの危険があるとされました。
  • 2型糖尿病の人:解析[6]では、下の血圧が1.97mmHg下がりました。
  • 指導の有無:コクラン・レビュー[1]の試験は、自宅や地域で歩く形が多いものの、多くは指導つきでした。

格付けの理由

ウォーキングだけを調べたコクラン・レビュー[1]で下の血圧が1.79mmHg下がりましたが、確実性は低いと評価されています。運動習慣のない人の解析[2]や、運動習慣のない健康な成人の解析[3]でも下がりましたが、高血圧の人への早歩きの解析[4][5]では結果が一致しないため、B(根拠は限定的)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    コクラン・レビュー・Lee(2021年)・Cochrane Database of Systematic Reviews・73研究・5,763人

    16〜84歳のRCT73件(高血圧に限らない)。下の血圧は69件(4711人)で1.79mmHg低下(確実性は低)。40歳以下-3.01(確実性は中)、41〜60歳-1.74、60歳以上-1.33、男性-2.54、女性-2.69mmHg。平均15週・週約153分・中強度が多い。

    Walking for hypertension doi:10.1002/14651858.cd008823.pub2

  2. 2.

    メタ分析・Murtagh(2015年)・Preventive Medicine・32研究

    運動習慣のない成人でウォーキングだけを4週以上行ったRCT32件。運動しない対照と比べ、上の血圧が3.58mmHg、下の血圧が1.54mmHg下がった。持久力・腹囲・体重・体脂肪も改善し、血中脂質は変わらなかった。

    The effect of walking on risk factors for cardiovascular disease: an updated systematic review and meta-analysis of randomised control trials doi:10.1016/j.ypmed.2014.12.041

  3. 3.

    メタ分析・Oja(2018年)・British Journal of Sports Medicine・37研究・2,001人

    運動習慣のない健康な成人のRCT37件(2001人、81%が女性、8週以上)。歩かない対照と比べ、上下の血圧・体重・体脂肪などが改善。必要な頻度・時間・強さ・量は特定できなかった。

    Effects of frequency, intensity, duration and volume of walking interventions on CVD risk factors: a systematic review and meta-regression analysis of randomised controlled trials among inactive healthy adults doi:10.1136/bjsports-2017-098558

  4. 4.

    メタ分析・Wang(2026年)・PeerJ・17研究・1,493人

    高血圧の成人のRCT17件(1493人、多くは中国)。早歩きで、運動しない対照などと比べ上の血圧が6.59mmHg、下の血圧が4.67mmHg下がった。確実性はどちらも低い。試験は2〜24週・週3〜7回。小規模な試験の結果に偏っている可能性がある。

    The optimal dose of brisk walking for improving blood pressure in hypertensive patients: a systematic review and bayesian meta-analysis of randomized controlled trials doi:10.7717/peerj.21478

  5. 5.

    メタ分析・Malem(2024年)・Iranian Journal of Public Health・9研究

    高血圧の人に早歩きを行った試験9件(2018〜2023年の論文)。上の血圧は下がった(標準化平均差-0.55)が、下の血圧ははっきりした差が出なかった(0.13、95%CI -0.00〜0.26)。

    Brisk Walking Exercise Has Benefits of Lowering Blood Pressure in Hypertension Sufferers: A Systematic Review and Meta-Analysis doi:10.18502/ijph.v53i4.15554

  6. 6.

    メタ分析・Qiu(2014年)・PLoS ONE・20研究・866人

    2型糖尿病の人のRCT20件(866人、8週以上)。上の血圧は11件で-1.69mmHgと有意差なし、下の血圧は12件で1.97mmHg低下。ノルディックウォーキングの1件を除くと上の血圧も-3.20mmHgで有意になった。

    Impact of walking on glycemic control and other cardiovascular risk factors in type 2 diabetes: a meta-analysis doi:10.1371/journal.pone.0109767

始める前に

血圧の薬を飲んでいる人、健診や家庭での測定で血圧が高いと言われた人、持病がある人は、運動を始める前に医師に相談してください。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、診察室で測った血圧が180/110mmHg以上(家庭では160/100mmHg以上)の人は、薬で血圧を下げてから運動を始めるよう勧めています。運動の前に測った血圧が160/100mmHg以上なら散歩程度の軽い運動にとどめ、180/110mmHg以上なら運動を控えて休むよう書いています。低い強度から少しずつ増やすことも勧めています(出典: mhlw.go.jp)。

運動の始め方

持病や、運動で悪くなるおそれのある痛みがある人は、始める前に医師などに相談し、軽い運動から少しずつ増やしてください。インスリンなどで治療中の人は低血糖に、血液をサラサラにする薬を使う人は転倒や打撲に気をつけてください。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の注意です(出典: mhlw.go.jp)。

運動の試験で報告された有害事象

転倒予防の試験(Sherrington 2019)では、不調の多くは筋肉痛などの軽いものでした。一方で、筋肉や関節の不調は、結腸がん治療後の患者の試験(Courneya 2025)で運動をした人の18.5%、比べた相手の11.5%に起き、腰痛へのヨガの研究(Wieland 2022)でも、ヨガをした人で増えていました。

自分で始める

お金をかけずに始めるなら、歩くことと、自宅での筋トレ・バランス運動が研究されています。歩数計を使った取り組みでは、増えた歩数が1〜2年で小さくなりました。ウォーキングの研究の多くは指導つきで、一人で同じ効果が出るとは限りません。

研究で分かっていること
  • ふだんの歩数を測り、その後の死亡を追った15の研究をまとめると、1日の歩数が多い人ほど死亡のリスクが低くなっていました。60歳以上では1日6000〜8000歩、60歳未満では8000〜1万歩あたりから先は、歩数が増えても死亡のリスクはほとんど下がりませんでした。歩数と死亡の関係をみた研究で、歩いたことで死亡が減ったかどうかは確かめられていません。[1]
  • 試験をまとめた研究では、高齢者が自宅で行う筋トレ・運動でも、筋力やバランスが少し改善しました。1回の時間で分けると、効果がみられたのは1回30分以下の区分だけでしたが、時間の区分どうしには、はっきりした差は出ませんでした。指導つきの方が効果はやや大きいという研究もあります。[1][2][3]
  • 歩数計を使って歩数を増やす取り組みの試験をまとめると、始めてから4か月以内の時点で、1日の歩数が平均約1100歩増えました。この差は1年後には約460歩に小さくなり、2年後にははっきりした差がなく、3〜4年後には約430歩の差がありました。スマホアプリや活動量計は、単純な歩数計より効果が小さいという結果でした。[1]
  • ウォーキングだけの試験をまとめた研究でも、上の血圧が平均約4mmHg下がっています。ただ、その試験の多くは指導つきでした。[1]

サプリと比べる

血圧が気になる人のために、サプリと運動の格付けを並べたページです。

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ほかの運動と効果

専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。誤りを知らせる