本文へ移動
えびらぼ

筋トレでコレステロールは下がる?

筋トレだけを調べた論文16件から・2026-10-12 更新

結論

筋トレをすると、運動しない人よりLDLコレステロールが少し下がるという結果はありますが、まだはっきりしません。成人の解析で下がった量は約6mg/dLで、最も大きい解析の本文では、筋トレだけの群ではっきりした差は出ていませんでした。

  • LDLコレステロールは下がる? … B(根拠は限定的)
  • 閉経後の女性の、LDLコレステロールは下がる? … B(根拠は限定的)
  • 2型糖尿病の人の、中性脂肪は下がる? … B(根拠は限定的)

記号は、研究の質・結果の一致・効果の大きさなどから評価したもので、運動どうしの効き目の順位ではありません。運動全体(種類を問わない研究)では、「LDLコレステロール」はA(根拠あり)、「中性脂肪」はA(根拠あり)です。運動全体の格付けを見る

B

LDLコレステロールは下がる?

Bランク・根拠は限定的対象:成人(太りぎみ・高血圧・2型糖尿病など危険因子のある人を含む)

筋トレをすると、運動しない人よりLDLコレステロールが少し下がるという結果はありますが、まだはっきりしません。成人の解析で下がった量は約6mg/dLで、最も大きい解析の本文では、筋トレだけの群ではっきりした差は出ていませんでした。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文6本

効果の大きさ

RCT29件の解析[1]では、運動しない人よりLDLが6.1mg/dL下がりました。危険因子のある成人の解析[3]では、軽めの負荷で0.10mmol/L(約4mg/dL、換算)、少しずつ重くする筋トレで6.19mg/dL下がりました。

確実性(中心にした解析の著者による評価)
低い
根拠にした論文
メタ分析 6本

注意点

  • 強さ:解析[3]では、軽めの負荷(11件)と少しずつ重くする筋トレ(4件)でLDLが下がりました。中くらいの負荷(25件)は試験の間の差が大きく、まとめた数字は出されていません。
  • 太りぎみの人:BMI25以上の成人の解析[6]では0.25mmol/L(約10mg/dL、換算)下がり、食事の管理も行った試験で下がり方が大きめでした。
  • 健康な成人:主に血圧を調べたRCT28件の解析[5]では、LDLにはっきりした差は出ませんでした。
  • 量・回数:解析[3]の試験は週2〜4回・8週以上の筋トレでした。

格付けの理由

筋トレだけを調べた解析[1][3][4][6]ではLDLが下がりましたが、148件の解析[2]の本文では、筋トレの群(32群)ではっきりした差が出ていませんでした。解析[3]の確実性は中程度〜低いと評価されています。解析どうしで結果が一致しないため、B(根拠は限定的)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    メタ分析・Kelley(2009年)・Preventive Medicine・29研究・1,329人

    成人のRCT29件(1329人)。少しずつ重くする筋トレで、運動しない対照よりLDLが6.1mg/dL(95%CI -11.2〜-1.0)、中性脂肪が8.1mg/dL下がった。HDLにははっきりした差なし。

    Impact of progressive resistance training on lipids and lipoproteins in adults: A meta-analysis of randomized controlled trials doi:10.1016/j.ypmed.2008.10.010

  2. 2.

    メタ分析・Smart(2025年)・Sports Medicine・148研究・8,673人

    運動のRCT148件(8673人)。運動全体ではLDLが7.22mg/dL低下(抄録)。本文の図7では、筋トレだけの群(32群)は総コレステロール・LDL・中性脂肪にはっきりした差なし。HDLの上昇は質の低い試験でだけ有意。

    The Effect of Exercise Training on Blood Lipids: A Systematic Review and Meta-analysis doi:10.1007/s40279-024-02115-z

  3. 3.

    メタ分析・de Oude(2025年)・European Heart Journal Open・41研究・1,324人

    危険因子のある成人のRCT(LDLは41件・1324人)。軽めの負荷(11件)で0.10mmol/L、少しずつ重くする筋トレ(4件)で0.16mmol/L(6.19mg/dL)LDLが低下(確実性は中程度)。中くらいの負荷はばらつきが大きく数字をまとめていない。

    The effect of different resistance exercise training intensities on cardiovascular risk factors: a systematic review and meta-analysis doi:10.1093/ehjopen/oeaf093

  4. 4.

    メタ分析・Costa(2019年)・Journal of Physical Activity and Health

    成人の臨床試験(ランダム化に限らない)。筋トレだけで、対照よりLDLが下がった(効果量-0.45、小さい)。総コレステロール・中性脂肪も下がり、HDLは上がった。試験数は抄録に記載なし。

    Effect of Strength Training on Lipid and Inflammatory Outcomes: Systematic Review With Meta-Analysis and Meta-Regression doi:10.1123/jpah.2018-0317

  5. 5.

    メタ分析・Cornelissen(2011年)・Hypertension・28研究・1,012人

    健康な成人のRCT28件(1012人、主に血圧を調べた解析)。筋トレで中性脂肪が0.11mmol/L下がったが、LDLを含むほかの脂質にははっきりした差なし。

    Impact of resistance training on blood pressure and other cardiovascular risk factors: a meta-analysis of randomized, controlled trials doi:10.1161/hypertensionaha.111.177071

  6. 6.

    メタ分析・Wu(2026年)・Obesity Reviews・12研究・454人

    BMI25以上の成人のRCT12件(454人、週2〜3回)。筋トレでLDLが0.25mmol/L、中性脂肪が0.17mmol/L下がった。総コレステロールとHDLははっきりした差なし。食事の管理を併せた試験で下がり方が大きい。

    Effects of Moderate-Frequency Resistance Training on Cardiometabolic Risk Factors in Adults With Overweight or Obesity: A Systematic Review and Meta-Analysis doi:10.1111/obr.70130

B

閉経後の女性の、LDLコレステロールは下がる?

Bランク・根拠は限定的対象:閉経後の女性(太りぎみの人や60歳以上の人が多い)

閉経後の女性が筋トレをすると、運動しない人よりLDLコレステロールが約8mg/dL下がったという解析があります(肥満の人の12週の筋トレでは約16mg/dL)。ただし、まだはっきりしません。もとのLDLが130mg/dL以上の人では約14mg/dL下がりました。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文4本

効果の大きさ

閉経後の女性のRCT19件の解析[1]ではLDLが8.48mg/dL、代謝のリスクがある65歳以上(9割が女性)のゴムバンドの解析[2]では11.03mg/dL、肥満の閉経後の女性の12週の筋トレ(3件)[4]では16.36mg/dL下がりました。

確実性(中心にした解析の著者による評価)
低い
根拠にした論文
メタ分析 4本

注意点

  • HDLコレステロール:解析[1]ではHDLが2.97mg/dL下がり、特に肥満の人で下がりました。一方、解析[2][4]では上がり、解析によって結果が一致しません。
  • もとの値:解析[1]では、もとのLDLが130mg/dL以上の人で14.38mg/dL下がりました。
  • 量:過体重・肥満の閉経後または高齢の女性の解析[3]では、LDLは週約44セットの筋トレ(4件)で下がり、週約77セット(2件)でははっきりした差は出ませんでした。どちらも試験が少なく、確実性は低い〜非常に低いと評価されています。
  • 対象:解析[2]は、運動習慣がなく、メタボリックシンドロームなど代謝のリスクがある65歳以上(9割が女性)で、筋トレはゴムバンドを使うものだけでした。

格付けの理由

閉経後の女性のRCT19件の解析[1]と、高齢の女性が中心の解析[2][3][4]で、どれもLDLが下がる向きでした。ただし解析[3][4]は確実性を低いと評価し、小さな試験が多く、解析どうしで同じ試験が重なって入っているとみられるため、B(根拠は限定的)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    メタ分析・He(2023年)・European Journal of Obstetrics & Gynecology and Reproductive Biology・19研究

    閉経後の女性のRCT19件。筋トレでLDLが8.48mg/dL、総コレステロールが11.47mg/dL下がった。もとのLDLが130以上の人では14.38mg/dL低下。HDLは2.97mg/dL下がり、特に肥満の人で下がった。

    Effect of resistance training on lipid profile in postmenopausal women: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials doi:10.1016/j.ejogrb.2023.06.023

  2. 2.

    メタ分析・Saez-Berlanga(2026年)・Archives of Physical Medicine and Rehabilitation・23研究・1,134人

    65歳以上(平均70歳、9割が女性)のRCT23件(1134人)。ゴムバンドの筋トレで、LDLが11.03mg/dL、中性脂肪が11.98mg/dL下がり、HDLが2.42mg/dL上がった。

    Optimizing Elastic Band Resistance Training for Metabolic Syndrome Components in Older Adults: A Systematic Review, Meta-Analysis, and Meta-Regression of Randomized Controlled Trials doi:10.1016/j.apmr.2026.02.485

  3. 3.

    メタ分析・Nunes(2024年)・Journal of Sport and Health Science・20研究

    太りぎみの閉経後・高齢の女性のRCT20件。代謝の指標は両方の量で改善(抄録)。本文の表では、LDLは週約44セット(4件)で低下(効果量-0.76、確実性は低い)、週約77セット(2件)ではっきりした差なし。

    Effect of resistance training volume on body adiposity, metabolic risk, and inflammation in postmenopausal and older females: Systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials doi:10.1016/j.jshs.2023.09.012

  4. 4.

    メタ分析・Bernal(2025年)・Brazilian Journal of Medical and Biological Research・3研究

    肥満の閉経後の女性で、12週の筋トレによりLDLが16.36mg/dL、中性脂肪が14.86mg/dL下がり、HDLが4.20mg/dL上がった(抄録)。本文では試験3件をまとめた結果で、LDLの確実性は低い。

    Effects of physical exercise on the lipid profile of perimenopausal and postmenopausal women: a systematic review and meta-analysis doi:10.1590/1414-431x2025e14194

B

2型糖尿病の人の、中性脂肪は下がる?

Bランク・根拠は限定的対象:2型糖尿病の成人

2型糖尿病の人が筋トレをすると、運動しない人より中性脂肪が約14〜18mg/dL下がったという結果が複数の解析で出ていますが、まだはっきりしません。

くわしく効果の大きさ・注意点・論文6本

効果の大きさ

RCT50件の解析[1]では中性脂肪が14.05mg/dL、48件の解析[2]では18.14mg/dL下がりました。BMI25以上の人の解析[3]でも下がり、効果量(差の大きさをそろえた数字)は-0.54(中くらい)でした。

確実性(中心にした解析の著者による評価)
低い
根拠にした論文
メタ分析 6本

注意点

  • 確実性:BMI25以上の人の解析[3]は、結果全体の確実性を非常に低い〜中程度と評価しています。
  • 女性:太りぎみの中高年の女性の解析[5](13件・315人)では、中性脂肪にははっきりした差は出ませんでした。
  • HDLコレステロール:解析[1][2][3]では上がりましたが、解析[4][5][6]でははっきりした差は出ませんでした。
  • 高齢の人:高齢の2型糖尿病の人のRCT19件の解析[4]でも、中性脂肪は下がりました。
  • 古い解析:2007年までのRCT13件の解析[6]では、中性脂肪を含む脂質にはっきりした差は出ませんでした。

格付けの理由

2型糖尿病の人の筋トレの解析[1][2][3][4]で中性脂肪が下がりました。ただし解析[1][2]は同じ時期の似た解析で試験が大きく重なるとみられ、ばらつきも大きく、女性だけの解析[5]と古い解析[6]でははっきりした差が出なかったため、B(根拠は限定的)としました。

根拠にした論文

  1. 1.

    メタ分析・Han(2025年)・Diabetes Research and Clinical Practice・50研究・2,271人

    2型糖尿病の人のRCT50件(2271人)。筋トレで、運動しない対照より中性脂肪が14.05mg/dL下がり、HDLが1.86mg/dL上がった。著者はばらつきの大きさと試験の小ささを限界に挙げている。

    Resistance exercise training and its impact on metabolic syndrome in type 2 diabetes: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials doi:10.1016/j.diabres.2025.112077

  2. 2.

    メタ分析・Sun(2025年)・Acta Diabetologica・48研究

    2型糖尿病の人の48件の解析。筋トレで中性脂肪が18.14mg/dL(95%CI -30.32〜-5.96)下がり、HDLが2.71mg/dL上がった。LDLの結果は抄録に記載なし。

    Effects of resistance training on cardiovascular risk factors in patients with type 2 diabetes mellitus: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials doi:10.1007/s00592-024-02413-y

  3. 3.

    メタ分析・Al-Mhanna(2025年)・British Journal of Sports Medicine・18研究・1,180人

    BMI25以上の2型糖尿病の人のRCT18件(1180人)。筋トレだけで、運動しない標準治療より中性脂肪が下がり(効果量-0.54、中くらい)、HDLが上がった。確実性は非常に低い〜中程度。

    Impact of resistance training on cardiometabolic health-related indices in patients with type 2 diabetes and overweight/obesity: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials doi:10.1136/bjsports-2024-108947

  4. 4.

    メタ分析・Feng(2025年)・Diabetes Research and Clinical Practice・19研究

    高齢の2型糖尿病の人のRCT19件。筋トレで中性脂肪が下がり(-0.32、単位は抄録に記載なし)、総コレステロールも下がった。HDLにははっきりした差なし。

    The efficacy of resistance exercise training on metabolic health, body composition, and muscle strength in older adults with type 2 diabetes: A systematic review and Meta-Analysis doi:10.1016/j.diabres.2025.112079

  5. 5.

    メタ分析・Liu(2025年)・Maturitas・13研究・315人

    太りぎみの中高年の2型糖尿病の女性13件(315人)。筋トレで総コレステロールとLDLは下がったが、中性脂肪とHDLにははっきりした差なし。

    The effects of resistance training on glycemic control, cardiometabolic health, and body composition in middle-aged and older women with type 2 diabetes and overweight or obesity: A systematic review and meta-analysis doi:10.1016/j.maturitas.2025.108691

  6. 6.

    メタ分析・Strasser(2010年)・Sports Medicine・13研究

    血糖の異常(2型糖尿病など)がある人のRCT13件(2007年まで)。筋トレでHbA1cは下がったが、中性脂肪・LDL・HDL・総コレステロールにははっきりした差なし。

    Resistance training in the treatment of the metabolic syndrome: a systematic review and meta-analysis of the effect of resistance training on metabolic clustering in patients with abnormal glucose metabolism doi:10.2165/11531380-000000000-00000

始める前に

コレステロールの薬を飲んでいる人や、持病がある人は、運動を始める前に医師に相談してください。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、低い強度から少しずつ増やすことを勧めています(出典: mhlw.go.jp)。

運動の始め方

持病や、運動で悪くなるおそれのある痛みがある人は、始める前に医師などに相談し、軽い運動から少しずつ増やしてください。インスリンなどで治療中の人は低血糖に、血液をサラサラにする薬を使う人は転倒や打撲に気をつけてください。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の注意です(出典: mhlw.go.jp)。

運動の試験で報告された有害事象

転倒予防の試験(Sherrington 2019)では、不調の多くは筋肉痛などの軽いものでした。一方で、筋肉や関節の不調は、結腸がん治療後の患者の試験(Courneya 2025)で運動をした人の18.5%、比べた相手の11.5%に起き、腰痛へのヨガの研究(Wieland 2022)でも、ヨガをした人で増えていました。

自分で始める

お金をかけずに始めるなら、歩くことと、自宅での筋トレ・バランス運動が研究されています。歩数計を使った取り組みでは、増えた歩数が1〜2年で小さくなりました。ウォーキングの研究の多くは指導つきで、一人で同じ効果が出るとは限りません。

研究で分かっていること
  • ふだんの歩数を測り、その後の死亡を追った15の研究をまとめると、1日の歩数が多い人ほど死亡のリスクが低くなっていました。60歳以上では1日6000〜8000歩、60歳未満では8000〜1万歩あたりから先は、歩数が増えても死亡のリスクはほとんど下がりませんでした。歩数と死亡の関係をみた研究で、歩いたことで死亡が減ったかどうかは確かめられていません。[1]
  • 試験をまとめた研究では、高齢者が自宅で行う筋トレ・運動でも、筋力やバランスが少し改善しました。1回の時間で分けると、効果がみられたのは1回30分以下の区分だけでしたが、時間の区分どうしには、はっきりした差は出ませんでした。指導つきの方が効果はやや大きいという研究もあります。[1][2][3]
  • 歩数計を使って歩数を増やす取り組みの試験をまとめると、始めてから4か月以内の時点で、1日の歩数が平均約1100歩増えました。この差は1年後には約460歩に小さくなり、2年後にははっきりした差がなく、3〜4年後には約430歩の差がありました。スマホアプリや活動量計は、単純な歩数計より効果が小さいという結果でした。[1]
  • ウォーキングだけの試験をまとめた研究でも、上の血圧が平均約4mmHg下がっています。ただ、その試験の多くは指導つきでした。[1]

サプリと比べる

コレステロール・中性脂肪が気になる人のために、サプリと運動の格付けを並べたページです。

コレステロールを下げる運動とサプリの格付けを見る

ほかの運動と効果

専門家の監修は受けていません。格付けは格付けの決め方に沿って、論文の結果から決めています。誤りを知らせる